ドイツでも 働きながら大学で学ぶ 学生はたくさんいます。

学資ローンをもらっていても、

「ローンだけでは足らない!」

というケースがあれば、お小遣い稼ぎの為に働く学生も。

中にはドイツ特有の学業形態、デュアーレス シュトゥーデイウムを利用して、働きながら大学で学ぶ 学生まで。

とは言われても、

「デュアー 何?」

という方が大半だと思います。

今回はドイツの学資ローンの仕組み、それにデュアーレス シュトゥーデイウムについて取り上げてみたいと思います。

学資ローン/ Studienkredit

学資ローン

まずは学資ローンから始めます。

ドイツ語で学資ローンは、

“Studienkredit”

と言います。

お勧めはしませんが、学資ローンをお考えの方は、一度、ぐぐってみてください。

今回ここで取り上げるのは、およそ80%の学生が利用しているドイツ政府の金融機関”KFW”が提供するKFW学資ローンです。

KFW学資ローン

ドイツにはさまざまな学資ローンがあります。

探せば(多分)、KFWよりも利率の低い学資ローンがあるかもしれません。

でもKFW学資ローンが一番人気なのは、

  • 保証人要らず
  • 両親の財産・収入に関係なし

で、申請すれば100ユーロから650ユーロ/月までのローンが下りるからです。

Q. 外国人でも申請できますか?
申請できます。

 

ただし!

利息が3.91%。

コロナ禍の間は、

「アルバイトもできないだろうから。」

と、国が利息を払ってくれるので0%です。

ローンの返金は借りた額により蹴りですが、最大25年のローンが組めます。

相談 & 申請場所は大学内の学生組合 / Studenenwerk、あるいはあなたが住む町のKFWの支店です。

その他、KFW学資ローンについては、ホームページ確認できます。

Bafög

ドイツにはもうひとつ有名な政府の学資ローン、”Bafög”。

しかし外国人には、ドイツ人向けの奨学金を申請する権利がありません。

 

ドイツ国籍を有していれば “Bafög” というを申請できます。

ドイツ国籍がなくてもドイツで無期限の在住許可を取得している方なら、申請できます。

しかし日本人のドイツ留学生で、この条件を満たしている方はほとんどいません。

そこで詳しい紹介は割愛します。

もし申請資格をお持ちの方は、ホームページでご確認いただけます。

参照 : Bafög

働きながら大学で学ぶ?

もし上述の学費ローンを利用しない場合、

「アルバイトをして生活費と学費を稼ぐ。」

となるのですが、アルバイト(ミニジョブ)で稼げるのは450ユーロまで。

ドイツでアルバイト できるの?

これでは家賃を稼ぐのが精一杯で、健康保険や学費には到底及びません。

普通なら学業を諦めることになるのですが、そこはドイツ。

ドイツには世界に例のない、働きながら大学で学ぶシステムがあります。

働きながら大学で学ぶ – Duales Studium とは?

働きながら大学で学ぶ - Duales Studium とは?

働きながら大学で学ぶ、そのシステムの名前は

“Duales Studim”(デユアーレス シュトゥーデイウム)

です。

その意味は、

“Dual”(ふたつ)

“Studium”(学業)

が示す通り、仕事と学業を両立するシステムです。

まずはデユアーレス シュトゥーデイウムが導入された経緯から。

教育と現実の隔たり

大学ではセオリー(理論)だけ学びます。

(例えば)経済理論を学んで、丸覚えして、試験に合格。

やっと就職して習った理論を実践できるかと思えば、

「そんな古い理論はもう誰も使っていないよ。」

と言われて、、、、

「大学の4年間は何だったのか?」

という経験をします。

結果、大学を卒業しても、現場で実際になる知識 & 経験が欠けており、

折角、大卒者を採用したのに企業は、お金と時間をかけて使える人材を育てあげなくてはなりません。

 

マーケットがグローバル化した今日、

「人材が足りない。」

募集をかけて新卒者を募集、半年もかけて仕事ができる人材を育てる時間的、金銭的な余裕はありません。

「半年後には製品を納入できます。」

とオファーした日には、競合他社に注文を取られてしまいます。

「新卒者は理論ばかりで、経験と知識がないので即戦力にならない。」
という欠点を補うべくドイツの大学が取り入れた大学のシステムが、”Duales Studium”(同時/ダブル学業)です。

Duales Studim の仕組み

働きながら大学で学ぶ Duales Studim の仕組み

働きながら大学で学ぶこのシステムは、デュアーレス シュトゥーデイウムを提供している大学、あるいは研修生を受け入れる企業側の制度により異なります。

最初の2年間は大学で理論を学び、最後の1年半で企業研修をするケースがあれば、最初は企業で研修を始めて、2年目から大学で理論を学ぶケースもあります。

あるいは同時進行で、(例えば)月曜日~水曜日のお昼まで企業で働き、水曜日の午後から金曜日は大学で学ぶケースなど、専攻によりその方法はさまざまです。

企業はその報酬として、

私立大学であれば学費を全額負担、州立大学であれば450~1000ユーロまでのお給料を支給します。

卒業までにかかる年数

デュアーレス シュトゥーデイウムの場合、卒業までにかかる年数は通常の学業よりも長くかかります。

学業によりけりですが、

早くても3年半、長い実践が必要な学部だと4年半。

 

もっとも日本の大学が平均して4年かかることを考えれば、それほど長いわけでもありません。

卒業時すると、、。

3~4年後に”Bachelor” のタイトルを取得して卒業すると、タイトルばかりか、すでに仕事の経験が備わっています。

さらには3年間の仕事中に、仕事に欠かせない免許/資格をとることも可能です。

企業は半年も研修を必要とする卒業生よりも、すでに仕事の経験がある卒業生を優先します。

こうした仕事で必要な免許/資格を持っていれば、アルバイトをしながら苦労して学業を終えた卒業生よりも、就職市場ではるかに有利です。

 

もっといいことには、3年間も手塩をかけて育てた人材が競合他社に就職するのを防ぐため、学業をしながら仕事/研修をしていた企業が、

「卒業したら、ウチで働かないか。」

と言ってくれることが多いです。

Duales Studium 出願方法

Duales Studium 出願方法

デュアーレス シュトーデイウム / Duales Studium は、とりわけ多くの私立大学が提供しています。

「授業料がかかるので公立の大学に行く。」

という欠点を、この制度で克服できるからです。

とりわけ観光業に興味のある方は、ホテルなどが人材を必要としているので、ベルリンミュンヘンなどの大都市では制度を提供している私立大学を見つけやすいです。

肝心の出願順序ですが。

公立の大学に通われる方は、この制度を提供している企業を調査することから始まります。

有名なプラットフォームを見ると、

  1. wegweiser-duales-studium.de
  2. studycheck.de
  3. azubiyo.de
デュアーレス シュトゥーデイウム 経営学 Bachelor 募集

 

と、募集要項に書かれています。

希望の専攻を提供している企業を見つけたら、ここに応募します。

面接して企業側から採用通知を取ってから、この企業が協定を結んでいる大学に出願することになります。

実践例 – 働きながら大学で学ぶ

ここアウグスブルクは、

アウグスブルク ロマンチック街道の発祥地は見所盛り沢山

「大学の町」

と市が呼んでいるくらいなので、複数の大学が存在しています。

さらにはアウグスブルクには日本でも有名な大企業が、幾つも本拠地を持ってます。

そのせいか、これまで知り合ったドイツ人学生の1/3はデュアーレス シュトゥーデイウムを利用しています。

研修先は

参照 : エアバス

 

 

参照 : KUKA

 

参照 : MAN

 

などの製造業から、スポーツジムまで。

興味を持ったので、

「どうやって、研修先を見つけたの?」

と聞くと、意外や意外、

「大学の友達の推薦。」

だそうです。

すでに有名企業で研修している友達が、

「他に誰か興味がある人物を知らないか。」

と聞かれて、そのコネで面接に行き採用されたそうです。

この学業システムはどんな学部、何処の大学にも採用されるわけではありません。

法学部や文学部などはダブル学業はほぼ存在していません。

この制度が人気なのは経営学、情報学、エンジニア、医学、生物学など。

働きながら大学で学ぶ システムの欠点

デュアーレス シュトゥーデイウムをしていないドイツ人学生に、

「どうしてしないの?」

と尋ねると、

「学業と仕事が両立できればいいが、すごい負担になる。」

との事。

悠々自適な大学生の生活を満喫したいので、普通の大学生活を送っている大学生も多いです。

やっぱり学業と仕事の負担は大きいようです。

しかしながら自費留学生で、奨学金ももらえないとなると、残る方法はこのデュアーレス シュトゥーデイウムのみ。

どうせならお給料のいい研修先を見つけたいですが、人気の研修先はドイツ人学生との競争です。

ドイツ語があやふやだと、高嶺の花。

まずは準備段階でしっかりドイツ語を学んでください。

働きながら大学で学ぶ – よくある勘違い

ココで”Duales Studium”を紹介してから、

「お金がなくても、大学で学べるんだ!」

等、不思議な勘違いをされている方が、少なくありません。

デュアーレス シュトゥーデイウムでも、先立つものは必要です。

最低限、毎月600ユーロの生活費が工面できないなら、 デュアーレス シュトゥーデイウムでも卒業は無理。

又、”Duales Studium”は企業が

「有能な将来の人材確保」

の為に先行投資するものです。

お金が余っているので、ただで配っているわけではありません。

言うなればお見合いみたいなもの。

貴方は年収300万円の派遣社員と、年収1000万円の会社員、どちらをお見合い相手に選びますか?

 

デュアーレス シュトゥーデイウムを提供する企業も、

「年収1000万円の会社員」

を選びます。

もしあなたが

「年収1000万円の会社員」

に匹敵する履歴・学歴を提示できるなら、何も心配するには及びません。

そうでない場合、お見合い相手を探すのは大変です。

又、

「哲学をデュアーレス シュトゥーデイウムで学びたい!」

と思われている方!

哲学者を雇っても、企業は1セントも稼げません。

そんな専攻に、デュアーレス シュトゥーデイウムを提供する企業はありません。