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三菱自動車 排ガス規制違反疑惑 で社宅強制調査

投稿日:2020年4月14日 更新日:

これまでは排ガス規制違反と言えば、フォルクスヴァーゲンを筆頭に、ドイツの自動車メーカーばかりやり玉に挙がっていました。この為、「フォルクスヴァーゲンはひどい。」というごもっともな非難に始まって、「ドイツの車メーカーはひどい。」という、一蓮托生型の非難まで。

「クリーン デイーゼル」という宣伝文句に騙されて、浄化されないままの排ガスを出している車を買わされた方には、おくやみの言葉しかない。しかしここでも最初から指摘しているように、排ガス洗浄機能を操作したのは、ドイツの車メーカーだけではない。

ドイツの検察はドイツの車メーカーに一通り多額の罰金を課せた後、今度は海外の自動車メーカーにその操作の対象を広げてきた。

三菱自動車 排ガス規制違反疑惑 で社宅強制調査

ドイツの検察当局が次に捜査の矛先を向けたのは、三菱自動車だった。コロナウイルス感染が全世界に広がる前の1月21日、フランクフルトの検察局はドイツ全土の三菱自動車のオフィスに対して、一斉に強制捜査を実施した。

参照 : spiegel.de

同時に自動車部品メーカーの社宅も強制捜査に対象になった。検察当局が明らかにしたところでは、三菱自動車の 1.6リットル、それに 2.2 リットルのディーゼル エンジン車、オイロ 5 & オイロ 6 に対して、排ガス洗浄機能を抑止する違法な操作が行われているという。

検察は強制捜査に伴い、2014年以降に三菱自動車の 1.6リットル、それに 2.2 リットルのディーゼル エンジン車を購入した消費者に、「証人」として警察に申告するように呼び掛けている。今後の捜査次第で、捜査の対象になっている車両は、交通局の認可を失い公道を走れなくなる可能性がある。

オイロ 5 & オイロ 6 って何?

オイロ 5 、及び オイロ 6 は欧州全域で有効な排ガス規制値だ。オイロ 5は2005年に導入され、2015年までに販売されたディーゼル エンジン車が守るべき排ガスの基準値を示している。オイロ 6は2014年に導入されたデ排ガスの基準値だ。

厳密に言えば現行ではオイロ 6d という基準値で、最もクリーンなディーゼル エンジンということになる。もっともオイロ 6 のディーゼル エンジン車でも、実際に走行中の排ガスを計測すると、本来は満たすべき基準値の2倍もの酸化窒素を排出している。

参照 : spiegel.de

今回、検察当局の捜査の対象になったのが三菱自動車のオイロ 6 のデイーゼル エンジンである事を考えれば、「クリーン ディーゼル」という言葉は車販売促進用のジョークとして考えて、真面目に取らないほうがいい。

三菱自動車 排ガス規制違反疑惑 – 今後の処罰はどうなる?

三菱自動車、今後の処罰はどうなるのだろう。それを伺い知るには、3年前に発覚したメルセデス ベンツの排ガス規制操作疑惑が参考になる。

2017年、シュトットガルト検察局の強制捜査を受けたメルセデスは、対象車両のリコールを命じられた後で罰金を課され、無罪放免となった。三菱自動車にとっても今後、同様の処罰がされることになるだろう。勿論、三菱自動車が操作に協力して、交通認可局が勧めるリコールを実施することが条件だが。

もっとも三菱自動車にとって、今回の強制捜査は誠に間が悪い。操作の後、コロナウイルスが世界中で蔓延、自動車の組み立て生産ラインは止まっており、さらにこの時期に自動車を買おうという人は少ない。メルセデスの場合、強制捜査から罰金が課されるまで、ほぼ3年もの月日が流れた。

三菱自動車も同様の猶予がある事を願っているだろう。もし今年に罰金が課されたら、これを払うのは楽ではない。

証人を探せ!

ドイツ車、日本車に限らず、韓国車、フランス車、どの会社も排ガス洗浄機能を操作しているのは、周知のこと。問題はこれをいかにして証明するかにある。

例えばフォルクスヴァーゲン、それにメルセデスが排ガス洗浄機能を操作するのを助けたのは、ドイツの大手自動車部品メーカーのボッシュが提供した電子部品だった。ボッシュは検察からの取り調べに「とりわけ協力的」だったと言われている。

この為、ボッシュへの罰金は9000万ユーロで済み、フォルクスヴァーゲン、それにメルセデスが払った罰金に比べれば、大バーゲンだ。

参照 : zeit.de

今回、フランクフルトの検察はこれまた大手の自動車部品メーカーであるコンチネンタル社に対して、強制社宅調査を実施している。コンチネンタル社によれば、「証人として捜査を受けた。」という。

同社が三菱自動車に部品を提供しているか不明だが、そのような事実があれば、三菱自動車はまな板の上のタイ。

次の操作ターゲットは誰だ!?

ドイツの検察が三菱自動車をターゲットにしたのは、偶然だろうか?もしドイツの車メーカーを助けるための強制捜査なら、現代自動車やトヨタ、日産あたりを狙った方がよかっただろう。

ドイツ人に「三菱は戦争中は戦闘機、戦後が車を製造している BMW みたいな会社だよ。」と言っても、「三菱の車なんて見たことがない。」という。そんな小さな会社が選ばれたのは、やはり証拠固めがしやすいと考えたのではないか。

もしトヨタを攻めるなら、電子部品を提供しているデンソーも攻めなければならないが、デンソーの本社は日本。ミュンヘンにあるドイツ支店でどれだけ証拠が集まるか。現代自動車にしてもしかり。その意味ではケルン郊外で自動車を製造しているフォードが候補にあがるかもしれない。

もっともあの大統領を相手に争うだけの度胸があるかどうか。もし、「排ガス操作をしているのは、ドイツのメーカーだけじゃありませんよ。」というメッセージを伝えたいなら、次はフランスかイタリア車あたりが適当かもしれない。

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執筆者:

nishi

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