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共産国家 (24.02.2018)

投稿日:2018年4月25日 更新日:

 


この国では冗談は通じません。

香港で民主化運動に従事している活動家、あるいは中国政府を非難する政治家が忽然と姿を消している。背後にいるのは中国政府だ。諜報機関員が観光客を装って香港に入国するとターゲットを数週間に渡って監視、誘拐に適した機会を探す。通常は人目につかない夜に奇襲して身柄を確保すると漁船に放り込み、北京にまで連行する。ここでたっぷり尋問、拷問、裁判にかけて自白を強いる。まるで時代物の古い映画を観ているような気分だが、法治国家でない国では、人権を無視した誘拐などの政府の横暴が日常茶飯事だ。

民主主義発展途上国

と言っても、日本人には目新しいことではないだろう。日本の安全を犯しかねない超大国中国の存在は、日本にとって目の上のたんこぶ。中国を不審の目で観ているので、中国政府の人権を無視した行動にはとりわけ注目が集まる。ところがアジアにはまだまだ他にも同じような国がある。

ミャンマー、タイ、インドネシア、カンボジア、ラオス、それにベトナムなど、法治国家とは程遠い存在で、人権を無視した非道行為が多い。ところが何故か、日本では滅多に報道されない。カンボジアでは劣悪な労働環境に反対して、労働者がデモを行なった。工場主から賄賂を貰っている警察は、民主主義では当たり前のデモをしている労働者に対して実弾を発砲、3名を射殺、数多くの労働者が大怪我を負って病院に収容された。

参照元 : Welt

しかるに日本では報道されることがない。中国で起こったら、間違いなく報道されるのに、カンボジア、タイ、それにベトナムなどで起きる事件にはまるで興味がない。日本のメデイアが中国の悪態報道に集中している様子は、日本の世論を反中国に向けるように日本政府と何か取引があったのではないかとさえ、勘ぐらせる。そのような取引のないドイツでは、こうした非法治国家で繰り返される非人道行為が日々、報道されている。とりわけ醜いのが中国に匹敵する容赦ないもうひとつの共産国家の諜報活動だ。

もうひとつの共産国家

ドイツで中華レストランに行くと必ず水槽が置かれて、金魚が泳いでいる。これはマフィアがお金を要求する方法で、水槽を理由に身代金を要求、これが大きければそれだけ身代金の額も大きいという。この伝説を裏付けるような事件が度々起きている。一番血なまぐさい事件を紹介すると、2007年、中華レストランで従業員7名が惨殺された。後頭部を至近距離から打ち抜かれており、処刑だった。

警察は中国マフィアの存在だと勘ぐって、その筋で操作を始めた。ところが偶然にも交通違反を取り締まっている警察官が、ベトナム人の運転する車を停めた。運転免許、車の車検証などの書類の提示を要求したが、ベトナム人は書類を持っていなかった。警察は盗難、あるいは不法滞在を勘ぐって身柄を拘束して、車の中を操作した。

すると中華レストランの殺人現場から盗まれた携帯電話、ノートパソコンが出てきた。これがきっかけになり警察はこのベトナム人の周辺を調べた結果、合計5人のベトナム人を逮捕、殺人の廉で起訴した。裁判の結果、有罪が確定し、処刑を実行した主犯には無期懲役刑が下された。

参照元 : Frankfurter Allgemeine

中華レストランが、ベトナムマフィアの制裁に遭うのはドイツでは珍しくなく、あちこちで経営者、従業員が殺害されている。

参照元 : Stuttgarter Nachrichten

そして実行犯として逮捕されるのは、ベトナム人だ。ドイツで展開するベトナムマフィアは、ベトナム政府から勅命を受けた犯罪組織で、ベトナムの諜報員がマフィアの組員として活動しているという。違法就労目的でドイツに密入国するベトナム人の多くは、このベトナム政府の「水門」を利用、ベトナム政府のお墨付きでドイツに来ると奴隷のような環境で、違法就労を強いられている。これを裏ずける証拠を提供できないのが残念だが、ベトナムの諜報員の活動を証明する事件がベルリンで起きた。

ベトナム人企業家誘拐

ベトナム人の事業家が、発電所建設の入札で収賄を行なった廉で書類を送検されたが、当の本人はドイツに脱出した。ドイツとベトナムの間では容疑者の交換条約がないので、ベトナム政府はドイツ政府に容疑者の身柄の引き渡しを要求できず、地団駄を踏んだ。ベトナム人の実業家は、本国で正当な裁判が受けられないことを理由に亡命を申請、これが受理された。

そして海外に持ち出した事業資金で、一緒に逃げたベトナム人のガールフレンドと一緒に、ベルリンでの亡命生活をエンジョイしていた。が、ベトナム政府はそんなに甘くはなかった。ベルリンにはベトナムの諜報員チームがすでに派遣されて、ターゲットの行動を観察していた。

2017年7月、警察に110番通報があった。真昼間に目の前で男性が身柄を拘束されるとバンに押し込まれ、悲鳴を上げながら消え去ったという。ベルリンの警察は早速、捜査を開始したが被害届がなく、操作は早々に行き詰まりになった。数ヵ月後、ベルリンで亡命していた筈のベトナム人実業家はハノイの裁判所で収賄の廉で告訴された。

参照元 : Stern

このニュースを見たベルリンの警察は、去年の夏に誘拐された人物が誰なのかやっとわかった。ましてや目撃者が証言した白いバンが、ベルリンのベトナム領事館に堂々と駐車されており、ベトナム政府が指示を出したことは明らかだった。ベトナムでは公務員の収賄には死刑が課されることもあるので、ドイツ政府はベトナム政府に対して正式にこの誘拐行為に対して抗議を入れたが、「容疑者は自主的にベトナムに帰国した。」というのがベトナム政府の返事だった。

ドイツのような法治国家に住んでいると。人権が当たり前のように思ってしまう。しかしその安心感は、非法治国家を敵に回すまで。独裁国家(共産国家を含む)は政府が主導して外国に諜報員を派遣、現地の法律を無視して殺害、誘拐を行なうから始末が悪い。日本では北朝鮮や中国ばかりがやり棚に上がっているが、もうひとつの共産国家もお忘れなく。

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執筆者:

nishi

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