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ドイツの交通法規 – 事故に遭った際の正しい行動

投稿日:2016年3月16日 更新日:

ドイツの交通法規 - 事故に遭った際の正しい行動
これがドイツの赤信号 & スピード違反取締りカメラ!

ドイツの交通法規 – 事故に遭った際の正しい行動

「そんなことはない!」と言われる方もおられるでしょうが、車を運転すると事故は避けられません。自分がぶつけなくても、ぶつけられることもあります。では事故に遭ったら、まず最初に何をすればいいのか?警察に通報?違います。

まずは自身、そして相手、あるいは事故に巻き込まれた人の怪我の具合を確認するのが最初です。けが人が道路に転がっているのに、警察に、「今、事故があってね。」なんて暢気に通報するのではなく、怪我人の介護が最優先です。

怪我人がいない場合は、第二の事故を防ぎ、交通の邪魔にならないように車を移動する事が必要です。交差点で衝突しているのに、そのまま交通を封鎖して警察を待つと罰金を課されることもあります。事故の直後に集まってくる野次馬の中から事故を目撃している人を探し、証人になってくれるようにお願いして、車を移動させましょう。居なければ、事故現場の写真でも可。

物損事故の処理

「警察を呼んで現場検証をしてもらわないと、保険が降りない。」と考える人が多いですが、ただの物損では警察は呼ぶ必要がありません。とりわけ被害額が低い場合、事故の状況がはっきりしている場合は、お互いに情報を交換しておわりです。通常、「事故の際はこの紙を事故の相手に渡してください。」という用紙が車の保険会社から送られてきています。これを相手に渡し、自宅に帰ってから、「車をぶつけたので、事故処理をお願いします。」と保険会社に報告するだけ。

何故、警察を呼ばないほうがいいのか?それは警察を呼ぶと、「あなたが悪い。」と外国人の責任され、事故の調書の左側にあなたの名前を記入します。そして罰金を請求されます。「えっつ?罰金?」そう、ドイツでは事故を起こすと罰金を課されます。ですから軽度の物損では警察を呼ばないほうが賢明です。

とりわけあなたが事故を起こした場合は。そして警察の調書の左側に記入されている人物が、事故を引き起こした張本人という判断です。間違っているケースも少なくありませんが、警察の判断を覆すには証人を探して、裁判所に訴える必要があります。

当て逃げに注意

日本人が知らずに犯罪を犯してしまうのが、駐車の際に、「ドン!」と車を駐車している車にぶつけて、「ここに連絡してください。」とメモを残してその場を立ち去ること。これをやるとドイツでは、「当て逃げ」に相当、刑罰が非常に重くなり、免許証停止処分をくらいます。「でも、ちゃんと名前と住所を残してきました。」と怒りさめやらぬお客さん。

相手が居ない場所で物損事故を起こした場合、相手が帰って来るまで、あるいは警察が来るまで「事故現場を離れてはならない。」と法律で決められています。連絡先を残して事故現場を離れると、当て逃げになります。「じゃ、車の所有者が戻ってくるまで、何時間でも待てというのですか!」と怒りさめやらぬお客さん。その通りです。必要とあれば、翌日まで待たないと、当て逃げになります。

翌日まで待つ時間がない場合は、現場から警察に連絡、現場で警察の到着を待ちます。じゃ、警察に連絡するために現場を離れたらどうなの?厳密に言えば、この場合でも当て逃げになりますが、警察に電話すると証拠が残るので、「逃げたのではなく、警察に連絡をしに行った。」と言えば、免停を逃れる可能性が高いです。

ドイツの交通法規 – 救助義務

次事故の加害者でも被害者でもなく、事故の目撃者となった場合、どうするのが正しい行動でしょう。現場の写真を撮って、「事故目撃!」とフェイスブックに載せる?それとも見て見ぬフリ?ドイツの法律では事故を目撃者した場合、救助を行う義務が発生します。救助を行わず、ひっくり返っている車を通り過ぎると、これまた罰金+点数までもらえます。

罪逃れに、「前の車だって、止まらなかったじゃないか!」と言うと、「前の人が信号無視をして事故を起こしたら、あなたもここに突っ込みますか?」と警察に言われ「ぐうの音」も出て気ません。ただし、「今日はこれから就職の面接がある。」とか、「空港に向かう途中です。」というやむにやむをえない事情がある場合は、情状酌量してもらえるかもしれない。罰せられたくなければ、事故現場で車を停めて助けが必要が聞くことが欠かせません。あなたが事故に遇って大怪我をしているのに、車が通り過ぎていったら、うらめしいですよね?

警察の誘導尋問に注意!

交通違反を犯して捕まった際の正しい反応の仕方も重要です。車を止められると、警察が、「何で止めたかわかりますか。」と聞きます。実はコレ、警察のトリックです。「スピード違反でしょ。」なんて余計な事を言うと、過失ではなく、故意にスピード違反を犯したとして、罰金が倍になり警察にはとってもおいしい。ドイツでは罰金は地方自治体の大事な収入源。街中の “Blitzer”(スピード違反、信号無視を写真撮影する装置)は、自治体の貴重な収入源。警察は毎月、検挙目標を上げていますので、警察の手口にはまらないようにしましょう。

ドイツの警察はとっても高飛車なので、嫌味のひとつも言ってやりたいです。ドイツ語ができれば。これをやってしまったのがドイツの有名なサッカー選手。警察に””Arschloch”(馬と鹿野朗)って口を滑らしたので、罰金1万ユーロ。140万円なり。そこまではっきりした罵詈雑言でなくても、”Grüne Zwerge”(緑の小人)なんて嫌味でも、侮辱罪で罰金刑を課せられたドイツ人もいます。

悔しくても悪口はぐっと飲み込んで、「なんで止められたのか、全然わかんない。」というと警察は心の中で地団駄を踏みます。もっといいのは、英語もドイツ語もできないフリをすること。弁護士もいないのに、余計なことは言うべきではありません。

ドイツの交通法規 – 駐車違反車両のレッカー移動

最後に日本人に大人気の質問。駐車場の入り口/出口に違法駐車されて、車を車庫に入れられない場合。日本人なら、「警察を呼んでレッカー移動してもらえばいい。」と考えますが、そうは問屋がおろさない。ドイツでは車庫から車が出れない場合はレッカー移動が正当化されますが、違法駐車車両により車庫に入れない場合は、”Pech gehabt.”(残念でした。)という事で、レッカー移動させることはできません。

勿論、自分の費用で移動させることは可能です。でも、「違法駐車の運転手から料金を徴収してください。」という方法は無理です。レッカー移動を依頼した人が、レッカー移動費用を払う必要があるからです。

そこで、「毎日、所有地に無断駐車されて困っている。」という方にアドバス。無断駐車の車両をレッカー移動させ、車の所有者が戻ってくると、「レッカー移動の費用を払うなら、どこに車を移動させたか教えてあげる。」という方法は恐喝のように見えますが、最高裁判所は合法と判断しています。

別のケースではスーパーの駐車場に無断駐車してレッカー移動され、250ユーロもの費用を請求された場合、これを払う必要があるのか?これも最高裁が、「一般的な料金の請求はできるがそれ以上は不可。」と判断しています。一般的な値段とはざっくり言って125~175ユーロ。ただし。身体障害者専用の駐車場に駐車してレッカー移動されると、罰金の80ユーロ(程度)がレッカー移動費用に上乗せされます。間違っても身体障害者専用の駐車場は悪用されませんように。

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執筆者:

nishi

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