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はしかの流行を防げ!- ドイツの医療対策

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ドイツでもはしか、”Masern”に感染する人が急増している。ヒルデスハイムという人口10万人程度の小さな町の小学校で、26人の生徒がはしかにかかってしまった。この緊急事態に直面した学校は、「はしかの免疫注射が証明できない者は、学校への立ち入りを禁ずる。」との学校令を発令した。

参照元 : Welt

この町では、病気の感染は子供だけに限られない。2019年になって成人がはしかを発病、入院して治療を受けていたが死亡した。州の医療機関の発表によると、はしかが引き起こした症状が原因だったという。

参照元 : NTV

日本と違いドイツでは予防接種は無料。インフルエンザからA,B,C型肝炎、小児麻痺、ジフテリア、はしか、エトセトラ、すべて無償で受けることができる。お陰ではしかの予防接種を受けている国民は93%の%と、日本よりもはるかに高い。

しかしドイツにおける医学の権威であるローバートコッホ研究所は、はしかの流行を完全にふせぐには、予防接種を受けた人の割合を98%まであげる必要があるという。

わずか残り5%であるが、この5%が予防接種を受けることを拒否している。一体、何が理由でただでできる予防接種を拒んでいるのだろう。

陰謀説 – 予防接種は100害あって一利なし

日本では自分の意見を主張せず、周囲に合わせるのが「正しい」とされる。一方ドイツでは、自分自身の意見を持ち、これを主張することが大事だという教育を受ける。仮に意見が間違っていても、自分の意見を主張しないよりはマシという基本理念がある。

そこでこの5%の国民は、「予防接種は100害あって一利なし。逆に健康を損なうものだ!」との論拠を主張している。彼らの主張によれば、予防接種は薬品業界の売り上げ確保のたくらみで、国民の健康を犠牲にしても、予防接種を受けさせて利益を出すのが目的だという。そう、よくある陰謀説だ。

教育レベルの低い層ではこの説はとても人気があり、科学的な根拠よりも、ブログの記事を信用する。そのサイトでは科学的なデータよりも感情に訴えかける。この層の国民が一旦、何かを信じてしまうと、科学的データを読む習慣がないので、誤謬を正すことはほぼ不可能だ。

これが原因で、どうしても予防接種率が93%に留まっている。

ドイツの医療対策 – 予防接種義務化 & 罰金制度

この現状に我慢らないのが、初めて大臣に就任した厚生大臣のスパーン氏だ。親の勝手な考えで自身の子供ばかりか、他の子供に、それも大量にはしかをうつす危険がある。これまでの「厚生省からのお勧め」ではこれ以上の成果を出せないと考えた大臣は、はしかの予防接種を義務化する法案を提出した。

参照元 : Spiegel

義務化ということは、予防接種を受けない場合は、罰則がある。子供にはしかの予防接種を拒絶する親には2500ユーロまでの罰金、そして予防接種を受けたことを証明するまで、保育園の利用を禁止するというものだ。

当然、予防接種に反対する陰謀説派は、ネットなどで早速、感情に訴えるキャンペーンを開始して、反対の署名を募っている。日本でははしかの予防接種が、5000円~1万円もする。はしかの予防接種は二度する必要がある(子供の場合)ので、安くても1万円かかる。それを国が払ってくれるというのに、予防接種を拒むドイツ人の親の思考回路は、日本人には理解しがたいに違いない。

義務化というと、「何もそこまでしなくても。」と思われる方がいるかもしれないが、フランスやイタリアではすでにはしかの予防接種が義務化されている。とりわけイタリアでは2017~2018年に5000人を超える感染者が出た。フランスでも子供死亡が相次いだことから、義務化された。

日本の政治家は、「ヨーロッパの夏時間を日本でも!」などと、ヨーロッパでは意味がないので廃止されるシステムを日本に導入することに必死だ。なぜ、もっと意味のある制度、予防接種の義務化などを導入しないのだろう。

で、予防接種は効くの?

じゃ、はしかの予防接種をすれば、はしかに罹らないのような気分になるが、そうではない。はしかの予防接種を受けても、体内で抗体を製造しない人がいる。そこで4週間後に、2回目の予防接種が続く。それでも体内に抗体ができない人がいる。これが原因で、はしかが流行すると予防接種を受けていても感染する人が出る。

子供の場合は出産後、11か月~14か月の間に予防接種が推奨されている。長い間の研究で、この年齢に予防接種を受けると、抗体ができやすいと報告されているからだ、はしかに感染した後でも3日以内に予防接種を受ければ、はしかの症状を和らげる効果があると言う。

で大人の場合だが、予防接種を受けても赤ちゃんのように効果的に抗体ができるかどうかはっきりしていない。しかしロバートコッホ研究所はそれでも予防接種を受けるように推奨している(大人の場合は一回だけ)。

ドイツでは現在学校に通っている青少年から40代の両親生代は、とりわけ予防接種を受けることがなかった。今、ドイツではしかが流行りだしたのも、実はこの予防接種を受けていない盛大が原因ではないかと疑われている。

参照元 : FAZ

予防接種法案は国会で議論されて、採択されれば来年から法制化される。日本からお子さんと一緒にドイツに引っ越しされる方は、はしかの予防接種の証明を持参するのをお忘れなく。

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執筆者:

nishi

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