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売れないデイーゼル車 – 日本車 千載一遇のチャンス!

投稿日:2018年1月16日 更新日:

BMWの電気自動車
カッコイイが高すぎるBMWの電気自動車

日本ではまだデイーゼル車が、平気で売れている。排ガススキャンダル、何処吹く風?という様だ。それだけではない。排ガススキャンダルを巻き落としたVW社、平気で「クリーンデイーゼル」との言葉を使用して宣伝している。

ドイツで「「クリーンデイーゼル」と言えば、排ガス操作に直結して、イメージダウンになる。世界と広しといえ、未だに堂々のこのキャッチフレーズを宣伝に使用できるのは日本だけ。

ドイツではVW社に限らず、デイーゼル車の売り上げが減退を続けている。

売れないデイーゼル車

1年前と比べて、15000台もデイーゼル車の登録台数が減った。中古車デイーラーにデイーゼル車が展示されると、これまでは車が売れるまでこれまでは平均して80日かかった。これが2017年には95日になった。そればかりではない。

デイーゼル車はガソリン車に比較して、値落ちが著しい。BMWのX5は1年で17%も価値を落としている。排気ガス基準EURO5なら30%程度の減額を覚悟すればまだ売れるが、EURO4では買い手が見つからない。

かっては登録される自動車の半数がデイーゼルだったドイツで、消費者のデイーゼル離れを引き起こしたのは、VWの排ガス浄化装置の操作が原因だ。排ガス浄化装置を操作しているのは、何もVWだけではない。ほとんどのメーカーが同じことをしている。

フィアットなどはエンジンを始動後、23秒経つと、自動的に浄化装置が機能を止める。試験場で排ガスを計るのは最初の20秒なので、これ以降、排ガスを浄化する必要がないのだ。このような操作は日本車、韓国車、米国車、フランス車、ほぼ例外なく、何かしらの細工がされている。なのに日本ではこれまで通りデイーゼル車が販売できるのは不思議だ。ドイツ同様に車産業が国の基幹産業であるので、政治がこれを取り締まる気がないとしか思えない。

デイーゼル乗り入れ禁止令?

ドイツではとりわけデイーゼル車が多かった為、こうした排ガスを浄化しないデイーゼル車のお陰で市内の空気が汚染される一方だ。裁判所は地方自治体に対して、「2018年1月までに大気汚染度を、法律で定められている値までに落とすべし。」と判決で命じた(シュトットガルト)。市はこれを不服として行政裁判所(最高裁に相当)に上告したが、法律で定めた空気汚染基準値を大きく超えてる現状では裁判所の命令を守れないことは明らかで、2018年2月末に同様の判決が出る可能性が高い。

そうなれば市はデイーゼル車市内乗り入れ禁止令が出す以外に手立てがない。これが出るとデイーゼル車の値段はさらに加速して下がる。デイーゼル車の所有者は、来るのがわかっている禁止令が来る前にデイーゼル車を売りたいが、デイーゼル車をデイーラーにもっていっても「買っても、売れないからね。」と、買い叩かれてしまう。それでも底値で売るか、本当に禁止が来るか見極めてから売るか、選択を迫られている。

EURO 6デイーゼル

消費者団体や車クラブは、すでにデイーゼ車を購入することを警告している。自動車メーカーが「クリーンデイーゼル」と宣伝している最新型のEURO6の基準を満たす車も、所詮は試験場でテストに合格しているに過ぎず、市内走行では許容範囲の6倍以上の二酸化窒素を放出する。車業界は、「ソフトウエアのアップデートで改善される。」と翠帳しているが、ソフトウエアのアップデータで改善されるのは5%程度。これでは到底、規定を満たさない。

結果、EURO6のデイーゼル車も市内乗り入れ禁止リストに載る可能性がある。そして諸都市でデイーゼル乗り入れ禁止令が出ると、値崩れはさらに加速すると見られている。こうした不安が消費者のデイーゼル離れを加速している。

代わりの選択肢のなさ

そこでデイーゼル車に変わる車が必要なのだが、そう簡単には行かない。例えばガソリン(エンジン)車。二酸化窒素の放出量が少ないが、ガソリンの消費量が多く、二酸化炭素を多く放出する。もしデイーゼル車がすべてガソリン車になった場合、ドイツ政府が目標に上げている二酸化炭素の放出量の減少は達成できないどころか、排出量が上昇する。

デイーゼルもガソリン車も駄目なら、何がある?ということになるのだが、日本や中国と違って電気自動車、ハイブリット車はドイツでは稀。BMWはドイツの自動車メーカーの中では最も早く電気自動車を提供しているが、値段が高すぎて真の選択肢になってない。BMWはi3の車体をアルミで作らずに、高価な炭素繊維で作る決定的な間違いを犯した。

蓄電池の製造費が高く、ただでも高価になる電気自動車を、さらに高価にしてしまった。その点、日本の自動車メーカは賢い。デザインはイマイチだが、値段を考えて、従来の素材を使用、値段を抑えることに成功した。

VWの排ガス浄化装置の違法な操作が発覚してから2年間、ドイツの自動車業界は将来の明らかな傾向を見ることを拒否、やっと2017年になって内燃エンジンには将来がない事を悟った。各社、電気自動車の開発にやっきになっているが、日本車はこの分野では10数年も先を行っている。

日本車 千載一遇のチャンス!

日本の車メーカーがドイツの車メーカと同じような間違いをせず、政治と一体になって電気自動車導入に専念すれば、日本車が決して果たせなかった夢、「ドイツ車に追いつき、追い越せ!」が可能になる。というのも内燃エンジン、ギアの技術では、日本はドイツメーカーに勝ち目がない。

しかし電気自動車では、ドイツの誇る技術が必要ない。逆に日本の技術、蓄電池の製造技術が物を言うからだ。日本の政治家がこの千載一遇のチャンスを理解、日本国内で電気自動車の導入キャンペーンをすれば、日本の電気自動車はさらに進化して、ドイツ企業に大きな差をあけることができる。果たして日本はこのチャンスを掴むことができるだろうか?

水素自動車

補足。
「選択肢として水素もありますよ。」と言う人も居るが、現実的ではない。2008年、蓄電池の価格は900ユーロ/Kwhもした。小さな自動車用の蓄電池でも20Kwh必要だから、蓄電池だけで18000ユーロ。これに車体の値段が加わりとても高くなった。しかるにこの小さな電池では、100km+程度しか走れなかった。(ちなみにテスラーのモデル3に搭載される蓄電池は60Kwh。)

電気自動車がガソリン車にとって変わるには、蓄電池の値段が300ユーロ/Kwh以下になる必要があるが、当時、「2020年にはこの目標に達するだろう。」と言われていた。ところが日本、韓国、中国の企業の競争の結果、2017年にすでにこの目標を達成した。それどころか2020年までには現在の蓄電池の安い値段がさらに半減すると言われており、これが現実になれば200km+走行できる電気自動車を、ガソリン車とほぼ同じ値段で購入できる。

一方、水素をエネルギー源にする”Brennstoffzelle”は、45000ユーロもする。そしてここ数年、値段は大きく変わっていない。「2025年までには値段は大きく下がる。」と言われているが、高価な水素の製造過程、補給路を考えると「未来」の技術であり、来年から予想されている市内の乗り入れ禁止に対処できる技術ではない。

ましてや水素をメタンガスから精製している現在の技術では、水素製造の段階で大量の二酸化炭素を放出するから、宣伝されているようなクリーンなエンジンではない。将来は技術が進歩して水素駆動が主要なエネルギー源となるかもしれないが、これから先10年間に限って言えば電気自動車に勝る選択肢はない。ところがドイツの大手の車メーカーはその選択肢を提供してもらず、一種の”Vacuum”(真空)が生じている。

この真空状態をチャンスと見た複数のスタートアップが、蓄電池の値段の下落をうまく利用して独自の電気自動車を開発している。「高い」という観念のある電気自動車だが、すでに1万6千ユーロから購入できる。勿論、大手のような完成度はないが、日々、お買い物行く程度なら十分使える。このチャンスを利用して、米国のテスラーのような電気自動車メーカーが、ドイツで生まれるかもしれない。

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執筆者:

nishi

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