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eine schöne Bescherung (18.12.2017)

投稿日:2018年3月6日 更新日:


ルフトハンザの思惑で倒産に追い込まれた”NIKI”

倒産したエア ベルリンの解体買収で、思わぬ被害者が出た。ルフトハンザの計画ではドイツ政府の財政支援(1億5000万ユーロのクレジット)と後押しで、エアベルリンのおいしい部分をルフトハンザがおよそ2億ユーロで買収することになっていた。

エアベルリン解体買収

ところがルフトハンザはエアベルリンが運行をやめたその日から、航空チケット代金を大幅に水増した。

参照元 : Fokus

訴えられないようにルフトハンザの立場も載せておくと、チケット価格は需要と供給で決まる。供給が少ないので、価格があがるのは当たり前。ルフトハンザが操作をしているのではないそうだ。しかしあまりのチケット代金の高騰で、ドイツの寡占局が調査に乗り出したほど、露骨な値段の上げ方だった。

参照元 : Tagesschau

NIKI

ルフトハンザはEU委員会がオーストリアの航空会社、”NIKI”の買収を許可するか審査中は、チケット代金を抑えて行儀よく振舞うべきだった。ルフトハンザによる”NIKI”の買収を監査していた委員会は、ドイツ国内でのチケット価格の上昇を目の辺りにして難色を示した。

そこでルフトハンザは完全独占路線(オーストリア航空もルフトハンザの傘下にあることをお忘れなく)にあるルートの幾つかを、他社に売却する用意があると譲歩した。しかしまだ買い手も見つかっておらず、最終的には買い手が見つからない可能性も高く、EU委員会はルフトハンザの妥協には興味しか見せなかった。こうしてNIKIの売却は誰も予想していなかった暗礁に乗り上げた。

その一方でルフトハンザは買収が確定するまで、”Niki”が日々出しているコストを払う義務がある。空港使用料から燃料費、人件費などすべて合わせると、その費用は毎月1000億ユーロにも上る。これを払わないとNIKIは離発着許可が出ず、飛行機はグラウンデイングする。これをすると同社が保有しているスロットが失われて、航空会社の価値(資産)は消散する。こうした背景があってルフトハンザに代わってどこからか企業家が白馬に乗って登場、「私が”Niki”を買います。」という筋書きはほぼ有り得ない。一体、誰が毎月1000億ユーロものコストを払えるキャッシュを持っているだろう。

EU委員会

焦点はEU委員会がどのくらい本気で、ルフトハンザのNIKI買収を問題視しているかに拠るのだが、意外や意外、かなりの本気だった。そこでドイツの政治家がブリュッセルまで飛んで、EU委員会と交渉をすることになった。

参照元 : Handelsblatt

なにせ1億5000万ユーロもの税金をエアベルリンに注ぎ込んだ手前、「買収は許可しません。」では、大いに困るのだ。ところがEUで最大の予算を出しているドイツの要求(脅し)が、このEU委員会には全く効かなかった。

詳しい事は報道されなかったが、EU委員会は許可の条件としてルフトハンザに傘下のオーストリア航空のスロットの返還、あるいは売却を要求したようだ。ルフトハンザにしてみれば、NIKI買収の引き換えにオーストリア航空の所有しているスロットを手放すのでは意味がない。

クリスマスプレゼント

しかしルフトハンザにはまだ奥の手があった。NIKIが倒産すれば、高い金を払ってNIKI買収しなくても、ルフトハンザはオーストリアの航空市場を独占できる。クリスマス前の12月14日、ルフトハンザはNIKIの買収オファーを取り消すと発表した。まるで阿吽の呼吸でドイツ政府は記者会見を開き、「NIKIは倒産すると見ている。」と恥ずかしげもなく発表、数時間後、NIKIはベルリンにて会社更生法の適用を申請した。

即座にNIKIは運行を中止。空港のカウンターも無人カウンターになった。こうしてNIKIがすでに販売済みのほぼ80万枚の航空チケットは紙くずと化した。さらに1000人を超す従業員には、よりに拠ってクリマス前に職を失うというとんでもないクリスマスプレゼント(eine schöne Bescherung)が舞い込んできた。

オーストリア政府は、「休暇先で路頭に迷った国民をクリスマスまでに連れ戻る。」と発表して、各方面と調整にはいった。NIKIの買収を狙っていたチャーター会社のコンドーアは、通常価格の半額でNIKIの乗客を受け入れる発表した。一方、トラブルを巻き起こした張本人のルフトハンザは、「チケットは通常料金で買うことができる。」と示唆した。

その一方で、NIKIの財産管理人は、「ニキの航空チケットを購入した人には、すべて払い戻される。」と発表したが、一体どうやって破産した会社が金を返済できるのか。あまり真面目に取らないほうがいい。NIKIに残された時間は12月22日まで。期日までに買い手が見つかるだろうか。

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執筆者:

nishi

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