出発前のチェックリスト

出発前のチェックリスト

嘘、それとも本当?

「往復チケットじゃないと、入国させてもらえないと旅行代理店で言われました。」とお問い合わせをいただくことがあります。この情報の根拠は不明ですが、間違いです。ドイツ入国審査で差し出すのは、パスポートのみです。パスポートしか提示しないので、往復チケットを所有しているのか、それとも片道か、審査官にはわかりません。

これまで20数年間に渡りパリ、チューリヒ、ヴィーン、それにアムステルダム経由でドイツに入国しましたが、どの国でもパスポートだけの提示で済みました。大体、入国審査ではパスポートの真偽を検査、そして持ち主の名前で指名手配されていないか、入国にはビザが必要かチェックするのがお仕事です。往復チケットで入国しているのか、それとも片道か、入国審査官には興味がありません。

日本では間違った見解が広がっているので、「そんな事はありませんよ。」とお返事しても、なかなか信じていただけません。実際このケースでも、「万が一のことがあっては、、。」と往復チケットを購入されることになりました。そして出発が近づにつれ「何か忘れていないか。」と不安になり、「何を持参すればいいですか。」とお問い合わせをいただきます。

正直なところ、留学してみて、「あ、これを持ってくれば良かった!」という物は必ずあります。これを事前にすべて持参するのは不可能ですので、そこは割り切りましょう。最悪、パスポートとお金さえあれば、他の物は忘れても現地で購入できますので、家を出る前にこの2点をチェックしてください。

とは言え、ドイツと日本は慣習、考え方、気候が全く違うので、現地で思わぬものが重宝することがあります。又、初めての海外旅行がドイツ留学というケースもありますので、ここではこれまでの経験からお勧めの持参物を幾つか挙げておきますのでご参考に。

1. パスポート

「そんな大事な物を忘れる人は居ない!」と思われるかもしれませんが、実際にパスポートの不備で飛行機に乗れないケースがありました。原因はパスポートの有効期限。ドイツに限らず、シェンゲンビザの協定加盟国に入国するには十分なパスポートの有効期限が必要です。
ドイツ領事館のホームページには、「ドイツを含むシェンゲン協定国を出国する日より3ヶ月以上パスポートの残存期間が必要となりました。」とあります。分かりにくい書き方ですが、例えば1ヶ月滞在される場合は、出発の時点で4ヶ月の有効期限が必要です。2ヶ月滞在される場合は、出発の時点で5ヶ月の有効期限が必要です。3ヶ月滞在される場合は、出発の時点で6ヶ月の有効期限が必要です。
この有効期限が不足していると、飛行機に乗れません。交渉しても空港で泣いても駄目ですので、ご注意ください。

2. クレジットカード

旅行先で病気になって病院に行く羽目に。最初に聞かれたのは病状ではなく、「どうやって治療費を払いますか。」ドイツで加入していたアリアンツ社の旅行保険証を提示しましたが、「見たことがない。」と、使えませんでした。そこで所有していたクレジットカードを出すと、やっと診察してもらえました。日本の旅行保険はドイツでは無名なので、おそらく同じような処遇になります。緊急時の支払い手段としてカードをご持参ください。

3. 証明写真

外人局で滞在ビザを申請する際に証明写真が必要になります。厳密に言うと、”biometrische Passbilder“が必要です。勿論、ドイツでも撮れますが、「綺麗に撮って欲しい。」と言われる方は、日本で撮影して2~3枚持参してください。長期留学されるのであれば、5~6枚は必要です。
日本ならば「証明写真の大きさは?」と尋ねますが、ドイツで証明写真(独:Passbilder)と言えば、運転免許証、パスポート、学生証、その用途を問わず、4,5cmx3,5cmと相場が決まっています。

4. お買い物バック

ドイツでは日本のようにお買い物をしたら、”Plastiktüte”(ナイロン袋)が提供されることはありません。手ぶらで買い物に行くと、ナイロン袋を50セントで買うことになります。ナイロン袋は環境汚染の悪玉として非難されているので、最近は紙袋になりました。これがよく破れます。お買い物を入れるバック、袋を日本から持参してください。もっとも最初の頃はお買い物に行くのに袋を忘れて、スーパーで袋を買う羽目に。これを何度か経験すると、忘れないようになります。

5. 雨具

統計によるとドイツでは年間217日が雨です。雨具は必ず必要になります。勿論、現地でも買えますが、雨傘をドイツの店頭で買うと高いです。達人のお勧めはオイルハットと防水性のジャケット。これで両手がフリーになり、スリなどの攻撃があっても防御できます。

6. 常備薬

EU外、すなわち日本からドイツへの薬の郵送は禁止されていますので、常備薬は持参しましょう。薬の持ち込みは、旅行中に使用される量に関しては許されています。すなわちスーツケースの半分が薬で、「これは常備薬です。」という理屈は通じません。
留学中は飛行機、電車と乗り物酔いになる機会が目白押し。是非、乗り物酔い止めをご持参ください。ちなみにドイツ語では”Reisetabletten”と言い、どこの薬局でも買えます。日本人の標準体型なら、1錠で4~5時間は悩みから開放されます。「眠くなるのが嫌!」という人はカフェイン入りの錠剤を。ちなみに20錠入りでたったの3.80ユーロインターネットで注文するとさらに安いです

7. スリッパ

日本と違い、欧州では土足で部屋の中に入ります。これをやると掃除が頻繁に必要なので、室内用スリッパを持参しましょう。勿論、ドイツでも買えますが、到着早々買い出しに行くのも面倒なので、自宅からお気に入りのスリッパを持参しておきましょう。

8. 蚊対策

ドイツにも蚊が居ます。ドイツの部屋にはクーラーがないので、夏、窓は全開です。蚊も一緒に入ってきます。網戸は付いていません。ドイツ人は、「殺虫剤は体に悪い。」と蚊に刺される方を好みますので、あまり販売されていません。6月以降に留学される場合、蚊対策もご持参ください。

9. うちわ

上述の通りクーラーがないので、電車は移動サウナ、大学の教室は混浴サウナです。是非、うちわを持参しておきましょう。うちわを使っていると、何故かドイツ人から注目を浴びるのは不思議、、。欲しいのかな?

10. 水着

暑さを絶えやすくするのはプール。ドイツには湖や巨大な屋外プールがあり、授業の後、週末などに友人達とプールに行くことが結構多いです。一般のプールでもトップレスは可。クラスの女の子はあれよあれよと、トップレスに。ただしすっぽんぽん(独 :splitternackt)は禁止。裸で泳ぎたい方は、FKKという専用の区画で裸になってください。

11. 手土産&挨拶

お金を払って泊めてもらう場合、手土産は必要ありません。ドイツにはそのような習慣はないので、手土産を持参しても相手が困惑します。持参されませんように。それよりも出発前に英語でもドイツ語でも良いので、簡単な自己紹介のメールを送っておいてください。これだけで会う前から印象がぐっと良くなります。

12. ゆかた

「目立ちたい!」という方は浴衣と下駄で歩けば、注目度100%間違いなし。

13.  国際学生証

定期券が学生価格で買えるので、お持ちの方は是非、持参してください。

13.  海外旅行保険

1ヶ月程度の留学でも、疾病保険と個人賠償保険に入ってから渡独してください。ドイツで滞在ビザを申請される場合は、ドイツの保険に入っていないとビザが取れません。ドイツの旅行保険は疾病保険と個人賠償保険、それに事故保険まで込みで37ユーロ/月と破格の安さです。日本では個人賠償責任保険が普及していませんが、ドイツでは大人の常識。ちゃんと保険に加入しても保険証の場所がわからないのでは意味がありません。ファイルフォルダーに航空チケットの詳細、語学学校からのコンファーム、パスポートのコピー、それに保険証を入れて置き、いつでも取り出せるようにしておきましょう。

14. 適した服装

緯度上、ドイツの南部が北海道と同じ。ドイツの中央部になると、そこはもう樺太です。そんな北にあるドイツの夏の生命線は、南からの高気圧。これが張り出さないと、北から寒気が流れ込み、8月の真夏になんと4度の最低気温。朝の通学は半端なく寒いです。出発前に今年の天気を確認して、適した服装をご持参ください。

15. 戸籍謄本

「パスポートを無くしちゃった!」とミュンヘンにある日本領事館に連絡すると、「戸籍謄本がないとパスポートの再発行はできません!」とのこと。「22年もドイツに住んでいるので、日本には知り合いは居ません。」と言うと、「戸籍謄本がないとパスポートの再発行はできません!」と再発行を拒否されました。同じ目に遭わないように、パスポートの紛失に備えて戸籍謄本を書類ファイルに入れておきましょう。

ドイツの豆知識

タクシー

「ドイツでタクシーは安全ですか。」とよく聞かれます。ドイツのタクシーは安全です。ドイツのタクシーはアジアのような「白タク」ではなく、運転手はタクシー会社に雇われている従業員です。勤務中は監視されています。悪さをすると、下手人はすぐにばれて、首になります。乗る前に100万ユーロの現金を見せ、「これを奪えば、一生楽して暮らせますよ。」と誘うなら話は別ですが、普通の乗客が持っているかもしれない小銭で仕事と将来を失うのでは割に合わないので、乗客を襲うような危険はおかしません。ドイツで襲われるのは、運転手の方です。

筆記用具

ドイツ人は(画家でない限り)鉛筆を使いません。書くのはいつも(ボール)ペン。日本人のように消しゴムでゴシゴシするのは、合理的なドイツ人には時間の無駄。書き損じたら二重線を引いて修正。ゴム消しも節約できちゃいます。流石、ドイツ人。
これはドイツ人なら誰もが使ったことがあるベストセラー。使い勝手良し、長寿命。流石、ベストセラー。あまりに有名なので、中国製の偽者も出回っていますので要注意。

水筒

ドイツでは授業中でも飲み物は勝手に飲めますが、毎回買っているとお金がかさむので、水筒を持参すると重宝します。ドイツでは麦茶、ウーロン茶などを食料品店で買うと高級嗜好品。日本食レストランで麦茶をコップ一杯注文すると、小さなコップでなんと2ユーロ(280円)。お茶の葉を持参して水筒で水出しすれば、節約効果大なり。

ドイツ人の趣味は散歩。半端じゃなく歩きます。遠足に参加すると、歩きます。半端なく。留学には格好よりも実用的な靴を選んでください。特にドイツでは雨が多いので、滑らず、濡れても水が入ってこない靴が適しています。
これが顕著になるのが冬。雪が降ると路上は雪解けでシャーベット状態。すぐに靴が濡れて泥だらけになる上、指先が滅茶苦茶寒いです。冬に留学される方はドイツで防水、防寒処置をしている長靴(独:Stiefelを買いましょう。

お洗濯

日本のように洗濯物を外で干す習慣のないドイツでは、紫外線による殺菌消毒効果の代わりに、お湯で洗濯物を洗います。洗濯機のメニューには”Kochwaesche”(湯荒い)というメニューがあり、これで温度を調整するようになっています。ドイツでは下着などを50~60度のお湯で洗い、菌を殺します。これに加えて地域より水が硬質(Hartes Wasser)で、カルシュウムが豊富。ドイツで洗濯するとこれが洗濯物に付着、ごわごわになります。又、回転するドラムに服がひっかかり、服が裂かれてしまうこともあります。効果があるかどうかわかりませんが、洗濯ネットを持参して、大事な服はここに入れて洗いましょう。
洗濯が終わると、真夏でも乾燥機で洗濯物を乾燥させるのがドイツ流。学生寮などには乾燥室があり、ここで洗濯物を干せるケースもあります。しかし女性の場合、下着を干すのは禁物。盗まれます。下着じゃなくても新しい服は盗まれる可能性があるので、「公共の場所」に干す洗濯物は盗む価値がない物にしておきましょう。

換気

ドイツのアパート、とりわけ窓はマイナス20度の気温を想定して作られているので、密閉性がいいです。日本の隙間サッシとは次元が違う代物です。とても重宝しますが、日本人は日本の隙間サッシに慣れているので換気をしません。とくに寒い冬。すると半年で壁に黒いカビが生えてきます。これが発生すると壁紙を全部張替え、ペンキ塗り。20平米の部屋でも2000ユーロの改装費用。払いたくない人は、1日3回、朝起きてから、シャワーの後、料理の後、必ず換気してください。