ドイツにも詐欺はあります。
でも詐欺の被害者は、日本ほど多くない。
日本人は
「この味噌汁を飲めば痩せます。」
と言われたら、信じちゃう。
なんという純粋な国民！！
それでもまあ、味噌汁程度なら被害額も知れています。
それに味噌汁なら、騙されても飲めるしね！
困ったのは有り金を
「ごっそり」
盗まれるロマンス詐欺と投資詐欺。
そこで今回は、詐欺のからくりを紹介します。
これさえ知っておけば、もう騙されない？
この記事の目次
詐欺の手口
詐欺の手口は大きく分けて2通り。
それは人間の弱みである
- 不安
- 下心
のどちらかを巧みに使うケースです。
まずは不安を使った詐欺を見てみましょう。
不安を使った詐欺
この分野で大成功を収めているのは宗教と保険会社です。
宗教は、
「天国と地獄」
という架空の世界を創造。
現代でいえば、
「メタバース」
みたいなもんです。
すると
「悪いことをすると地獄に行くよ！」
と教養のない民を脅して、教会に入会させ、お金を巻き上げます。
これはカトリック教会から統一教会まで、全く同じ手法。
過去2千年にわたって
「うまくいった」
ので、今後も成功が見込まれます。
もうひとつは保険。
「癌になったらどうする！」
と消費者を不安にさせておいて、
「保険」
を売りつけるパターン。
その商売方法は宗教と同じく
「不安」
です。
新しい車がもらえる！
某大手保険会社は
「不安」
にもうひとつの人間の弱み
「欲望」
を餌にした保険販売方法を実践。
有名女優を起用、
「事故ったら、新しい車がもらえるんだよ！」
と宣伝してます。
これは何も知らない大衆が
「新しい車」
を
「新車」
と勘違いすることを織り込み済み。
正確には
「時価で同等の新しい中古車を買える額」
しか払われません。
統一教会並みの汚い手段です。
大手の保険会社がこうだから、ビッグモーターは言うに及ばず、詐欺師が跋扈するもの当たり前。
水道水を高値で売る！
話は戻りますが、私が通うジムでも、
「水素水で体の毒素を排出！」
と堂々と謳い、何の価値もない
「ただの水」
を販売しています。
そんな似非商法は禁止されているのに！
そんな光景を見ていると、
「NaSAも認めた 頭がよくなる酸素水 ビタミンC入り！」
として水道水を売ればヒット間違いなし！
ちなみにNaSAとは
“Nicht autorisierte Sonderagentur”（権威のない特別代理店）
の略。
よく似た組織と勝手に間違えませんように！！
水素水、酸素水も健康を心配する層、すなわち
「不安」
を利用した詐欺です。
下心を利用した詐欺
人間のもうひとつの弱みが下心。
これをうまく利用した詐欺が、ロマンス詐欺と投資詐欺です。
それぞれの特徴は、ロマンス詐欺が40代～の中高年齢層を
「鴨」
にしているのに対して、投資詐欺は若者から中高年齢層を
「鴨」
にしており、
「鴨の幅が多い。」
のが特徴。
もしあなたが、
「学校もろく出ていないし、真面目に働く気もない。」
という場合は、投資詐欺がお勧めです。
以下にそれぞれの詐欺のやり方を解説いたします。
ロマンス詐欺
中高年齢層、とりわけ女性は50歳だろうが、60歳だろうが、
「恋すること」
にあこがれています。
もっともタイでタイ人女性に騙されている日本人のおじさんを見る限り、男性は激しく
「色香」
に弱い。
ですからまずは
「寂しい中高年齢層のコンタクト先」
をゲットしましょう。
通常、皆さんが盲目で
「使用条件に同意する」
して利用するアプリは、あなたの個人情報を業者に販売することで利益を得ています。
もっともそんな手間をかけなくても、最近はSNSがある。
そこで
「寂しい中高年齢層」
を見かけたら、
「かわいい！」
と第一歩。
この手は男性にも使えます。
女性ならそれが50代でも60代でも、
「誉め言葉」
に怒る人は居ません。
あとはネットから拾ってきた写真で、自分の偽像を作成。
毎日、
「好き」
「会いたい」
「もう待てない。」
などと言い続ければ、相手の不信感は1～2ヶ月で
「真夏のアイス」
のように解けます。
あとは遭う約束をするだけ。
詐欺の味噌は
「あなたの居住地」
できるだけ遠い場所に設定、できれば海外在住者を偽る事。
遭う日の直前に、
「知人に騙されて全財産を擦った。会いに行く金がない。」
と金銭的な苦境を告白。
そう、
「愛する人に遭いに行ける金を送って欲しい。」
とやるわけです。
腕のいい詐欺師は、
「今、宇宙にいるので地球に帰る金を送って欲しい。」
というとんでもない話で、大金をかしめることに成功。
そもそも宇宙に居るのに、どうやって銀行にお金をおろしに行く？
でも恋に落ちた中高年齢層は、疑うことを知りません。
「恋は盲目」
というのは本当です。
投資詐欺
では次は投資詐欺の方法です。
やり方は実に簡単。
戦前からある古典詐欺の
「ネズミ講」
という手段を用います。
ドイツでは
“Schneeballsystem”（雪玉方式）
と呼ばれます。
投資詐欺の殺し文句は、
「簡単に儲かる」
「みんなやっている。」
です。
投資するには勉強は欠かせません。
ところが多くの人は
「お金は欲しいが、調べるのが面倒」
と、大事なお金を投資するのに、調べることさえ厭います。
だから、
「簡単で儲かる。」
とやるわけです。
でも、
「安全なの？」
という不安があります。
これを払しょくするために
「みんなやっている。」
と言うわけです。
日本人は、
「赤信号みんなで渡れば怖くない」
という世界でも例を見ない精神の持ち主なので、
「みんなやっている。」
で説得力が増します。
投資詐欺の見分け方
最後に、実に簡単な投資詐欺の見分け方をお教えします。
まず元本保証保障を歌っている投資は100％詐欺。
出資法で元本保証は禁じられているからです。
次。
年率5％以上の配当を約束する投資は
「ほぼ詐欺」
です。
ドイツ企業のマージン率（利益率）が何％かご存じですか？
私が投資してる
“Bilfinger”
の決算報告書によると
“Ebit Marge”（法人税、借金の返済前の利益率）
が3,9％。
ここから税金や社債の利子を払った後の
Netto Marge（実質利益率）
はたったの2.7％
7％もの配当金を払えるわけがない！
ネズミ講だからです。
何も知らないど素人から
「投資金」
と称してお金を得ると、配当金の支払いに使います。
すると
「詐欺じゃない！」
「ちゃんと配当金が出ているよ！」
とまんまと騙されて、
200万、300万と追加投資。
こうして十分にお金を取ると倒産申告、あるいは夜逃げ。
なんで政府はこんなシステムを取り締まらない？
粉飾決済
怪しい投資会社を見分けるもうひとつの手段が、
「家族経営」
です。
通報しかねない部外者を排除して、
「家族ぐるみ」
で詐欺会社を運営しています。
ドイツの不動産会社、
“Adler Group”
は家族内で不動産をたらいまわし。
名義を変えただけで、不動産価格は数倍に！
こうして会社の
「資産価値」
を上げるわけです。
上で挙げているいる会社、まさにこのタイプ。
さらに！
家族が経営する不動産投資会社の決算報告が、滅茶苦茶怪しい！
まず借金が2240億円もある時点で、滅茶苦茶ヤバイ。
倒産したらあなたのお金は戻ってきません。
おまけに黒字になったことがほとんどない。
その巨額の借金を
「害がない」
ように見せるため会社所有の不動産の価値を粉飾。
こうして会社の借金と資産を
「ほぼイーブン」
に持ってくるんです。
この会社の決算報告書を10年前までさかのぼっても、毎回、同じ。
毎年、会社の借金と資産が
「ほぼイーブン」
になってます。
実際、大阪府から過去二度も
「営業停止処分」
を受けている超～危ない会社。
なのに決算報告書を
「投資する前に読もう。」
とう人は稀。
いいですか！
一生懸命働いて稼いだ金を投資するなら、自分で調べなさい！
「楽をして儲けよう！」
なんて考えると、行きつく先は闇バイトか投資詐欺。
ワンルームマンション詐欺
投資詐欺のひとつで、とりわけ悪どいのがワンルームマンション詐欺。
「銀行からお金を借りて、マンションを買えば儲かるよ！」
と言われ、35年ローンでワンルームマンションを買わされる詐欺。
マンションを実際に購入してみると詐欺師に毎月、
「手数料」
を払う仕組みになっており、家賃収入が借金の返済額よりも低いのが味噌。
35年間の赤字生活が待ってます。
醜いのは被害者のほとんどが、
「先輩からの紹介」
「友人からの紹介」
「昔の同僚の紹介」
という点。
先輩や同僚は、自分の損失を埋めるためにワンルームマンション投資を勧めてくるんです。
いいですか、お金がかかると親でも信用しては駄目！
昔の仕事の同僚なんか、
「3千円ぽっきり！」
で暴力キャバクラに誘い込むポン引きと同じです。
絶対に信用しては駄目！
そもそも、太陽発電パネルからマンションまで、お金を借りて儲かる商売はありません。
プロは別だけどね。
