町の紹介

ロマンチック街道の要所として何処のガイドブックにも載っているのに、観光客は隣のローテンブルクを見て、「もういいや。」と通りすぎてしまう哀しい町、ディンケルスビュール。でも見所はたくさん!それに観光客が少なくていい!さらには自宅から車で1時間20分。トイレ付きの無料駐車場はあるし、お勧めの観光先のひとつです。パン屋で食べた菓子パンは激ウマ。雪玉より、全然おいしいです!

町の地理

ディンケルスビュールはバイエルン州の町。地勢状はミッテルフランケンと呼ばれる地方にあり、ローテンブルクから南に40Kmほど下った場所にあります。早い話が交通の便が悪く、ミュンヘンからは3時間、フランクフルトから電車を乗り継いで4時間もかかるので、外国人はあまり訪れない様子。幸い、アウグスブルクからだと車で1時間20分の距離にあり、1日観光にうってつけ。

車で行くならナビーゲーションに、”Mönchsrother Str.3″と打ち込めば、外壁のすぐ外にある無料駐車場まで行けます。(無料)トイレ付なので、ここで準備を整えて町に突撃しよう。

町の歴史

「中世の趣を残している町」として有名なディンケルスビュール。日本語でディンケンスユールと表記されていることもありますが、”Buehl”はどんなに頑張ってもユールとは読めません。素直に、「ビュール」と呼んであげよう。覚え難い町の名前の起源はわかっていない。

町の名前が最初に登場している文献では、”Burgus tinkelspuhel” と書かれています。それがどうして”Dinkelsbühl”になったのか、いろんな推測がされています。中には”Dinkelbauer”という人が町の発起人で、その人にちなんで名前が付けられたと主張している人もいますが、根拠のない伝説です。

ディンケルスビュールが歴史に残ることになったのは、シュタウファー家とヴェルフェン家のドイツの覇権を巡る争いが原因だ。シュタウファー家(シュバーベンの貴族)はヴェルフェン家(フランケンの貴族)との戦に備えて、地形上防御しやすいこの集落を城壁で囲い、城塞都市に仕立て上げた。

ちなみに「お隣」のローテンブルクが城塞都市になったのは13世紀。こちらは12世紀で、ローテンブルクよりも古い。12世紀の城塞都市の特徴として、ローテンブルクのような市庁舎前の大きな広場(市場として使われる)はなく、じょうご型の道路/広場があるのみ。その利点は柔軟さ。町が発展すれば町を好きな方向に拡大でき、中心部を移さないで済む。もっとも町の中心部となる広場がないと「目印」に欠けるのか?ディンケルスビュールはローテンブルクに負けることのない綺麗な町なのに、観光客の数は比較にならないほど少ない。

この町は14~15世紀に経済的な最盛期を迎えた。お金持ちになると敵の侵入を妨げるべく城壁を増築、お堀を掘り、監視用の塔を建てた。さらには町の象徴になっているSt.-Georgs-Kircheなどが建設され、今日、観ることができる町の姿になった。

ディンケルスビュール観光

駐車場から見えるのが “Nördlinger Tor”。塔の隣の建物は、水力を利用した製粉機が入っている水車だ。かって城壁の周囲はお堀になっていたが、現在ではお堀は埋められて見張り塔と一緒に家庭菜園に利用されている。すでにここから旧市街の古風な家屋が見て取れる。このまま風情のある家屋を見ながら直進するのが、短い観光コース。

城壁

「折角、来たんだ。全部観て行きたい。」という人は、城壁を越えてからすぐに左折、城壁に沿って歩くと街を1周できます。城壁コースを巡る観光客はおらず、私、一人でした。たまに原住民と出会います。見ていると、塔の中にベットを運び込んでいました。そう、数多い塔は住居として廃物利用されています。城壁沿いにこのまま歩いていくと、町の一番高い場所にあるSegringer Torにたどり着けます。

短いルートに戻ります。10分ほで右手に教会が見えてきます。その先にあるのが絵葉書のモチーフになってるワイン市場です。中心部と言っても、上述の通り広場/市場があるわけではありません。綺麗な場所なんですが、観光客が多いので撮影が難しいです。三脚を取り出して時間露出撮影すると、人の姿がほぼ消えました。それに雲がドラマチック感を増します。

中心部

角の真っ赤な建物は “Gustav-Adolf-Haus”と呼ばれています。30年戦争中、この町を占領したスウエーデン軍の将軍Gustav-Adolfが宿泊したので、この名前で呼んでいます。この将軍、「歌を歌いながら歩いている子供に情が移って、町の略奪を禁止した。」という伝説があります。

先に進む前に、教会内部を見て行きます。窓にステンドグラスではなく普通のガラスが使用されており、明るく雰囲気がいいです。”Alter”と呼ばれる牧師(それと司祭?)が建つ場所は、とりわけ立派。

骸骨屋敷

目抜き通りの真ん中に建っている大きな建物は、”Deutsches Haus”(ドイツの家)と呼ばれています。かっての町の権力者が16世紀に建造させた骸骨屋敷です。町の観光案内によると「ルネッサンス後期の最高の傑作」だそうです。現在は高級レストラン&ホテルとして使用されています。この目抜き通りには、多くの立派な建物が立ち並んでいます。

石畳を歩きたくない方には馬車のツアーもあり、40分かけて町を一周してくれます。観光ガイド付き。言うまでもなくドイツ語。大人は8ユーロ。子供は半額です。2017年には大人9ユーロに値上がりしていました。毎年、1ユーロ値上がりするのかしらん。

メインストリートから左に、細い小道が分岐しています。入ってみると小奇麗な家屋が並んでいるので、見てみる価値あり。メインストリートに戻ってすぐ先に、立派な飾り付きの家があります。地元の新聞社です。この建物の手前に、”Gewürzstrasse”という路地があります。元々は、香辛料を売っている店が並んでいたので、この名前。現在では香辛料よりも、中国製の服や小物を売る露店が並んでいます。にんにくがひとつ2ユーロで売られてました。買う人が居るのかな?露店が景観を損なっていますが、ここに並んでいる家屋も美しい。

メインストリートに戻ります。この先にパン屋さんがありますが、中心部の店と違い客足まばら。やはり客商売はロケーションが大事です。その斜め向かいにあるのが”Spital”(病院)です。中庭に入って裏から見ると、さらに立派でした。隣の別館は介護施設です。

通りに戻るとすぐ先に、”Rothenburger Torturm”が見えます。この塔は牢屋と拷問部屋が設けられていた物騒な建物。魔女裁判が盛んな中世には、無実の女性(わずかに男性も)ここで拷問を受けて殺害されました。先回は時間がなくてここで引き返したので、今回は門の外まで。その前に振り返って町を見ておきましょう。車がなければまるで中世の町です。

ローテンブルク塔の周辺は、まだお堀に水が残っています。ここは町のホームページでも利用されている、町の自慢の景色。お堀に沿って花壇や公園が設けられています。先に野外コンサート会場もあり、ドイツの演歌歌手が歌声を披露していました。端っこの塔の奥にある門から市内に戻ると、大きな骸骨屋敷がドン!と建っています。名前は”Kinderzeche-Zeughaus”と言います。普通Zeugnishausと言えば武器庫ですが、この建物は穀物倉庫として16世紀に建造されたもの。

通りを下ると、香辛料通りにたどり着き、香辛料通りを端っこまで歩くと、Segringer Straßeへ繋がっています。坂を上っていくと新市役所があり、その横にはとっても綺麗な家屋が並んでます。町の一番高い場所にある塔がSegringer Torです。この塔はてっぺんにたまねぎが乗っており、他の塔と建築様式が違います。スウェーデン軍の攻撃により塔が崩壊したので、15世紀にイタリア人の建築技師のデザインで再建されたためです。

Segringer Tor

ほとんどの町ではお堀は埋められ、塔は解体されて残っていません。しかしディンケルスビュールは、ほとんど残っている珍しい例。町の中への乗り入れが不便ですが、歴史の保存を優先した街は偉い。城壁と塔がほぼかっての姿で残ってます。町に戻ってきてすぐ左手にあるのが、3人の王様の礼拝堂と呼ばれるミニ礼拝堂。すでに14世紀には存在していたというので、町のもっとも古い建造物のひとつ。礼拝堂の先にかわいい家。この路地の先にある立派な屋敷がユースホテル。16世紀初頭に建造された倉庫です。この先もずっと城壁が続いていましたが、引き返してSegringer Torに戻ります。

まだ残ってる観光名所は僅か。Segringer Straßeを下ると先にSt. Paulskirche教会が見えてきます。なんで同じ場所に教会がふたつもあるの?それはこちらはプロテスタント教会だから。この道を直進すれば、駐車場まで戻れます。

まだ駐車場には向かわないで、手前で左折して”Wörnitztor”を観ていきます。この塔はシュタウファー家がこの町の領主だった14世紀に建造されたもの。その後何度も改築されて、今の形なったのは16世紀。ここ数年でペンキも何度か塗り替えられたので、数年前の写真を見ると、「え、違うでしょ?」と思ってしまいます。塔の前には立派な噴水があり、とっても綺麗な写真が撮れました。この噴水の対面にあるのが旧市役所で、現在は博物館、そしてツーリストインフォとして利用されています。

他にも綺麗な場所がたくさんありましたが、見所が多過ぎるので割愛。写真を撮りながら町の隅々まで歩いていると、5時間かかっても撮影が終わりませんでした。短いコースなら3時間少々で観て回れるので、半日観光にはぴったりです。真夏にもかかわらず、見かけた日本人はカップルの二人だけ。中国人でさえ数える程度。観光客は皆、お隣のローテンブルクに大挙して訪れている様子です。

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