ドイツの達人になる 投資

【2017年】被害額最高!コンテナ投資会社 P&R 社の破綻

投稿日:2018年5月17日 更新日:


宝の山?

一口に投資と言っても、いろんな形の投資があります。投資の定番と言えば株式投資ですが、すでに上場されている会社の株を買う方法もあれば、新しく上場される銘柄/会社の株を買う方法、あるいはベンチャー企業に投資する投資も。違いは利回り。すでに100年以上も存在している企業、ドイツならジーメンスやメルセデスの株を買えば、投資したお金を失うリスクは低いが、大きな儲けが出る可能性も低い。

その一方でこれから上場される企業に投資すると、大きな儲けが出る可能性があるが、投資したお金が大きく減額する可能性もある。ベンチャー企業、スタートアップに出資すると投資した金が数十倍になる可能性もあれば、100%失うことも珍しくない。

ドイツ第二の家具屋 Steinhoff

素人は、「俺はセミプロだから。」と自負しないで、すでに上場されている会社の株を買ってください。それもドイツならDax(ドイツのトップ3企業)に上場されている会社。過去20年でDaxに上場されている(いた)会社が倒産したケースは、一回だけ。2007/8年の金融危機の際に、米国の不良債権に大量に投資していた”HRE”社が滅多にない前例を作った。

投資先を”Sdax”や”Tecdax”に広げると、将来大きく株価が上昇する可能性もあるが、その逆もしかり。ひとついい例を挙げてみよう。ドイツで家具店と言えば、日本でもお馴染みのIKEAの知名度がずば抜けて高い。

会社の規模でそのIKEAに続くのがSteinhoffという会社だ。名前からわかる通り、シュタインホフ氏が作った会社で、壁の崩壊の混乱を利用して東で拡大、その後、会社は南アフリカに移されて、アフリカ、アジアで拡大した。ドイツではデイスカウンター”poco“が同社の旗艦だった。

シュタインホフ株上場

2015年、同社はこれまでは南アフリカのヨハネスブルクに上場されていた株を、ドイツの株式市場にて上場すると発表した。その準備としてヨハネスブルクで上場されていた株を、同社の欧州本店であるオランダ本店の株と入れ替えた。この株の交換が、正しく行なわれていなかったらしい。2016年になって税務署の家宅捜査があり証拠書類が押収された。

上場前に税務署の家宅捜査を受けるような企業は、信頼性に欠ける。これでドイツでの上場は「おじゃん」になると思われたが、”Deutsche Börse”(ドイツ株式市場を運営する会社)は上場を計画通りに行なうと発表した。新しい会社が上場されるとたんまり儲かるので、「有罪が確定するまでは、無罪です。」という見解を取ったわけだ。

こうしてシュタインホフ社の株は”Mdax”に上場されて、アナリストは「将来有望」とこの株を買うことを薦めた。ところがこのみせかけの平和は、1年しか持たなかった。2017年、同社は「過去に報告した四半期決算に問題がありそうだ。」とメッセージを出すと、税務署の家宅捜査が投資家の頭に戻ってきた。

シュタインホフ株 暴落

株主は「やっぱり信用できない。」と一斉に株を投売り、同社の株価は1日で30%近くも暴落した。ドイツには日本のようなストップ安はないので、落ち始めると、皆が売却するまで止まらない。MDaxに上場している会社の株としては、過去20年で最大の下げ幅だ。

その後の同社の内部調査で2017年だけでなく、2016年の決算報告にも「不可解な点」が見つかった。これを同社が株式ニュースで流すと、まだ残っていた投資家は、まるで沈む船を逃げ出すネズミのように一斉に逃げ出した。その逃げ出した投資家の一人が、EZB(欧州中央銀行)だった。景気てこ入れ策のひとつとして、同社の社債を買っていたのだ。それも1億3000万ユーロ。EZBはこの誤算により、少なくとも半額を失った。

参照元 : Frankfurter Allgemeine

「日本でも東芝やオリンパスが同じことをしてるじゃないか。」と言えばそれまでだが、何故、上場前に税務署の家宅捜査を受けるような会社を調査もしないで上場したのか。この一件では、”Deutsche Börse”ドイツ株式会社にも大きな落ち度がある。

もっとも同社の社長は、「英国の株式市場と合併する。」という社内の内部決定を利用、自社の株を大量に買い込み、大儲けした。そう内部取引だ。その社長は責任を問われて社長の座を退いたが、そんな人物が社長を務める会社のすることなので、シュタインホフの一件もあまり驚かない。

【2017年】被害額最高!コンテナ投資会社 P&R 社の破綻

有名な会社の株を買う安全な投資をしないで、「儲かる話」を聞いて投資する方が結構いる。キャビア投資、ドイツオイルへの投資、ドイツ ペレット会社への投資などがいい例で、会社が倒産したか、経営者が投資家の金を持ち逃げしたケースは快挙に暇がない。それでも「儲かる話がある。」と聞くと、理性が作動しなくなるのが人間。

2017年には上述のシュタインホフに続き、コンテナ投資会社が倒産した。そう、コンテナ船に積むコンテナを買い、これを海運業者にレンタルすることで利益を上げるという投資だ。あまりぱっとしないが、この方法でP&R社は4%+の配当金を約束、35億ユーロもの大金を集めることができた。

参照元 : Manager Magazine

この会社は1975年から、40年以上もの長い期間に渡って営業してきた。しかし何の前触れもなく、2017年の年末に会社更生法の適用を申請して、事実上倒産した。会社が長期間存在していただけに、被害に遭った投資家の数、投資額も高い。

倒産後の検察の調査によると、このコンテナ販売、レンタルの会社、存在してないコンテナを客に売ったり、10年物もボロボロのコンテナを新品と称して客に売ることで、利益を出していたことが判明した。早い話がネズミ講。儲かる話には何処かに落とし穴があるので、ご注意ください。

教訓

ドイツでも日本でも、このゼロ金利の時代に4%+の高配当を約する会社には要注意。1年、2年はうまくいったので、大金を投資するとあっさあり倒産するか、投資した金を持ち逃げされてしまいます。

-ドイツの達人になる, 投資

執筆者:

nishi

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