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エア ベルリン ルフトハンザへ売却される?

投稿日:2017年4月23日 更新日:


いつまで飛ぶか、エア ベルリン。

エア ベルリン誕生史

日本人は良きも悪しきもハワイが大好き。ドイツ人にとってのハワイは“Mallorca”で、毎年400万人を超えるドイツ人がこの地中海の小さな島を訪れている。ハワイを訪れる日本人は年間600万人を超えるが、日本の人口はドイツの1.5倍。人口比で計算すると、同じ割合になる。

ドイツ人はマヨルカ島に惚れ込むあまり、「マヨルカ島を買い取って、ドイツの17番目の州にするべきだ。」と国会議員が言い出したほどだ。もっともスペイン政府からの抗議でこの話は終焉を迎えたが、それほどまでにドイツ人が大好きな島だ。

ドイツで旅行代理店なり、航空会社を運営するなら、マヨルカ島は外せない。そこでちっぽけな会社が飛行機をレンタルして、マヨルカ島へのフライトを飛ばし始めた。

この路線は日本の航空会社のハワイ路線同様に、航空会社にとってドル箱路線で、この小さな航空会社は少ないながらも着実に黒字を出して、次第に航空機の数と路線を増やしていった。これがドイツ第二の航空会社、エア ベルリンの誕生史だ。ところが12月初頭、エアベルリンはこの路線を放棄すると発表した

ドル箱路線の叩き売り

正確には、先月ここで紹介した”Tuifly”との取引の一環で、マヨルカ島への離発着件を”Tiifly”、および親会社のエチアドに売却する。エア ベルリンはその売却代金として、請求書を払うのに必要な3億ユーロを手中にした。

すでに自社で保有していた航空機をすべて売却した上、今度はドル箱路線の叩き売りが始まった。どれだけエアベルリンが破産の瀬戸際であえいでいるのか、直接、会社の帳簿をみなくてもよくわかる。

翌週には、ルフトハンザが目の上のたんこぶであり、エアベルりンの親会社であるエチアド航空と共同運航便を飛ばすと発表した。日本で言えば、全日空と日本航空が共同運航便を飛ばすという事実に、航空業界は大いに戸惑った。一体、ルフトハンザは何が目的で、ライバルのエチアドと同盟を組むことにしたのだろうか。

エア ベルリン親会社の経営方針変更

そうこうするうちに、エチアド航空で社長の交代が明らかになった。新しく社長に就任するのは、倒産するまでスイス航空で働いていたスイス人だ。前社長は万年赤字のアリタリアとエアベルリンの筆頭株主になることを決定、エチアドに巨額の損益をもたらした。これが株主であるアラブ首長国連邦のお気に召さず、今回の交代になった。

新しい社長のBaumgartner氏の就任により、これまでのエチアド航空の経営方針の変更が予想されたが、その変更はすぐにやってきた。2年前、会社の再生を使命としてエア ベルリンの社長に就任したPichler氏は首になり、新しい社長が就任することになった。このニュースが伝わるや否や、エアベルリンの株は一気に20%も急上昇した。

エア ベルリン ルフトハンザへ売却される?

というのも、新しい社長はルフトハンザのマネージャーで、”Germanwings”のミュンヘン支部長であるWinkelmann氏が就任すると報道されたからだ。エア ベルリンが航空機を乗務員ごとルフトハンザにリース、ルフトハンザとエチアドとの共同運航便、そして今回は競争相手の会社のマネージャーが、エア ベルリンの社長に就任する。

これが意味するのはただひとつ。エア ベルリンのルフトハンザへの売却だ。これが原因で、株価は一気に高騰した。その後の報道で、エチアドの新社長はエア ベルリンの社長探しで、ルフトハンザに相談したことが明らかになった。ルフトハンザはジャーマンウイングスのミュンヘン支部長を薦め、ヴィンケルマン氏も、「もし駄目だったら、ルフトハンザに戻ってこれるから。」という保障をもらって、この大任を引き受けた。

格安航空会社の乱立、戦国時代が終わったドイツでは、定期便を飛ばしているドイツの航空会社と言えば、ルフトハンザとエア ベルリンしかない。そのエア ベルリンがルフトハンザに買収されると、ルフトハンザがドイツの空を文字通り、独占することになる。

通例ではそのような買収は、寡占局が禁止する。しかし禁止すると、エア ベルリンの倒産は避けられず、数千人が職を失う。このため寡占局は、歯軋りしながらも、この買収を”abwinken”(もういいよ!と手を振る。)と推測された。これでエア ベルリンの長い歴史に終止符が打たれるのか?

ところがそう簡単には行かない。エア ベルリンは銀行や投資家に10億ユーロもの借金がある。この借金額はエア ベルリンの資産価値を大きく超える。ルフトハンザが10億ユーロもの借金を引き継ぐわけもなく、この点でエチアドとルフトハンザの長い交渉になりそうだ。これを知ってか、急上昇したエアベルリンの株価は、翌日からまた落下に転じている。

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執筆者:

nishi

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