コルマール (日本語)、ドイツ語ではコルマー、フランスの地元民はコルメーア、と国により呼び方が異なるこの街は、アルザス(エルザス)地方にある人口7万人の町。アルザスではシュトラースブルクとミュールハオゼンに次ぐ第三の都市。

観光局によると「アルザス ワイン街道の首都」と呼ばれています。

通常は過大広告だったりしますが、本当に綺麗です。フライブルクに留学して「なんて美しい街!」と思われた方、コルマールはフライブルクよりもはるかに綺麗です。

街の紹介 – コルマール

ドイツの都市は戦争の被害が大きかった上、戦争の災禍を逃れた中世の頃から続く家屋は、「もっとモダンな家屋にしよう。」とブルドーザーで壊されて、コンクリートのつまらない街になってしまいました。

その代表的な例がケルンやフランクフルト。フランクフルトに至っては古い家屋を取り壊した後、「やっぱり昔の方がいい。」と取り壊した家屋をまた再現したのが、観光名所になっているレーマーと呼ばれる市役所前広場です。

そんな街の姿を見ると、「戦争前の街の姿が見えたなら、さぞ、綺麗に違いない。」と、残念で仕方ありません。その願いが叶うのが、ユネスコから世界遺産都市に指定されているバンベルクレーゲンスブルクです。

ところがその他にも願いが叶う街があります。それはかってドイツ人が建設したアルザス地方の街です。フランス人は、「新しい鉄筋コンクリートがいい。」なんて言わず、古い家屋を大事に保存してきました。

奇しくもフランス領となったお陰で、ドイツの古い町並みがアルザスに残ることになりました。その代表例のひとつがこのコルマールの街です。

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

コルマール への行き方

フライブルクに留学している方なら、比較的簡単です。車で1時間ほどでいけます。電車で行くとなるとちょっと面倒で、大回ルートしかないので、2時間以上かかります。というのも先の戦争でフライブルクーコルマール間の線路が壊され、今日になっても復興されていません。

そこで電車で行く場合は、フライブルクから国境町のブライザッハ / Breisach まで出ると、ここからコルマールまでバスが出ており、50分ほどで到着します。

参照 : suedbadenbus.de

このため、車で行くのが一番便利です。

最寄り空港

最寄空港はバーゼル空港ですので、日本から行く場合は、バーゼル空港で車をレンタルして向うか、あるいはバスで。

参照 : Flexibus

バスは遅延も多いので、旅行計画は時間の余裕をもって立てましょう。

街の歴史

8世紀の書簡にラテン語で”Columbarium”と記述されているのが、町に関する最古の記録です。13世紀の初頭になると町を防御するために、町の周囲に巡って城壁が建設されます。

城壁の完成後、町に昇格して神聖ローマ帝国の “Freie Reichsstadt”(自由帝国都市)に昇格

自由帝国都市の象徴は”Koïfhus”と呼ばれる、かっての関税局の入り口に残っています。その後、町では手工業が栄えて次第に豊かになっていきます。お陰で市内には立派なカテドラルや教会、修道院が数多く建てられ、お金持ちになった商人は見事な屋敷を建造、今の町の姿になっていきます。

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

中世から近代へ

30年戦争ではプロテスタント派のスウエーデンがコルマールまで軍を進めて篭城、陥落させます。30年戦争の末期にはフランスの王がコルマールを占領、その後の講和条約でコルマールはフランス領になります。

その後、ここにエルザス地方議会が置かれて政治的な意味が増します。19世紀には綿工業が栄えて、コルマールは一気にお金持ちなります。

1871年、プロイセンがナポレオン三世を破ってパリでドイツ第二帝国の樹立を宣言。このときの講和条約で、エルザスとロートリンゲンはドイツに割譲されることになり、コルマールはドイツ領に戻ってきます。

第一次大戦でドイツが敗北すると、エルザスとロートリンゲンは再びフランス領となります。第二次大戦中、フランスはドイツに降伏したので1940~45年までドイツ領に。しかし1945年のドイツの降伏でコルマールはこれを最後にフランス領になり、今日に至っています。

コルマール 観光 – アルザス ワイン街道の観光名所17選!

何度か戦争の舞台になったものの、第二次大戦の主戦場から外れていたため、コルマールの旧市街には中世からルネサンスにかけての立派な市民の家(”Bürgerhaus”)が数多く残されています。

伝統を大切にするフランス人のお陰で、街が交易と手工業で栄えた頃の栄華をうかがい知ることができます。

街が(ワインを除くと他の産業がないので)「観光業で生きていく。」と70年代決めてから、焼け落ちていた家屋も昔の姿に再現されて、観光資源が整備されています。小さい街ながら観光名所が多いので、町を全部見るなら、1日かかります。

そんな時間のない日本人観光客の為に、何度か足を運んで見所の観光名所を17に絞りました。

1. コルマール関税局 Koïfhus

コルマール旧市街で有名な観光名所ひとつが、”Koïfhus”と呼ばれるかっての関税局です。なんと15世紀の建造物です。当初はゴシック様式で建設されましたが、ルネサンスの時代には改装されて、今の姿になりました。

中世の建設物らしく、高い屋根が象徴的です。またその屋根の瓦が綺麗!まるでウイーンのステファン大聖堂のような飾り瓦です。地上階はコルマールに運び込まれた物品を税金を払うまで保管しておく場所で、1階(日本で言う二階)では町議会が開かれました。

おフランスでは戦術的に大事な場所には「これでもか!」というくらいに花が生けられているので、絵になります。

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

2. シュヴェンデイ井戸 / Schwendi Brunnen

「関税局」の向かいにある噴水は、シュヴェンデイ井戸 /”Schwendi Brunnen”です。銅像のモチーフになっているのは”Lazare von Schwendi”だ。シュヴェンデイは神聖ローマ帝国に軍人として仕えた人物。

ハンガリーまで「イケイケどんどん」で快進撃を続けてきたとトルコ軍を撃退して、ハンガリーの大部分をトルコの支配から解放した功績者。

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

3. 花で飾らたコルマール旧市街

夏にコルマールに行くと、町の運河に沿って、「これでもか!」といわんばかりに、花で飾られています。昼は勿論ですが、夜歩いても運河がライトアップされていて、とても綺麗です。

そして見事な骨組みが組まれた骸骨屋敷が立ち並び、何度訪問しても飽きることがない景観を醸しだしています。

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

4. フラメンクーヘン / Flammkuchen

この辺りにはレストランも多いので、一番賑わってるレストランに入りエルザスの郷土料理、フラメンクーヘン /”Flammkuchen”を注文しました。「どうせドイツ料理」と期待していなかったせいか、おいしかったです。

「水もください。」と注文すると、ドイツでは2~3ユーロもする水がアルザスでは無料!それも1リットル以上入った水瓶が運ばれてきました。お会計は9.80ユーロなり。

フラメンクーヘン / Flammkuchen

朝、パン屋の前と通るとおいしそうな菓子パンがずらり。アーモンド クロワッサンに目が釘付け。安い!アウグスブルクより1ユーロも安い!流石、本場のおフランス。 時間があれば、是非、試してみたいです。

5. フィスター家 / Pfisterhaus

関税局に戻ります。もっとも裏側ですが、その向かいには立派な屋敷があり、その奥には裁判所(16世紀建造)があります。「あ、ここも綺麗。」と歩き回っていると、きりがないので省略します。人気の観光名所への「入り口」には骸骨屋敷が目白押し。

その先にあるのが絵葉書のモチーフになってる”Pfisterhaus”。建造されのは16世紀で、その後、何度か所有者が(頻繁に)変わります。その度にいろんな装飾が施されて、今の姿になりました。

19世紀末にかっての帽子職人で、銀の売買でお金持ちになったフィスター /”Pfister”という商人がこの家を購入。これが理由でフィスターの家と呼ばれています。ここはいつも観光客が記念写真を撮っている観光(撮影)の難所のひとつ。

フィスター家 / Pfisterhaus

今回は真夜中にホテルを抜け出して、夜間撮影で挑戦してみました!

6. コルマールのマルチン大聖堂 / Martinsmünster

このすぐ裏に通称、マルチン大聖堂 / Martinsmünster と呼ばれるミュンスターがあります。名前からもわかる通り、聖人のマルチンを祭っています。

今、この大聖堂が建っている場所にすでに大きな教会が建っていたのですが、13世紀にバーゼルの大司教が、この教会を格上げ。お金持ちのコルマールはこれを機会に、「もっと立派な教会に作り直そう!」と取り壊し & 新築が始まります。

完成するまでに130年もかかる大事業でしたが、14世紀の中ほどに完成。ゴシック様式の見事な建造物。一度、火事に遭いましたが、焼けたのは塔の部分だけで済んだのが幸い。この部分は当時(16世紀)に流行りの、ルネッサンス様式で再建されました。

大聖堂と言うだけあって大き過ぎてレンズに収まらず、「ああでもない、こうでもない。」といい角度を探してミュンスターを一周。裏の駐車場からならなんとか収まりました。夜も綺麗なので、夜間撮影もお忘れなく。

マルチン大聖堂 / Martinsmünster

7. アドルフ家 / Das Haus Adolph

教会の向かいにある立派な建物は(写真中右)は、”Das Haus Adolph(アドルフ家)と呼ばれ、14世紀の建造。コルマールでも最も古い建物のひとつです。その特徴は、16世紀に改築された際に付け加えられたまるで教会ような窓。

家の持ち主が信心深い人だったようです。家の名前の由来は、19世紀にこの家に住んでいのがアドルフ一家だったので、この名前になりました。

アドルフ家 / Das Haus Adolph

8. 旧交番/ ehemalige Polizeiwache

アドルフの家の隣が、石作でこれまた見るからに古い!16世紀に建造されたまるでお屋敷のような建物は、一時はコルマールの市役所として使われていたこともあるほど立派な作り。その後は市場や裁判所としても利用されました。

見事な石堀の彫刻が施されたのバルコニーから判決が読み上げられたと、コルマールの歴史に記述されています。その後は軍隊の司令部になり、最後は警察の派出所として利用されたので、旧交番と呼ばれています。

旧交番/ ehemalige Polizeiwache

9. ドミニク教会 / Dominikanerkirche

立派な大聖堂があるのに、100mほど離れた場所に巨大なドミニク教会 /”Dominikanerkirche”があります。名前からわかる(?)通り、かってのドミニク派の修道院です。13世紀に工事が始まって、14世紀に完成。

この教会には、有名な14世紀の彫り物「薔薇の垣根のマドンナ」が飾られています。「折角だから見ていこう!」と思ったら、入場料が要るのでUターンしてしまいました。入場料の必要な教会はこれが初めて。おそらく有名な彫刻の見物料だと思われます。

参照 : tourisme-colmar.com 入場料2ユーロ 子供半額

そこで外から撮影することに。が大き過ぎて、どちらから撮ってもレンズに収まりません。35mもあるそうです。

ドミニク教会 / Dominikanerkirche

10. ウンターリンデン修道院 / Kloster Unterlinden

その先に見るからに古い、石作りの建造物があります。13世紀に建造されたドミニク派の修道院で、ウンターリンデン修道院 / Kloster Unterlinden です。ドミニク派の修道院としては最古の修道院のひとつに数えられます。

現在は博物館としても利用されています。

ウンターリンデン修道院 / Kloster Unterlinden

ウンターリンデン博物館 / Musée d’Unterlinden

コルマールの博物館は、ウンターリンデン修道院に入っています。中世の時代からルネッサンス時期までの宗教関連の作品が数多く陳列されています。人口7万人の街の博物館にしては立派すぎます!関心のある方はどうぞ。

参照 : musee-unterlinden.com 入場料4,5ユーロ 子供半額

ちなみにこの日は改修中でしたので、閉館中。

博物館 / Musée d’Unterlinden

11. コルマール 市営劇場 / Théâtre municipal de Colmar

博物館の横は、19世紀にイタリア様式で建造されたコルマールの市営劇場があります。2000年に修復されて、今の立派な姿になりました。

市営劇場 / Théâtre municipal de Colmar

博物館の横の道路を少し下ったその先には、またしても巨大な教会が見えてきました。人口7万人の町に、こんな立派な教会が何軒も必要なんだろうか。

12. 首の家 / Kopfhaus

博物館の後ろに運河が流れており、その先の建物がこれまた凝っています。観光客を吸い込むような路地があるので、ついつい足が向いてしまいます。この辺りに建っているのが、”Kopfhaus”(首の家)。

裕福な商人が、教会建設で有名なドイツ人の建築家に設計させたもの。建造されたのは17世紀初頭。なんでも106個もの首が装飾として施されているので、この名前が付いたそうです。

首の家 / Kopfhaus

13. 博物館 / Das Hansi Dorf

首の家の近くに”Das Hansi Dorf”という博物館になっている立派な家があります。アルザス出身の芸術家、”Jean-Jacques Waltz”、通称、”Hansi”の作品が展示されています。中にはアルザスのお土産も販売されているので、お土産をお探しの方は、是非、除いてみてください。

参照 : radfahrenimelsass.de

博物館 / Das Hansi Dorf

14. 皮なめし商の家屋

最後にとっておいたのが、コルマール観光の目玉の運河に並ぶ綺麗な骸骨屋敷群。関税局 / Koifus 近辺の骸骨家屋は、かっての皮なめし商の家屋です。

観光客が一番多く通りなので、お土産屋、レストランが連なり、一人でも多くの観光客を呼び込もうと、装飾がものすごいです。

その向かいに立ち並ぶ、真っ白の漆喰の巨大な建物群は、お見事としか形容する言葉が出てきません。

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

15. コルマール市場 /  Markthalle

運河沿いに建ち並ぶ骸骨屋敷、装飾の派手な家に感嘆しながら歩いていくと、先に観光客が素通りする大きな建造物が見えてきます。私も最初は素通りしましたが、実はここはコルマール市民の買出しの場 / Markthalle です。

日本で言えばスーパー。中には20件ほどの個人経営の店舗が入っており、おいしそうなものが並んでいます。「朝食を食べずに来ればよかった!」と思うも、後悔先に立たず。次回は朝食なしでホテルを予約しよう!

コルマール - アルザス ワイン街道の観光名所17選!

トイレもあるので、是非、足を運んでください。この横に並ぶのが魚師の家です。

16. コルマールの観光名所 – 漁師の家

市場の後ろの運河沿いには、漁で取れた魚をすぐに市場で売れる利便さから、かっての漁師の家が密集しており、コルマールきっての観光名所となっています。18世紀初頭、その内の一軒から出火。あっと言う間に火の手が広まり、40もの家屋が焼け落ちました。

漁師の家

今の姿に復興されたのは70年代になってから。道理で綺麗なわけだ!大金を使って復興しただけのことはあり、今ではコルマール観光の目玉。昼は観光客で埋め尽くされて(ここも中国人が独占)、写真を撮る場所の奪い合いです。

でも夜は観光客もおらず、独り占めにできます。あるいは昼間、長時間露出するとほぼ観光客の姿が消えます。

漁師の家

17. コルマール観光のハイライト – 小ベニス / Petite Venise

この運河沿いがコルマールで一番有名な観光名所、”petite Venise”(小ベニス)です。が、橋が工事中。唯一のアングルが使えず超~ショックでした。翌年再訪。工事がなくとても綺麗でしたが、今度はお天気が優れず、少々消化不足。

ベニスを真似て、コルマールでも小さなボートで街を見て回ることができます。乗り場はまさにこの写真を撮った場所。そんなに多くの人が待っているわけではなく、すぐに乗れます。大人は6ユーロ。30分ほどで1周できます。

コルマーの運河に浮ぶ観覧船

この先が町の端/入り口です。コルマールをシュトラースブルクからの攻撃から守った町の英雄、”Vogt Jean Roesselmann”の銅像も噴水と一緒になって「滅茶苦茶小さいベニス」の入り口を飾っています。

この他にも名所がたくさんあり、写真もたくさん余っていますが、この程度で辞めておきます。ここで紹介できていない観光名所がたくさんありますので、それは実際にコルマールを訪問した際のお楽しみ!

何処に泊まる?

私が泊まったのは、メルキュールホテル。滅茶苦茶、古かったです。翌年行くと取り壊されて、瓦礫の山と化してました。このホテル、公園の前にあるので静かだと思ってら、部屋は通り側。夜間、騒音が気になって、ほとんど寝れませんでした。

街にはもうひとつ、ウンターリンデン博物館の近くにメルキュールホテルがあります。こちらはさらに大きな通りの前にあるので、騒音が心配。

そこで車の交通量が多くなく、それでも観光名所に近いホテルを探すとLe Marechal 。このトップページの写真に写ってる建物。でも運河が見える部屋は、高い部屋だけ。だっやらル・コロンビエでもいい。

コルマール 近郊

人口から言えばコルマールはフライブルクの1/3。でも観光名所は比べ物にならないほど多く、エルザスのお宝です。もっともコルマールを見たら、車でわずか15~20の距離にあるリクヴィールリボヴィレ、エギスハイム、それにカイザースベルクも見ておきたい。

フランスで一番綺麗な村と表彰されたこともあるほどで、16世紀のまま村が保存されています。

最後には70Km離れている世界遺産都市シュトラースブルクも見ておきたい。そうそう。日本では「エルザス伝説」が存在しており、「エルザスではドイツ語も通じる。」と語られています。通じませんです。

パン屋ではドイツ語はおろか英語も通じず、フランス語だけ。ホテルでも不可。レストランにドイツ語のメニューがありましたが、街中では通じません。

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