ドイツの達人になる 医療、保険

ドイツで加入する 自家用車向け 自賠責保険

投稿日:2016年2月17日 更新日:


保険会社から届いた事故の際の緊急セット

ドイツで初めて車の自賠責保険、ドイツでいう強制保険に入ると、保険料がとても高い。日本でも割高にはなっているが、ドイツの比ではない。

日本で自動車保険に入っていた場合は、保険屋さんから保険加入証明書を英文で発行してもらい、これをドイツの保険屋に提示すると、日本での等級が認められてドイツでも安く保険に加入できるという。

本当だろうか。それともこれもドイツ伝説のひとつだろうか。

ドイツで加入する 自家用車向け 自賠責保険

ちなみに日本で、ドイツで加入していた保険の加入証明書を提示すると、「外国の書類は無効です。」と、島国だけあってとても冷たい。なのにその逆、日本の保険書類がドイツで保険に加入する際に使えるなんて、本当なんだろうか?

日本のチューリヒ保険の保険加入証明書をドイツの自動車クラブ、ADACで提示すると、「外国の保険の加入証明書は認知されません。」との事。
それ、いわんこっちない。

ADAC参照 : ADAC

このような事態を想定して、かってADACの自動車保険に加入していた書類を持参していた。これを提示すると、「記録が残っているので、当時の等級で保険に加入できます。」とのこと。

当時の等級は”SF12″。日本の無事故証明書よりも遥かに等級がいい。”SF”はサイエンスフィクションの略ではなく、”Schadenfreiheitsklasse”(事故なしクラス)という意味で、”SF12″は12年間事故なしの等級という事です。

保険料

ドイツでは車の保険は保険に加入した時期に関係なく、12月31日にて契約が終了、1月1日から新しい契約が始まる。極端な例を挙げると、12月31日に初めてドイツで車の保険に加入する。等級は”SF0″で保険料が高いが、1日無事故で過ごせば、翌日からは”SF1″という安い等級になる。

私の場合は車を登録したのが8月10日。保険期間は4ヶ月間となるが“SF12″にも関わらず、”Haftpflichtversicherung”(強制保険)が191.26ユーロ、”Teilkasko”(盗難保険)が110.82ユーロ、合計302.08ユーロと立派なお値段。

これが12ヶ月だったら、その3倍の900ユーロ。流石、高級車。2年前はメルセデスEクラスが12ヶ月、400ユーロ程度の保険料で済んだので、結構お高い。

保険の解約方法

あっと言う間に時は流れてすでに11月。上述の通り、車の保険は1月1日から新しく始まる。もし保険を解約するなら、11月30日までに保険を解約する必要がある。

日本のように電話やメールでの解約は(通常は)不可能で、書面で通知する必要がある。仮に電話で可能でも、書面で解約すべき。

電話で、「保険の解約、了解です。」という言葉を信用していると、新年になって解約した筈の保険会社から保険証が届きます。そしてちゃっかり保険料が引き落とされます。

「電話で解約したじゃやない!」と怒っても、「知りません。」と言われます。書面で保険の解約が確認されていない限り、ドイツでは解約されてないとみなすべきです。

口約束は無効なり

保険会社の人間が、「絶対に大丈夫。」と言っても、絶対に信用しては駄目です。これは客を騙して保険を継続する常套手段です。すると、「11月30日までに解約の書類を送ればいいのですか。」とお客さん。

解約の書類は、11月30日までに保険会社に届いている必要があります。「29日に送ったので、30日には届いている筈!」では駄目。「筈」ではなく、確実に届くように11月始めには、解約の書類を送くってください。

11月の1周目に解約の手紙を郵送。2週間待っても返事が来ない。そこで電話で確認すると、「解約の通知は受け取りました。」との事。「書面でコンファームしてくれますか。」と頼むと、「わかりました。」との事。

念のため、「あなたの名前を教えてください。」と聞いておこう。名前が聞き取れないので、「アルファベットでお願いします。」と確認。そして名前と時間をメモ。

あとで解約した、していないというトラブルになった際、「○月○日○時に○○さんと話ました。」と、このメモが立派な証拠になるからだ。さらに保険会社の人間にも、「この人は証拠を取っている。」とわかるので、ちゃんと仕事をする。さもないと彼女の責任になるからだ。

こうして解約の通知を送ってから3週間して、ようやく解約のコンファームをゲット。これから新しい保険探しだ。

ドイツで加入する 自家用車向け 自賠責保険 探し

ネットで検索すると、”HUK”の保険料が異常に安い。1年で400ユーロ少々の保険料。”ADAC”の保険料の半額以下。この保険料の差は一体どこから来るのだろう?

すでにここで何度も紹介している通り、保険料が安いのは「お得」なのではなく、保障を削っているのが理由です。あるいは他の箇所で、コストをカットしているので安い値段が可能になります。

原因を究明すべくネットで検索。すると出るわ、出るわ、苦情の山。

「返事が全く来ない。」
「誰も電話を取らない。」
に始まって、
「保険料を払わないので、訴えた。」
まで。

事故を起こして、「超~ブル~。」なときに、保険が役に立たないと精神的なダメージが大きい。この保険はパス。

検索で目に付いた保険が、”AllSecure”。聞いたことがない。外国の保険会社?ぐぐってみるとアリアンツの子会社で、「アリアンツは保険料が高い。」という客に向け、支店を節約してオンラインでのみ保険を提供する保険会社だ。

注)
“AllSecure”は結局、親会社のアリアンツに統一されました。

保険料項目選択のポイント

保険項目のチェック。「車の修理は保険会社の指定する修理工場で。」を選択すると、保険料が安くなります。これは保険会社が修理工場と契約して、安い値段で車の修理を請け負ってもらうので、このような契約にすれば保険料が安くなります。

もっとも町の外れの修理工場だったり、いい加減な修理をする修理工場も多いので、ここで妥協するかどうか微妙。車を高く売りたい方は、正規代理店で修理できるように、自分で修理工場を選べる契約の方がよい。

大事なのが”Teilkasko”の補償範囲。通常この保険で保障されている、「動物との衝突」は、「毛の生えている動物。」に限られいます。例えば猪や鹿。もし農家から豚が逃げ出して、これに衝突しても保険料は、「毛が生えていませんから、保険は効きません。」と言われて終わりです。

コツは毛の生えていない動物との衝突、さらには “grobe Fahrlässigkeit”(過度の落ち度)が原因の事故でも、保険が効く内容を選ぶこと。しかし保険範囲を広げれば、保険料が高くなるもの。この保障内容で、修理工場を自由に選べるを選択すると、”SF13″で合計536ユーロの保険料。

「明日決めよう。」と思っていたら、翌日には保険料が10%も上昇。そう、保険料は毎日、変動します。一番安いのは11月ですので、11月中に保険の解約、そして新しい保険の加入をお忘れなく。

「去年買えたばかりだから、今年は変えなくていいや。」と油断していると、保険料が上昇します。これは保険会社の常套手段。安い料金で客を獲得、2年目から高い保険料でしっかりお金を稼ぎます。「しまった!」と思われた方、あきらめるのはまだ早い。保険会社が保険料を上げたら、被保険者には保険を解約する権利が生まれます。すぐに解約の手紙を書いて、安い他の保険に加入しましょう。

-ドイツの達人になる, 医療、保険

執筆者:

nishi

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