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コロナワクチン開発競争 【独】ビオンテック 一番乗り!

投稿日:2020年11月12日 更新日:

コロナワクチン開発競争 【独】ビオンテック 一番乗り!
世界を舞台に広げられている コロナワクチン開発競争 。

ワクチン製造の実績で世界をリードする欧米はもとより、日本、中国、ロシア、さらにはタイまで巻き込んで、ワクチンの開発が続けられている。

コロナの第二派の襲来で、欧州では10月末~11月初めにかけて、二度目のシャットダウンが実行された。

その11月の二週目、

「治験にて、被験者には90%を超える確率でコロナへの抗体をもつことが確認された。」

と、ドイツのマインツにあるバイオテクニカルの会社、ビオンテック/ Biontech 社が発表した。*1

参照 : br.de

何故、ビオンテック社は他社を差し置いて、世界で最初のコロナワクチンの開発に成功したのだろう?

アストラゼネカ コロナワクチン開発競争 のリードを失う!

まだ夏までは、オックスフォード大学と共同で開発していた英国のアストラゼネカ社が、コロナワクチン開発競争をリードしていた。

当時はまだ自信満々で、

「8月には治験を終えて、9月には認可申請を上げる。」

と言っていた。ところがこれが、

「10月の認可申請を目指す」

に代わり、次いで

「年内の認可申請を目指す。」

と、変わっていった。素人目にも、

「何かうまくいっていない。」

とわかったが、9月になって

「コロナワクチンの治験を一時中止する。」

と発表した。治験者で重大な副作用が出たためだった。

参照 : rp-online.de

するとその道の専門家達は、

「ワクチン開発ではよくあること。心配する必要はない。」

と、専門知識で我々をなだめてくれた。ところがである、アストラゼネカ社が治験を中止したのは、実はこれが二度目であった。

株価の下落を心配した同社は、最初の治験の中止を発表しなかったのだ。

参照 : nau.ch

道理でコロナワクチン認可申請の目標が、次々に後にずらされたわけだ。

これがばれると、米国の食料品 & 医薬品の認可局は、今日までアストラゼネカ社による治験の再開を認めていない。ワクチンが、

「喉から手が出るほど欲しい」

あのトランプの国でだ。

ところが日本では、アストラゼネカ社による治験は再開された。再選を目指すトランプ同様、オリンピック開催をスローガンに挙げている国にとって、コロナワクチン開発は国益を左右する。

しかしこの二度目の治験中止により、アストラゼネカ社はコロナワクチン開発競争で保っていたリードを失った。

【米】モデルナ社 コロナワクチン

アストラゼネカ社に次いでコロナワクチンの治験、第三段階に入ったのは【米】モデルナ社だった。

モデルナ社も、

「2020年秋のコロナワクチン認可申請」

を目指していたが、これが9月なのか、11月なのか、はっきりしなかった。

10月には第三段階の治験を終え、「まもなく治験の結果を発表する。」と声明を出していた。

今か今かと

「ワクチン開発成功!」

のニュースを待っていたが、そのニュースは違った方向からやってきた。

コロナワクチン開発競争 【独】ビオンテック 一番乗り!

【米】モデルナ社に代わって、

「コロナワクチン 開発成功!」

とセンセーショナルなニュースで世界を驚かしたのは、【独】ビオンテック社だった。

同社の発表によると、第三次治験参加者のうち、コロナに感染したのは100名(*2)。この100名のうち、90%以上が偽の試薬(プラセボ)を投与されていた。

すなわちビオンテック社が会社したコロナワクチンが貸与されたのに、コロナに感染したのは10%未満という驚異的な数字だった。

感染学の専門家は、コロナワクチンによる感染防御の確率を60~70%と予想していただけに、この数字は想定外だった。世界中がこのニュースにフィーバーして、株価が上昇したのも無理はない。

ビオンテック社が第三段階の治験に入ったのは、アストラゼネカ社、モデルナ社の後。一体、どうやって追い越すことができたのだろう?

【米】ファイザー社との共同開発

【独】Cure Vac / キュアバック社もコロナワクチンの開発を進めている。

11月初め、ようやく第一段階の治験を終えた。スムーズに行っても、同社のワクチンが完成するのは、来年の春。

ビオンテック社もキュアバック社も、ほぼ同時に開発を始めたのに、この違いは何処から来たのだろう?

ビオンテック社コのロナワクチン開発で大きな役割を果たしたが、【米】ファイザー社との共同開発だ。今でこそスイスの製薬会社に追い越されたが、ファイザー社はかっては世界一の売り上げを誇る製薬会社。

新薬の認可に欠かせない治験の分野で、他社に負けないネットワークを持っている。

キュアバック社は独自でコロナワクチンを開発する道を選んだが、ビオンテック社はファイザーのネットワークのお陰で、先に最終治験に入ったモデルナ社を追い越すことに成功した。

どのみち米国での治験、それに最初の認可申請が米国で行われる事を考えれば当たり前からしれないが、ビオンテック社は戦略で他社よりも優れていた。*3

日本産のコロナワクチン開発が進まない理由

キュアバック社、ビオンテック社、それにモデルナ社も、mRNA 方式でワクチンを開発した。

mRNA 方式でワクチンを製造する利点は、DNAプリンターで大量に生産できる点。効果のあるワクチンを特定すれば、オートメーション化された施設でほぼ無人で昼夜、大量生産できる。

しかし歴史上、mRNA 方式でワクチンの開発に成功した試しがない。うまくいくかどうかわからないワクチン開発など、余程の余裕がある会社にしかできない。

これが原因で、ドイツでは10年以上も前に多くのバイヲ テクニカルの会社が誕生したが、生き延びることができたのはわずか。

そのわずかな生き残りの(資金力のある)バイヲテクニカル社にとって、今回のコロナウイルスは、これまで蓄積した技術を見せつける絶好の機会でもあった。

ドイツ政府が、こうしたバイヲ テクニカル社がワクチン開発を進めれるように、7億5000万ユーロの資金を提供したのも、大きかった。

参照 : tagesschau.de

勿論、上述のキュアバック社、ビオンテック社もこの恩恵にあずかった。

ワクチン開発に失敗しても、返却する必要がないこの資金源のお陰で、ドイツのバイオテクニカル社 & 製薬会社はワクチン開発に集中することができた。

一方、日本政府は第一弾アベノマスクだけで250億円もの巨費を投じた。そんな金があれば、日本のバイオテクニカル社 & 製薬会社に投資して、ワクチンを開発するように背中を押してやるべきだった。

これに加えて日本では大規模な治験ができないという欠点もある。大規模な治験ができないので、製薬会社はワクチン開発に二の足を踏む。

結果として日本のコロナワクチン開発は、欧米よりもかなり遅れてためらいがちに始まり、資金不足と治験不足で遅々として進んでいない。

コロナワクチンの接種はいつから?

ビオンテック社の治験はまだ終わっていない。

しかし薬品認可局の規則には、

「50%を超える治験参加者がワクチン接種を受け、かつ、3か月経って副作用の有無を確認していれば、緊急認可申請が可能。」

と例外条項ある。

ビオンテック社はこの緊急認可を、11月の3週目に米国で行う予定だ。日々、13万人の新規感染者に苦しむ米国は、比較的速やかに緊急認可を行うだろう。

結果、ビオンテック社が開発したコロナワクチンの接種は、まずは米国でスタートする。

EUは11月11日、ビオンテック社と3億本のワクチン契約を交わした。ドイツ国内に限って言えば、1億本のワクチンが割り当てられる。

参照 : tagesschau.de

「ドイツの取り分が多い!」

との意見もあるが、ドイツの製薬会社が、ドイツ政府の金融支援を受けて開発したのだから、これは仕方がない。

同社のコロナワクチンはマイナス70度で保存される必要があるので、政府は各州に、

「コロナワクチン 接種センターの整備を急げ。」

と指令、すでに10月からコロナワクチン 接種センターの整備が始まっている。ベルリンでは15か所にコロナワクチン 接種センターが設置される。

ビオンテック社はベルギーと、ドイツの新工場で日夜、コロナワクチンの製造を行っている。

ドイツに留学しており、公的保険に加入している方には無料で接種できる。

肝心のコロナワクチン接種は、1月から始まる。危険グループの国民が最優先、それから医療従事者などのエセンシャルワーカー(社会を回すのに欠かせない仕事をしている人)が来る。

それからやっと一般市民の接種になり、大半の国民に接種がいきわたるのは夏になると想定されている。

注釈 – コロナワクチン開発競争

*1

Biontech をバイオテックと読む人もいれば、ビオンテックと読む人もいます。疑問に思われた方、あまり細かい点に拘らないように!!

*2

治験では4万数千人の参加者から、160人の感染者を出す事が目標です。その160人の感染者のうち、何人がプラセボで、何人がコロナワクチンを接種したか計算して、コロナワクチンの有効性を定めます。

今回の発表はその目標の160人の感染者に達する前、100人の感染者が出た時点での「開発ニュース」です。

*3

キュアバック社は戦略の誤りを認め、今、米国でのパートナーを探している。

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執筆者:

nishi

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