ドイツで インターンシップ をしたいです!

20代の若者からそんなお問い合わせが、絶えません。

でも皆さん仕事経験や渡独経験もなく、ドイツ語も話せません。

なのに、

「ドイツではドイツ語ができなくても仕事ができる!」

と信じ、

「ただ働きだけど、社会勉強になる!」

と、やる気満々です。

その熱気がこちらまで伝わってきます。

しかし同時に

「羞恥心」

から沈黙を守る犠牲者の数は増え続けています。

「これ以上、インターンシップと称した詐欺を看過する事はできない!」

と、実情を紹介するページを作ることにしました。

お申込みされる前に、是非、一読ください。

デユッセルドルフの旅行代理店で インターンシップ

デユッセルドルフの旅行代理店で インターンシップ

デユッセルドルフの旅行代理店で5年間働きました。

「旅行代理店」

と聞くと、

「個人旅行の手配」

を連想する方が大方だと思います。

実は現地の日本企業に勤める社員の出張の航空チケット& ホテル手配が、仕事の90%を占めます。

朝9時の営業開始前から、

「高価な航空チケットを買いたい!」

と電話が鳴り始め、何十万円もする航空チケットが、

「飛ぶように」

売れていきます(*1)。

駐在員のご機嫌を損ねないように、すばやく予約を取りコンファームするのが至上課題です。

そんなある日、

「明日、日本からインターンシップ希望者が5名派遣されてくる。」

と上司。

インターンシップ 開始!

翌日やってきた5名のインターンシップ参加者は皆、大学生。

フライトの予約は、アマデウスという専用のプログラムで行います。

これを使いこなすには、半年程度の教育が必要です。

学生さんがこれを使えないのは、言うまでもなし。

勿論、ドイツ語もできないので、

「英語が通じるから、電話でホテルの予約を取って!」

と頼むと、

「自信がない。」

との回答。

結局、インターンシップの2週間は、

「邪魔にならないように、空いている所に座ってて。」

ということになりました。

日本語で大丈夫!

あまりにもかわいそうなので、仕事の合間に

「なんでこんなインターンシップに申し込んだの?」

と聞けば、

日系企業なので、日本語でインターンシップができると言われました。

 

と学生さん。

なんと払ったお金は27万円。

考えてください。

タイで、

「日本でのインターンシップ参加者募集!」

があり、

「日本語は必要なし!タイ語でOK。」

とあれば、詐欺ですよね。

日本でタイ語は通じないので、仕事ができるわけがありません。

が、若いタイ人には人生経験がないからそんなことさえわからない。

ドイツではこうして何も知らない若いタイ人女性を呼び寄せると、売春窟で働かせてます。

同じことが、

「日本語で大丈夫!」

というドイツでのインターンシップ。

「ドイツ語は必要なし!」

と謳い、高価な参加費用を巻き上げるわけです。

このように、

誰でも参加できるように参加条件を下げているのは、詐欺の証拠です。

仕事には専門知識が必要

仕事には専門知識が必要

インターンシップ参加者の中には、

「仕事をやらせてもらえない。」

と苦情を言う方も。

ごもっともです。

でもアマデウスも使えない人には、

「お使い」

以外の使い道がないんです。

学生さんはアルバイト以外、まだ仕事をしたことがありません。

このため、

「現場に行けば、誰でも仕事ができる。」

と考えています。

しかし世の中、そんなに甘くはありません。

工事現場の警備員ならともかく、会社で働くには専門知識が必要です。

責任の問題

もし専門知識を持っている学生がいても、

「部外者に仕事を任せるわけにはいかない。」

という根本的な規則があります。

仕事で間違いを犯した場合、誰が責任を取るのか、考えてください。

 

数億円の取引で出張する駐在員のフライトを、間違って予約。

契約を交わすことができなくなったら、誰がその責任を負うのでしょう?

そんな大事なフライトの予約を、

「日本からきたインターンシップに任せた。」

と知れ渡れば、今後、その会社とは取引してもらえません。

下手すれば損害賠償請求になります。

質問
仕事のチェックはしてくれないの?

 

インターンシップの学生に仕事を任せ、その仕事を後から全部チェックすると、朝まで家に帰れません。

そもそもダブルチェックする必要があるなら、最初から自分でやったほうが早いです。

 

だからインターンシップの学生さんを派遣されても、使い道がないんです。

大学出願サポート

ひとつ身近な例を挙げてみたいと思います。

当社ではドイツの大学出願サポートを行っています。

大学出願サポート – ドイツの達人があなたの出願をお手伝い

私自身、ドイツで複数の大学に通い、その後、20年以上お客様の入学申請書を作成しています。

日本中探しても、私よりドイツの大学入学に詳しい人間はいません。

いうなればドイツの大学入学申請のプロです(*2

その当社に、

「ドイツ大学留学の申請書を書いて欲しい!」

と、お申込みされたとします。

皆さんは2万円もする費用を払って

ドイツの達人、それともインターンシップの学生、どちらに願書を書いてもらいたいですか。

 

「インターンさんにお願いしたい。」

という方は皆無だと思います。

あなたがインターンに仕事をしてもらいたくないなら、まさにそのインターンシップに参加する事の意味は何処にあるのでしょう。

五つ星ホテルで インターンシップ

五つ星ホテルでインターンシップ

あるお客さんが、

「ホテルで働いてみたい!」

という長年の期待を抱いてました。

ドイツ留学中、

「黒い森の五つ星ホテルでのインターンシップ」

に応募。

事前に相談してくれれば、

「絶対に辞めたほうがいい。」

とアドバイスしたのに、、、。

もっとも相談すると、

「絶対に辞めたほうがいい。」

と反対される事を恐れて、相談しなかった可能性大なり(*3)。

要 職業訓練 & 専門知識

「ホテルで働きたい!」

そう希望されるのは、社交性のある女性が多いです。

そんな女性の99%が想像してるのは、

「皿洗いや部屋の掃除の肉体労働」

ではなく、レセプションでの仕事です。

でも考えてください。

ドイツ人はホテルで働く為に3年も職業訓練学校に通い、専門知識をつけてから就職します。

ドイツの専門学校 – 日本人は通えないって本当?

なのに専門教育はおろか、ドイツ語もできない日本人が、五つ星のホテルでレセプションに立てると思いますか?

 

一度、日本の五つ星ホテルに見学に行ってください。

レセプションに日本語も満足にできない外国人が勤務していれば、あなたもドイツで五つ星のホテルでレセプションに立てます。

「黒い森の五つ星のホテルでのインターンシップ」

の正体は、

言葉も専門知識も要らない単純・肉体労働です。

過酷な労働環境

案の定、お客さんが派遣されたのは部屋のお掃除業務。

「皿洗いに派遣されるともっとひどい!」

という怖い話を同僚から聞くと、

「もうアウグスブルクに帰りたい!😢」

とお客さんからヘルプメール。

聞けばただ働きに

「ウン万円」

払ったそうです。

インターンシップに申し込みする前ならアドバイスできたのに、、。

この時点ではもう何もできませんでした。

語学学校の紹介する インターンシップ

語学学校の紹介する インターンシップ

中には、語学学校がインターンシップを手配してくれるケースがあります。

これは語学学校にとって

「一粒で二度おいしい。」

商売なんです。

その裏には何があるのか、ご紹介いたします。

環境保護団体へ体験実習

あるベルリンの語学学校が

「観光保護団体」

でのインターンシップを提供しています。

「是非、参加したい。」

とお客さん。

私はそもそも、

「インターンシップは詐欺同然」

と思っているので、どんな仕事があるのか聞きました。

すると、

蛙が車に挽き殺されないように、保護する大切な仕事です。

 

との真顔の返事。

わざわざドイツまできて、蛙と鬼ごっこ。

蛙と鬼ごっこなら、日本で水田に行けばタダでできます

そんなインターンシップに、お金を払ってまで参加したいですか?

でも語学学校の紹介するインターンシップの闇は、もっと暗いです。

参加に必要なドイツ語能力

インターンシップに参加するには、最低限B1レベルのドイツ語能力を要求されます(*4)。

多くのお客さんはA1レベル。

そこでB1レベルに達するまで半年、語学学校に通います。

このように

「参加に必要なドイツ語能力はB1レベル」

と定めることで、語学学校にはおいしい

「半年分のレッスン」

を売ることができます。

でも蛙を捕まえるだけなら、ドイツ語なんて要りません。

まるでインターンシップで本当の仕事ができるかのように信じさせて、半年間のレッスンを売るわけです。

ウイン ウイン ウイン

さらに語学学校は、インターンシップの手配手数料を400~800ユーロも取ります。

すなわち、

「ドイツでインターンシップをしたい!」

という若き情熱に燃える若者の要望に応える事で、

  • 半年間のドイツ語レッスン
  • インターンシップ手配手数料
  • 手配先からの謝礼金

で、三回もお金が稼げます。

こんなにおいしい商売はないっ!

だから当社に、

「ドイツでインターンシップがしたいです!」

というメールが届くと、

「本人が希望するんだから、希望通り手配したほうがいいのでは?」

という考えが頭をよぎります。

希望通りインターンシップを手配すれば、

  • 本人が満足
  • 語学学校も満足
  • 当社にも謝礼が入ってきて満足

まさに

「ウイン ウイン ウイン」

です。

ただ働きにお金を払う?

語学学校の中には、日本人の集客に特化している学校があります。

そんな学校が、生徒の面倒を見るインターンシップを募集!

早い話がただ働きなんですが、参加費用が200ユーロ!

そう、本来はお給料を払うべきなのに、ただ働きにお金を払わされるんです。

 

「働いてみたい!」

という若者の熱意を逆さにとるこの商売、醜いです。

まさか、

「いくら若者でも、そこまでおめでたい人は居まい。」

と思っていたんですが、

「お金を払ってインターンシップに参加したい!」

と、お客さん。

以前、

「辞めた方が、、。」

と親心からアドバイスして、

「そんなことはあなたに聞いていない!」

とお叱りを受けたことがあるので、黙って手配しました、、。

お給料の支払い義務

ドイツでは全国共通の最低賃金が導入されています。

【必読】 ドイツでアルバイト できるの?

最低賃金の導入で、インターンシップに参加している外国人を

「ただ同然」

の賃金で働かせるのは違法になりました。

 

まっとうな語学学校は法整備を受けて、インターンシップを廃止。

しかるに今でもただ同然の賃金で、何も知らない若者を働かせる企業は多いです。

中にはただ働きにお金を取る悪徳企業まで。

法律を破っている企業が提供しているインターンシップで、まともな労働環境は望めません。

花屋で インターンシップ

花屋で インターンシップ

これだけ書いても、

「そんなインターンシップばかりじゃない筈だ!」

と、希望を捨てきれない方も居ると思います。

ちょうど、

「花屋でインターンシップがしたい。」

という要望をもらったので、駅前の忙しそうな花屋に、

「日本人が(ただで)働いてみたいと言うんだが、どうでしょうか。」

と相談に行ってきました。

インタビューなくして契約なし

花屋の主人が最初に聞いてきたのは、

「ドイツ語は話せるんかね。」

です。

「客の大半はドイツ人だから、ドイツ語が必修だ。」

との事。

その主人曰く、

「ドイツ語ができるなら、インタービューしてもいい。」

との事。

「仕事の経験がないとお話にならない。」

という返事を期待していたので、ポジテイブな返事にちょっと驚き。

「ドイツでインターンシップしたい!」

との熱情に燃えている方に注意してもらいたいのが、この主人の言葉。

インタビュー(面接)なくして受け入れる研修先はありません。

 

どんな相手なのか確認さえしないで、

「お金を払えば誰でも参加できる」

は、

総じてインターンシップ詐欺です。

希望と現実の大きな隔たり

希望と現実の大きな隔たり

もうひとつ、日本のお客さんに人気のインターンシップがあります。

それは、

「ドイツのパン屋さんで働いてみたい!」

という希望です。

「パンを作る工程を習いたい!」

というものですが、ドイツの多くのパン屋は冷凍物を使用しています(*5)。

店員は届いたパンをオーブンに入れ、焼けたらオーブンから出し、棚に並べるだけ。

勿論、朝の4時から小麦粉をこねてパンを作るパン屋もありますが、

「3時に起きて、4時から徒弟と一緒に働くのはしんどい。」

ので、

「午後にパン作りを習いたい。」

というご希望です。

皆まで言えば

「徒弟になるんじゃなくて、1週間だけでいい。」

というご要望。

言葉も通じない外国人のために、午後だけパン屋を空けて、パンを一緒に作ってくれるパン屋はありません。

 

そもそもパンは朝に売れる物です。

午後にパンを焼くと、全部売れ残りになります。

このようにインターンシップを希望される方の希望と現実には、大きな隔たりがあります。

お料理教室

パンやケーキの作り方を体験してみたい方は、インターンシップなんぞしなくても、

「お料理教室」

で、パンやケーキの焼き方、パスタの作り方、寿司の調理方法まで学べます。

質問
どうやって探すの?

 

パンの作り方を習いたい方は、

“Backkurs”+あなたの住む町

でググるだけ。

人口30万人のアウグスブルクでさえ、20近いパンの作り方が学べるコースがヒット(*6)。

アウグスブルクでこれだけコースがあるんだから、大都市なら

「星の数」

ほど見つかります。

例えばパンの焼き方コースなら、13時から開始で費用は70ユーロ。

ケーキなら90ユーロ。

インターンシップのように早起きする必要がなく、毎回異なるパンやケーキの作り方が学べ、作ったパンとケーキは自分で食べれます!

 

何十万も払ってインターンシップに申し込むより、お料理コースに参加する方がお得で実用的です。

インターンシップ 先は自分で探す

インターンシップに費やす時間とお金があれば、ドイツ語能力を磨くことに費やしてください。

C1レベルの試験の合格証があれば、一生困りません。

その時点で、

「仕事の体験がしてみたい。」

というのなら話は別。

将来どんな職に就くべきか、悩んでいる方には仕事の研修はいい判断材料になります。

でもその時点で、

「インターンシップ先を自分で探すのはおっくうだから、誰かに頼んじゃおう。」

と安易な方法を選ぶなら、ここで説明したことが無駄になっちゃいます。

そもそも他人に頼むと、

「その日本人は何で自分で尋ねないんだ?」

と、研修先が不信に思います。

まともなインターンシップ先を探すなら、自分で探すしか方法はありません。

履歴書を準備して、働いてみたい店舗のドアを叩いて直談判。

ドイツ語に、

“Nur sicher zaehlt man auf sich selbst.”

という表現があります(*7)。

将来、ドイツで生活していこうと考えている方、自立してください。

ドイツでボランテイアがしたいっ!

ドイツでボランテイアがしたいっ!

大学生の方から、

「ドイツでボランテイアがしたい!」

というお問い合わせをいただきます。

深くは聞きませんが、

「(無償で)ボランテイア先を紹介して!」

というご意向のようです。

まず、その高貴な志に👏。

同じ年代でも、闇バイトに手を出す輩がいれば、

「社会の為に貢献したい!」

というその意気込みには頭が下がります。

実際問題

問題はここから。

ドイツでもボランテイアを探している組織は多いです。

問題はどんな会社でも

「素姓の知れない人間は雇わない。」

という点です。

犯罪者、中には子供を狙っている性的犯罪者も多いのに、

「はいどうぞ。」

とはいきません。

さらに!

ボランテイアが助けるのは、往々にしてドイツ語しか話せない方。

仕事の指示もドイツ語。

英語じゃ駄目なんです。

ドイツ語をマスターすれば、たくさんボランテイアできます。

ですから最初はドイツ語をマスターすることに集中してください。

ドイツの語学学校 50選!全土から優秀な学校を選りすぐり

注釈

*1      個人旅行のお客さんは、時間がかかり過ぎるので、「他社をご利用ください。」とお断り。例外は会社でご利用いただているご家族。

*2 そんなプロがあるかどうかは横に置いておき。

*3     後で聞くと、「ホテルで働くのが夢だった。」そうです。

*4      このレベルではカタコトしか話せず、理解できず、仕事では使えません。

*5      味音痴なドイツ人には、安価な冷凍パンは「安くておいしい!」と人気を博し、伝統的なパン屋は苦戦しています。

*6     パンとケーキは「同じ扱い」なので、ケーキの焼き方も学べます。

*7      「本当に頼れるのは己のみ」という意味。