ドイツの達人になる 規則、法律

【超簡単】 ドイツのゴミの出し方 – 日本より高いリサイクル率!

投稿日:2014年9月16日 更新日:

【超簡単】 ドイツのゴミの出し方 - 日本より高いリサイクル率!
生ゴミは何処へ?

日本には世界に例を見ない、複雑怪奇なゴミの収集システムが存在する。「(ゴミを)水で綺麗に洗って出してください。」などという奇怪なシステムは、世界中何処を探してもない。

ゴミを飲み水で洗うように要求しておく一方で、「資源を大切に!」と節水を呼びかけて、違和感を感じないのだろうか。日本ではシステムに意味があるかどうかでなはく、意味がなくてもそのシステムに従うことが正しいとされている。

その日本と比べると、ドイツのごみ収集システムはとっても簡単明瞭なので、日本から引越しされる方はほっとするに違いない。

【超簡単】 ドイツのゴミの出し方

ドイツでは地方自治体より政策が違うので多少の誤差はあるが、ゴミ箱は基本的に3種類に分かれている。一番簡単なのが青(緑)色。ここには紙を入れる。雑誌、包装、ダンボール、新聞紙などのリサイクル資源を入れるが、月2回しか回収されないので、いつも溢れかえっている。

ドイツ人を悩ませているのが資源回収用の黄色のゴミ箱。ここにはプラスチック製品(プチプチなど)や金属製のゴミ(缶詰、空き缶)を入れる。じゃ、牛乳パックはどちらに入れるのだろう?これは加工された紙なので、黄色のゴミ箱に入る。

残りのゴミは黒色のゴミ箱に入れる。日本でいう可燃ゴミだ。町によっては、”Bio-Muell”(生ゴミ)を入れるゴミ箱が用意されている場合もある。色は緑色だったり、オレンジ色だったりと統一されていない。間違ってもナイロン袋を一緒に入れないように。本当に生ゴミだけ入れてください。

「じゃ、ガラスはどうするの?」と問いたくなるが、これは街角に大きな容器が備え付けられており、わざわざビンを抱えて出かけていき、ビンの色に分けて投入するので一番面倒なゴミだ。

ドイツのゴミの出し方 の利点

ドイツのゴミの収集システムの日本式との決定的な違い(利点)は、ゴミは1年中、都合のいい日の、都合のいい時間に出せること。日本のように、「月曜日だけ。それも朝7時まで。」というシステムはドイツでは有り得ない。何故かおわかりになるろうか。それはすでにゴミの分別でドイツ人の思考能力を限界にまで疲労させているので、この上、ゴミの種類によって出す日などを決めても、誰も守らないからだ。

日本のような収集システムをドイツでやった暁には、ゴミの分別さえも守られなくなり、「黄色いゴミ箱」に、生ゴミ、おむつ、植木などが投入されてしまい、分別の収集システム自体が機能しなくなる。だからゴミの仕分けで頭を使った後は、好きな時間にゴミを出せるようにしている。

複雑怪奇 日本のごみの出し方

合理的なドイツのごみ収集システムに慣れて日本に帰ると、ゴミにより出せる日が決まっている事にカルチャーショック。複雑で覚えられないので、出し忘れる。すると部屋にゴミが溜まる。さらには、「紙は束ねて出してください。」、「食品トレーはスーパーで。」、「ペットボトルは蓋を外して、包装を解いてから。」、さらには「ゴミを出す袋を買え。」と、無理難題を押し付ける。

日本語が理解できる人間でもお手上げなのに、これを外国人に守れるわけがない。日本人だってドイツで滞在ビザを申請に行き、「ドイツ語を話さないと、受付しません。」と言われたら困るだろう。馬鹿馬鹿しさの極致は、「ゴミを綺麗に洗って出してください。」と書かれていること。

世界広しといえど、ゴミを大切な資源である飲み水で洗ってから出せというのは日本だけ。プラスチックごみの6割は焼却されているのに、なんで洗う必要があるのだろう。

実はドイツにも同じように考える人がいる。しかし実際にはその必要はない。何故だかわかるだろうか。幾らゴミを綺麗に洗っても、ごみ箱、ごみ回収車、ごみ処理場は悪臭漂う場所。そんな場所に、”Picco bello”(ぴっかぴっか)に磨いたゴミを入れても、すぐに汚れてしまい意味がないからだ。

日本より高いリサイクル率!

私はドイツでは瓶、鍋、電池以外は全部、黒のゴミ箱に投げ入れている。だからゴミの選別なんぞした事がない。他のドイツ人も多かれ、少なかれ、同じような分配率。それなのにドイツではリサイクル率が日本よりもいい!何故かわかるだろうか。

ドイツで日本のようなシステムを導入しても、機能しない。ドイツ語を解しない日本人のような外国人が数百万人も住んでいるのだ。「外国人はルールを守らない。」と烙印を押すのではなく、この外国人でも理解できるシステムでなくてはならない。そう考えて、ドイツでは至極簡単なシステムが導入されている。

又、出されたゴミは、「仕分けされていない。」事を前提にしているので、ゴミを収集してから工場で機械で自動に仕分けされる。人間(ソフト)に無理を強いるのではく、ソフトをハード(機械)でカバーしようとするドイツ人の考え方が、よく現れている。

日本は伝統的にハードが弱いので、これをソフトでカバーしようとするので、日本ような複雑怪奇なシステムになる。

ドイツのゴミの出し方 – デユアル システム

この機会に、ドイツにおけるゴミの分の歴史を振り返ってみよう。ドイツは日本同様に、大方のゴミは埋めて処理していたが、ゴミの量が増え続けて、この方法では近い将来、ゴミがあふれ出すのは明らかだった。

そこでドイツでは資源ごみ箱である”Gelbe Tonne”(黄色のゴミ箱)が、まず最初に導入された。これまで一緒に出されていたゴミを分けて、資源として再利用、同時にこれによりゴミの量が減るという思想からだった。倹約家のドイツ人にはこの思想(運動)はうけて、一気にドイツ中に広まった。

ところが昔は牛乳瓶だったものが牛乳パックになったように、ありとあらゆる食料品がパックに入るようになると、リサイクルしても追いつかず、「リサイクルには限界があるので、別の方法で資源の無駄使いを無くそう。」と考えた。こうしてドイツでは、日本では今でも投げ捨てられている容器を減らす努力が行われることになった。

まずはビンや容器を回収して洗浄、再利用する事でゴミ自体の量を圧倒的に減らした。次に再利用できない容器、ヨーグルトなどが入ったプラスチックの容器、テトラパック、プラスチックボトルなどを効果的に再利用する目的でデユアル システム(Duales System)が導入された。

産業の自己責任性

これはゴミを作り出す産業に、その回収の責任を取らせる仕組みだ。再利用不可能なパック(容器)、主にプラスチック容器で食品を販売する産業は、容器回収費用を負担する事になった。その回収費用は商品に上乗せされ、目印としてパックにスタンプが押された。このデユアルシステムで一番有名になったのが、デユアルシステムの代名詞にもなった、”Grüner Punkt”だ。

参照 : gruener-punkt

消費者は、「それで無駄がなくなるなら。」とこの値上げを受け入れて、このスタンプの印刷されている容器は “Gelbe Tonne”にて回収されることとなった。このシステムが導入されて20年経った今、「このシステムはもはや機能していないので、システム自体をゴミ箱に入れるべきだ。」と言われ始めた。一体、何が悪かったのだろう。

デユアル システムの破綻

黄色いゴミ箱 /”Gelbe Tonne”を回収する業者は、その回収にかかった費用をデユアル システムに請求する。ゴミの増加によりその請求費用は上昇する一方だが、産業がデユアル システムに払い込う金額は(製造される容器の数は上昇しているのに)停滞して、デユアル システムが大赤字に見舞われることになった。これには2つの原因があった。

この法律が導入された際、「産業が店頭に(日本のように)回収容器を設置、ここで容器を自主回収する場合は回収料金を払わなくてよい。」と例外条項を作ってしまった。ところが日本人と違って、ドイツ人はわざわざ食品トレーを(飲み水で洗って)スーパーに持参などしない。自宅のゴミ箱に捨ててしまうのだ。

だから店頭に回収容器を設置しても容器は回収されないが、回収費用の支払いから解放される。しかしその一方で、回収費用は食品に上乗せできるというすばらしい商売環境ができあがった。そこで産業は競って回収容器を店頭に設置して、デユアルシステムに回収費用を払わずに済ました。

もうひとつの理由は、“Gelbe Tonne”の回収をしている業者が、回収金欲しさに虚偽の申請をするのである。大手のごみ回収業者DSDは、全体のゴミ回収量の中で”Gelbe Tonne”は1割程度であると、真面目に報告、これに応じて支払いを受けていた。

ところがそれほど誠意のないゴミ回収業者(ドイツではゴミマフィアと言う。)は、15%が”Gelbe Tonne”からのゴミであると主張、これに応じて支払いを受けた。これが原因でデユアルシステムは大赤字に陥り機能しなくなった。さらには、”Gelbe Tonne”の意味も疑われ始めた。

回収されたリサイクルごみの行方

“Gelbe Tonne”で回収されたプラスチック容器がその後、どのように再利用されているのかご存知だろうか。勿論、日本のようにペレットに加工さえて再利用されるケースもある。しかしプラスチックはオイしかしプラスチックはオイルから出来ているので、高温度でよく燃える。生ゴミを燃やすのに、もってこいである。そこでゴミ処理用に運ばれて、ここで生ゴミと一緒に焼却される。それも全体の2/3の量である。

だったら、何もゴミを(水道水で洗って)仕分けしなくても、生ゴミと一緒に出してしまえば、回収の手間も減って一石三鳥ではないのかと言われ始めた。ここが日本とドイツの違いだ。日本では、「資源を大切に。」と資源の節約唱える一方で、ゴミを飲み水で洗っていても、一向に理不尽とは考えない。しかしドイツ人は、「それじゃ意味がない。」と規則の意義を考える。

デユアル システムの延長

試行錯誤の末、とりあえず今回は “Gelbe Tonne”の存続が決まった。多分にデユアル システムで金儲けをしている業界からの要請によるものだが、その意向にそって改善点が導入されることになった。すなわちこれまで意味の無かった店頭での容器の回収は、姿を消すこととなった。これにより産業は、「自主回収をしています。」と回収料金から逃げられなくなった。

結果、デユアル システムへ払い込まれる資金が増大して、システムが黒字になることを期待されている。

ハード(機械)に強いドイツでは、「ゴミを仕分けしなくても、機械でできてしまう。」という機械業界からの陳情もあったが、「慣れ親しんだゴミの仕分けがなくなるのは悲しい。」と、ゴミの仕分けをやめる案は”Bund”(国)の方策として採択されなかった。

しかし赤字経営に悩む”Land”(地方自治体)レベルでは、いくつかの自治体は分別回収をやめ、ゴミをまとめて回収、仕分けは機械で行っている。お陰でゴミの回収費用が減って、自治体は大助かりだ、将来は是非、国レベルでこのシステムを採用してもらいたい。

 

-ドイツの達人になる, 規則、法律

執筆者:

nishi

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