ドイツの達人になる 交通

交通法規改正 (17.11.2017)

投稿日:2017年11月17日 更新日:

毎年この時期になると、「冬タイヤは義務でしょうか。」というお問い合わせをいただきます。すでに何度もここで書いたので詳細は省きますが、義務ではありません。「でもドイツ人が義務だと言っています。」と言われる方、自分で調べる努力を放棄して「ドイツ人が言うこと」を信じていると、痛い目に遇います。私が車を買ったBMWの正規代理店のドイツ人、「”Stahlfelgen”は禁止になった。」と平気で嘘を付いてきました。ちょうど10月19日から新しい交通法規が施行されたので、ここで幾つか主要な点を紹介してみよう。

厳密に言えば新しい規則が加わったわけではなく、これまでもあった規則/罰則が厳しくなった。例えば携帯。ドイツでも運転しながら携帯を覗き込む人が多くなったが、これを厳しく取り締まるべく罰金が60ユーロから100ユーロに上昇した。そして罰則の対象は携帯だけでなく、タブレット等にも広げれらた。「今、手に取っただけで見ていませんよ。」と言い訳する人も多いが、手に取っただけで罰則が適用されるので、言い訳するだけ無駄です。「耳が痒いから、携帯で掻いてた。」という、愉快な言い訳も通じません。赤信号や渋滞で停まっていても、携帯を手に取ると罰則が課されます。エンジンを切って駐車スペースに車を停めている場合に限り、車に乗っていても罰則の適用外になります。

携帯やタブレットを見ていたことが原因で事故を起こすと、罰金は最高200ユーロまで上昇する。さらには自動車保険が”grobe Fahrlässigkeit”(重度の過失)を理由に保険の適用を拒否することもある。一生を台無しにするほど大事なニュースはなし。車に乗るなら携帯は電源を切ってください。「私は自転車だから関係ないわ。」というものではなく、自転車の乗りながら携帯などをチェックすると罰金、55ユーロが課される。言うまでもなく、赤信号で停まっていても言い訳は通じません。「ナビに使ってる。」という言い訳も通じません。携帯をナビに使用するなら専用の器具を使って車体に固定する必要がある。車体に固定しているなら、ナビゲーションを操作するのと同じ扱いになり、罰則は適用されない。

次のテーマは”rettungsgasse”。直訳すると救済路。日本の高速道路は側道を広く作っており、渋滞時に事故が起きると救急車はこの側道を利用して現場にかけつけることができる。しかしドイツの高速道路の側道はそんなに広くない上、ドイツの救急車はデカイので、側道を走るわけにいかない。そこで渋滞時には救済路を作るように定められている。この救済路はいつも一番左の車線と、その隣の車線で作るもの。2車線だったら簡単ですが、3車線だったら?そう、一番左の追い越し車線とその隣の車線を走っている(正確には停まっている)車は、救済路を作る義務がある。「救急車が来てから寄ればいい。」ではなく、渋滞すると停止する前に救済路を作る必要がある。ところがこれをしない人の方が多い。そこで救済路を構成しないドライバーへの罰金は、最高200ユーロまでになった。実際の緊急場面で警察、救急車を妨げる場合は、最高320ユーロまでの罰金と1ヶ月の免停まで付いてくる。日本にはないルールなので、「ドイツ人は何をしているの?」と不思議に思っていないで、真似をしよう。

そうそう、新しく導入された罰則もある。運転中は顔を隠してはいけない。主にイスラム教徒の女性向けの規則だが、中には顔を隠して故意にスピード違反をする人もいる。顔が見えない場合、警察は誰が車を運転していたか特定できないので、罰則を提供することができないからだ。例外はオートバイのヘルメットや自転車で寒い日に顔を覆う服装。

最後に人気のスピード違反の罰金と点数に関して。街中で10km/hまでのスピード違反では15ユーロの罰金、11~15km/hまでのスピード違反では25ユーロの罰金、16~20km/hまでのスピード違反では35ユーロの罰金、21~25km/hまでのスピード違反では80ユーロの罰金+1点、26~30km/hまでのスピード違反では100ユーロの罰金+1点、31~40km/hまでのスピード違反では160ユーロの罰金+2点+1ヶ月の免停、41~50km/hまでのスピード違反では200ユーロの罰金+2点+1ヶ月の免停、51~60m/hまでのスピード違反では280ユーロの罰金+2点+2ヶ月の免停、61~70m/hまでのスピード違反では480ユーロの罰金+2点+3ヶ月の免停、70m/h以上のスピード違反では680ユーロの罰金+2点+3ヶ月の免停と、日本、あるいはスイスやイタリアを比べるととってもお得なお値段。もっとも社会的な地位のある人がスピード違反を犯すと、罰金はお給料に比例して上昇する。かってハーレーの社長が30KMゾーンでスピード違反で捕まった際、罰金は1万ユーロを超える高額なものだった。高給取りの方はお気をつけください。

 

これが”Rettungsgasse”です。

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