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ドイツの労働条件 – 死ぬまで働くのは日本人だけ

投稿日:2018年2月17日 更新日:

ドイツに1年ほど滞在すると、日本で想像していたドイツと実際のドイツとは、何一つ似ていない国であったことがわかってきます。簡潔に言えば、日本は精神主義。「そんなことで弱音をはいてどうする。」と、会社に就職すると残業、残業。

就職して2年前にすでに人生に絶望して自殺するケースが度々、新聞を飾ります。自殺すると新聞を飾りますが、鬱になって会社を辞めるケースは報道されない。どのくらい被害者が多いのか、想像するしかありません。ドイツ人は、「なんで日本人は死ぬまで働くのか。」と、頭をかしげています。

ドイツの労働条件 – 死ぬまで働くのは日本人だけ

ドイツでは1日の最長就労時間は8時間と決まっています。メッセ(見本市)などの「特別の事情」がある場合は、これを超えることも可ですが、それでも10時間まで。何があってもこれを超えると違法。そして9時間労働が「当たり前」になると違法です。

1週間の労働時間は、残業を含めても最長48時間まで。これを超えると違法です。日本だと違法行為を働いても、死人が出てニュースになるまで知らぬ顔。ニュースで報道されると、「今後、同じような事例が発生しない対策書」の作成を命じられ、これを提出するとお咎めなし。雇用者には痛くも痒くもありません。

労働法違反

ドイツはそんなに甘くありません。「会社に違法残業を強いられている。」と労働局に報告すると、会社には1万5千ユーロまでの罰金が課されます。ドイツでは「初回だから。」と大目に見ることなく、初回から罰金。2回目は罰金額が上昇。

3度も同じ。罰金を課しても直らないと、営業許可を取り消されます。ドイツでは法律が整備されているので、日本で言うブラック企業が存在し難い環境にあります。

日系企業には要注意

だからドイツ人には、日本のシステムが理解できません。「ガンガン仕事をするぞ。」と意欲燃えて就職、2~3年で燃え尽きた方には、海外への移住をお勧めします。その際注意して欲しいのは、日系企業への就職。日本の悪習をドイツにまで持ち込んでいます。

私が就職した日系企業では、ドイツ人は17時30分に帰宅。日本だけは20時まで残って残業という二重社会が出来上がっていました。それでも仕事が終わらないので週末出勤。勿論、違法です。

日本人上司は、「そんなことで根をあげてどうする。」と精神主義で誤魔化そうとしますが、この圧力に負けないように。ドイツではこのような就労形態は違法です。

最初の1~2年はまだもつかもしれませんが、3年目には嫌気がさしてきます。ドイツで長く働けるように、違法な労働環境を甘受しないようにしてください。

雇用契約書

そんな境遇に陥らない最善の手段は雇用契約書。ドイツで初めて就職すると、どこまでが合法で、どこから違法なのか、何一つわかりません。そこで経験豊富な会社にまんまと騙されて、会社に都合のいい雇用契約書を出されて、これにサインしてしまいます。

そんな目に遭わないように肝心な点をご紹介。まずは労働時間。通常のオフィスでの仕事なら週40時間まで(ラッキーな場合は週38、5時間)。労働組合が雇用者側と交渉をしている鉄鋼業界は週35時間まで、公務員は38.5時間までと労働時間が決まっています。

雇用契約書でこれ以上の労働時間を要求するのは違法ですから、そのような労働契約書にサインしていてもドイツの法律上では”nichtig”(無効)ですので、従う必要はありません。

会社がよく使うトリック

雇用者側に人気のトリックは残業。「お給料は残業費込みです。」と言われたら、そのままサインしては駄目。あとで死ぬほど後悔します。残業した時間は、他の日に早く帰る、あるいは休暇として消化されるのか、あとから後悔しないように契約の時点ではっきりさせておきましょう。

そしてドイツでは休日出勤は禁止されています。日曜日に街中に出ても、何処もお休みですよね。ガソリンスタンド、レストランなどの例外を除き、通常のお仕事では休日出勤は禁止されています。

ところが日系企業は、「週末にゴルフコンペをやるから出てくれ。」と日本人社員を違法に、さらに無償で働かせようとします。これは違法ですから、承諾されませんように。日本社会の得意技、圧力をかけてきた場合は、労働局に報告すれば監査が入ります。

日曜出勤

例外は契約時の雇用契約書で、「見本市の準備で日曜日の出勤が必要になることもある。」などと、日曜出勤が書かれている場合。この場合に限り休日出勤も合法です。ただし!休日出勤は高いです。

日曜出勤を命令すると会社は通常のお給料に50%、祝日だと125%、クリスマスだと150%、上増しすることが義務です。平日でも20時以降の残業は25%、0時以降の深夜の仕事は40%、お給料に上増ししなくてはなりません。

このため生産ラインで働いている労働者は、お給料が5000ユーロとかなりのお給料。「私、日曜日に働かされました!」という人は、過去3年まで遡ってお給料を要求することもできます。もうその会社で働いていなくても、権利は変わりません。

病欠

又、体調を崩して会社を休む場合、労働者は会社にどんな病状なのか説明する義務はありません。上司がこれを聞いてきたら、違法です。「君は今月だけで○回目の病欠だろう。」と病欠の記録を取るのも違法。

仕事で使っているコンピュータを休暇中、「一体、どんなメールを書いているんだ。」と上司が勝手に盗み見るのも違法。就職の面接で女性に「妊娠の予定はありますか。」と聞くのも違法。

日本で働いたことがある人には、ドイツの労働環境は夢のよう。日本で3年ばかり働いて経験と技能を磨いたら、ドイツ語/英語を習ってドイツで働くのもアリです。今や仕事場がグローバル化する時代です。日本だけの狭い劣悪な労働環境で甘受せず、世界に出て働きましょう。人生を本当にエンジョイできます。

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執筆者:

nishi

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