ケールシュタイン ハウス はヒトラーの茶室として山頂に建設された施設の名前。

ベルクホーフが公的な施設になってしまったので、

「独裁者の私的な集まりの場」

として新たに建設されました。

戦争の状況がまだよかった頃、ヒトラーは仲のいい連れと一緒にお茶を飲みにケールシュタイン ハウスまでお散歩していました。

ナチスを象徴するような施設ですが、軍事上は意味がなかったので、戦争を無傷で生き延びました。

政府は長く立ち入りを禁止していましたが、

「大事な観光収入を朽ち果てさせる手はない!」

と改修工事を施し、一般に公開!

ドイツ滞在中に一度は見ておかないと、日本に帰国後、後悔間違いなし!

ケールシュタイン / Kehlstein とは?

ケールシュタインはベルクホーフ同様に、ベルヒテスガーデン(県)のザルツブルク(市)にあります。

 ベルクホーフ 独裁者ヒトラーの山荘(跡)は何処に?

そのベルヒテスガーデンの山頂と言えば、ヴァッツマンが有名ですが、山頂は他にもあります。

そのひとつがゲル/ Göll で、オーストリアとの国境になっています。

そのゲルの隣の(低い方の)山頂がケールシュタインです。

その山頂に建つのが、 ケールシュタインハウス / Kehlsteinhaus で、オーバーザルツベルク観光のもう一つの目玉です。

第三帝国時代の建造物としては珍しく、今でも昔のままの姿で健在しています。

英語では”Eagles Nest”(鷲の巣)と呼ばれています(*1)。

行き方

ケールシュタインへの行き方は、ベルクホーフへの行き方と同じです。

まずはベルヒテスガーデンを目指します。

ここまで来るとケールシュタインの標識が出ています。

到着するのはケールシュタインに設けられた駐車場です。

ここから徒歩でもケールシュタイン ハウスまで行けます。

ちゃんと標識も出ています。

おまけに徒歩で行けば無料です。

「冗談じゃない!」

という人は、チケット売り場でバスの搭乗券とエレベーター利用券が一緒になってるチケットを買ってください。

ヒトラーの茶室 今日までの歴史

ヒトラーの茶室 今日までの歴史

ケールシュタインの高さは1881mです。

この山の天辺に茶室を設けるには、まずは山頂まで資材を運ぶ道路を建設しなくてはなりません。

官房長官のボアマンは、ヒトラーお気に入りの建設家であるフリッツ トットに道路の建設を委託。

するとトット(機関)は驚く速さで山頂までの道路を整備、お陰でケールシュタインハウスは、なんと13カ月という短期間で完成しました。

これには山頂まで行ける、総統用エレベーターも込みの総工事期間です。

ヒトラーが嫌いなドイツ人でも、この偉業には誇らしげ。

すると別のドイツ人は、

「どうせ強制収容所の囚人を死ぬまでこき使ったんだろう。」

と言いますが、これは間違い。

当時はまだ平和な時期で、強制収容所もまだなかった時代です。

戦中 & 戦後

第二次世界大戦末期、イギリスの爆撃機が爆撃にやってきます。

しかしベルクホーフと異なり、ケールシュタインハウスは狭い山頂にある比較的小さな茶室。

爆弾を当てることはできず、戦争を無傷で生き延びました。

戦後、アメリカ軍が接収して、

「軍需施設」

として利用しましたが、ドイツ連邦共和国の誕生でケールシュタイン ハウスはバイエルン政府に返却されます。

ケールシュタイン ハウス 一般解放!

ネオナチの聖地となることを恐れたバイエルン政府の方針で、ケールシュタイン ハウスは2002年まで立ち入り禁止でした。

その一方で保存に大金がかかるので、観光資源を朽ち果てるに任せる手はないっ!

2002年5月に解禁され、一般の訪問者でも訪れる事が可能になりました。

ヒトラーの茶室はレストランになっており、ヒトラーがエバブラウンの姉の結婚式で座った場所に座って、食事を堪能することもできます!

以後、数多くの観光客がベルクホーフと一緒にかっての独裁者の別荘を見てやろうと押し寄せ、バイエルン州政府の大事な財源となっています。

ヒトラー伝説

ケールシュタインハウスは、ヒトラー50歳の誕生日に党の官房長官ボアマンが贈った、豪華な茶室 / Teehaus です。

というのがドイツで語られている

「ヒトラー伝説」

のひとつ。

実は誕生日とは関係なく、ボアマンが総統のご機嫌を取るために、国税を使って建設させたというのが真実です。

 

このヒトラーの茶室に関する有名な伝説が、もうひとつあります。

それは、

「ヒトラーは高度が怖くて、ケールシュタイン ハウスを滅多に訪問しなかった。」

というもの。

確かにヒトラーは滅多にこの茶室を訪問しませんでした。

全部で10回ほど利用したに過ぎません。

その本当の理由は全く別物。

自分が勝手に始めた戦争のお陰で、この茶室が、そしてベルクホーフからケールシュタイン ハウスまでの道が無防備だったことが原因です。

 

イギリス空軍は戦闘機を一機派遣するだけで、ナチスの上層部を一掃できました。

ヒトラーは防空体制が整っており、総統用地下壕のあるベルクホーフを好みました。

ケールシュタイン ハウス 行き方

ケールシュタイン ハウス 行き方

広大な駐車場の一角に、チケットセンターがあります。

徒歩で行かない方、あるいは

「総統用のエレベーターに乗ってみたい!」

という方は、ここでチケットを購入する必要があります。

大人(14歳以上)は28ユーロ。

往復のバスの運賃と入場料込み。

良心的な価格じゃない?

ネット上ではツアー込の滅茶苦茶高いチケットが売られているので、要注意。

チケットセンターでは、世界中から観光客が来るので、クレジットカード可。

参照 : 入場料

バス乗り場

バス乗り場

チケットを買ったら、およそ30分置きにバスが出ている(*2)。

トイレを済ましたら列に並んで、辛抱強くバスが来るのを待とう。

バスの窓から見える景色は絶景なので、窓際の席を確保すべし。

私は一番前の席を確保したので、前の窓から絶景が堪能できました(*3)。

山道

山道

バスは山道の細い道を、ぐいぐい登っていく。

カーブに来るたびに、

「こんなにデカいバスが曲がれるの?」

と思うが、運転手は慣れたもので、気にしない様子。

ご覧の通り、バスがすれ違うスペースがありません。

そこで中腹に一か所、

「すれ違い出来場所」

を設置、ここで上から降りてくるバスを通してから、登っていきます。

8合目の駐車場

8合目の駐車場

バスは8合目にある駐車場まで行ってくれる。

バスから下りたら、窓口で帰りのバスを予約する必要がある。

見るだけなら2時間、しっかり写真も撮るなら2時間半~3時間後のバスを指定するといい。

もっともあくまでも目安なので、

「早めに観光が終わったらバスに乗れない。」

というものではありません。

ドイツではその辺はアバウト、よく言えば融通性があります。

ここから上を眺めると、山頂に建っているケールシュタイン ハウスが見えます。

入り口

入り口

徒歩でも登頂できますが、お金も払ったことだし、楽な方法でいきましょう。

入り口はこちらです。

「1938年建造」

という石碑が誇らしげに掲げられています。

トンネル

トンネル

なんとも見事なトンネル、、。

このトンネルの奥に総統用の超豪華なエレベーターがあります。

壁は真鍮製でピッカピカ。

エレベーターは写真撮影禁止なので写真無し(*4)。

残念。

エレベーターは一気に124mを昇っていく。

ケールシュタイン ハウス 鷲の巣からの眺めは絶景

ケールシュタイン ハウス 鷲の巣からの眺めは絶景

エレベーターを降りると、そこはアルプスの絶景が広がっています。

山頂からの眺めは、当時は独裁者にしか味わえなかった、うっとりとする眺め

 

レストランで休憩なんぞしていないで、人生に一度しか来ないだろうから、忘れることのないように、この絶景をしっかり見ておこう。

少し階段を登った先に展望台が設けられている。

ケールシュタインハウスとアルプスを背景に写真を撮る人で、場所取り合戦が始まっている。

興味があれば雪道を歩いて、山頂まで登ることもできます。

足を滑らしたら、崖の下に転落します。

見ればわかるので、日本みたいに、

「この先危険」

などと書いていません。

ロープも張っていないので、自分で判断してください。

小さいお子さんと一緒に行かれる方は、厳重注意が必要です(*5)。

王様の湖

王様の湖

山頂から見下せる湖は、”Königssee”(王様の湖)です。

ヒトラーの茶室

ケールシュタイン ハウス ヒトラーの茶室

山頂の景色を堪能したら、ケールシュタイン ハウスに入ってみよう。

冷やかすだけ(写真撮影)とトイレだけなら無料だ。

いや、入場料に入っているといったほうが正解か?

内部はリノベーションされて今風の調度品が飾られている。

ヒトラーが座った席

ヒトラーが座った席

一番人気があるのは、エバ ブラウンの姉の結婚披露宴でヒトラーが座った席。

この日も体重が200Kg(一人で)ありそうな米国人が1時間以上も占領してました。

2時間待って、やっと空きました、、。

入り口の看板

ケールシュタイン ハウス 入り口の看板

ケールシュタイン ハウスの入り口看板がかかっている通り、1934年築。

これ、当時の看板です。

不届き者が盗んで、Ebayで売るんじゃなかろうかと心配。

暖炉

暖炉

茶室の片隅には、当時の暖炉も残ってる。

まるで美術館の貴重な絵画のように、立ち入り禁止です!

暖炉の上に罹っている絵、これも当時のまま!

ねらい目は雪の残ってる5月!

ねらい目は雪の残ってる5月!

ドイツに住んでいるなら、ベルクホーフ & ケールシュタインハウスは掛け値なしに行く価値有り!

でもこの地方は、ドイツでも有数の豪雪地帯。

4月は雪が深くて進入禁止です。

ケールシュタインハウスは、毎年5月に雪解け具合を見てオープンします。

そこでねらい目は雪の残っている5月。

でも、相応の靴が必要です。

5月、あるいは10月に訪問される方は、もう(まだ)オープンしているか、ホームページで確認してから旅行の計画を立てよう。

注釈

*1  ドイツ語で言うならAdlerhorst

*2      20分置きという解説もあれば、40分置きという解説も。間を取って30分と書きました。

*3    一番前の席は身体障害者用です。車椅子の乗客がいなければ、使用可!

*4      正直に言えば、「ここまできて手ぶらで帰れるか!」とドイツ語が読めない観光客のフリをして盗撮。が、見るに見かねる写真でした。

*5       子供が怪我をして、「危険の標識がなかった!」と州を訴えても、「両親が監督義務を怠った。」と、藪蛇になるだけです。

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