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中国人、ダイムラーの筆頭株主に!Geelyの意図

投稿日:2018年8月21日 更新日:

ソファー
ソファーに車軸を2本つければ自動車?

中国政府が打ち出した長期戦略、„Made in China 2025“。2025年までに中国の産業を近代化して、2049年までには欧米に負けないどころか、世界をリードするテクノロジー大国にするという野望だ。「国民総活躍」と、第二次大戦中の忌まわしいキャッチフレーズを流用、国の活性化を図ろうとする某国の目標とは雲泥の差がある。

先端技術の確保

古いキャッチフレーズで国民に不審を煽るだけの某国と比して、中国政府は目標に向けて着実に一歩一歩前進している。中央政府から特命を受けた中国の産業スパイ、もとい、投資家は欧州の大都市に居を構えると、中国の産業の近代化に必要な技術を持っている企業を調査している。

そのような企業が見つかると、これを中央政府に報告する。中央政府から”go”のサインが出ると、中国政府の隠れ蓑である国営企業が、欧州で先端技術を持っている企業を買収する。膨大な資金源を持っている中国からのオファーに対抗できる企業は多くなく、次々と中国企業に飲み込まれている

ドイツ政府はやっと2017年になってこの脅威を認識、中国を名指しにしせず、外国からの企業買収を厳しくコントロールするEU全域に共通する法案を準備中だ。

参照元 : Spiegel

今年中にはこの法案が、欧州議会で決議される見通しとなっている。

中国人、ダイムラーの筆頭株主に!

ドイツ政府のこの懸案が杞憂でなかったことを示すのが、中国の自動車メーカー”Geely”のダイムラーへの参入だ。ドイツでは上場企業の株式を3%以上保有すると、これを金融庁、正確にはBafinという監督機関に申告する必要がある。「朝起きたら、買収されていた。」という奇襲を事前に防ぐのが目的だ。ところが”Geely”は事前の通告なく、5月になってからいきなりダイムラーの株式を9,7%保有したことを申告してきた。一体、どうやったのだろう?

同社は米国の大手銀行や投資銀行にダイムラーの株式、その多くはオプション証券と呼ばれるものを購入するように指示を出した。この時点では、株式の所有者は銀行なので、誰も不審に思わなかった。十分な数の株が集まってから、同社はこの株式をまとめて買い取り、一気に9,7%の株式を保有した。言うまでもなくダイムラーの筆頭株主だ

厳密に言えば、3%を超える株式を取得する目的で銀行に株式の取得を依頼して時点で、金融庁に申告する必要がある。しかしこれは証明が難しい。「私は何も指示を出しませんでした。」と主張すると、金融庁には証拠がないので、罰金を課すことができない。今、Bafinがこの株式の取得で調査を開始しているが、罰金を課すだけの証拠が見つかるか、疑問が残る。

Geelyの意図

疑問が残らないのは、”Geely”の意図だ。これだけ大量の株式を保有すると、同社は役員の議席を要求できる。すなわち今後役員会議で議論されるダイムラーの戦術は、よりによって競争相手の中国企業に筒抜けになる。それどころがダイムラーがアジアの企業に勝っている生産技術の秘密を堂々と盗む、もとい、役員として説明を求めることができる。これにダイムラーが喜んだ筈もなく、ダイムラーは役員の議席を渡す方法がないか、画策中だ。もっともそれには同社の約款を書き直す必要があり、書き直しがされる前に行なわれた買収に、どこまで有効性があるのか、微妙だ。

もっとも”Geely”によるダイムラーへの参入は、「青天の霹靂」というわけではなかった。同社はかねてからダイムラーに参入したいと、何度も門を叩いていた。「増資をして、株を安く提供してくれ。」と”Geely”はかねてから要求していた。しかしダイムラーはすでに中国の自動車メーカー”BAIC”とジョイントベンチャーを中国で展開していた。

同社はダイムラーの株式を取得していたので、これ以上の中国からの経営参入には関心がなかった。そこで話し合いには逃げ腰。これを悟った同社は、「興味がないんじゃ、仕方ない。」と諦めなかった。中国の自動車を近代化させるには、ドイツの自動車企業のノウハウが必要なのだ。そこで法律の抜け目を使って、高い金を払ってダイムラーの筆頭株主になった。その裏に中国政府の戦略があったのは、改めて言うまでもない。

折角なので、中国の自動車メーカー”Geely”について。創始者の”Shunfu”は元々、冷蔵庫を生産していた。中国の産業化の波にうまく乗り、中央政府に自動車を製造するパテントを申請、これが下りてから自動車の生産を始めた。自動車の生産には全く経験がなかったので、かなりお粗末な出来栄えだったが、唯一の取り得があった。それは車体デザイン。

なんとなくメルセデスではなく、どう見てもメルセデスというデザインで勝負した。そしてこれが消費者の心を掴んだ。「どうして自動車を製造することを決心したのですか。」と聞かれた同氏は、「自動車なんてソファーに車軸を2本つけただけ。これなら俺でもできると思った。」と語っていた。

 

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執筆者:

nishi

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