ドイツで滞在先を探す には、日本同様にまずはネットで物件を検索することから始まります。日本と違うのは、大家がネットに賃貸物件を上げている点。大家と直接賃貸契約を結べば、不動産屋に払う高い手数料が節約できます!

ドイツで滞在先を探す

2014年、ドイツで民法の改正がありました。これにより「不動産屋に払う手数料、家賃の2ヶ月分+付加価値税の19%!は、不動産屋に仕事を依頼した側が払う。」と規定されました。

すなわち不動産屋に行き、「物件を探してください。」と頼むと、手数料を払うことになります。例外は大家さんが不動産屋に、「賃貸人を探して。」とすでに依頼している場合。このケースでは仕事を依頼した大家さんが、手数料を払います。

日本だと大家さんが不動産屋に仕事を依頼したのに、その手数料を払うのは賃貸人。しかしドイツではそのような不合理は法律で禁止されたのでなくなりました!

当然、できれば大家と直接、契約したいですよね。どうすれば大家と賃貸契約できるのか、その際の注意点など、以下にドイツの一般的な賃貸事情についてご紹介いたします。でもその前に、、。

賃貸詐欺に注意!

ドイツに留学される方の最大の悩みが滞在先の確保です。ネットで空き物権を検索してメールで問い合わせても、まず返事が来ません。返事が来るのは一等地にあるのに、とても安いアパートの大家だけ。そう、これは賃貸詐欺です。返事が来て嬉しくなりますが、現実はそんなに甘くはありません。

「返事が来たんですが、本当に詐欺でしょうか?」

詐欺の手口はほぼ同じなので、見分けやすいです。「ドイツの薬品会社で働いていた際にアパートを買ったが、転勤でスペインに住んでいる。」とか、「ドイツの叔父の遺産で所有しているが、ロンドンに住んでるので賃貸人を探している。」という、不動産を所有することになったお決まりのパターン。

「ついては見学できるように鍵を送るから、この口座まで保証金を送金しれくれ。」と、スペインや脱税天国の口座番号を連絡してくること。アパートの見学で保証金を取るのは違法ですので、どんなに遅くてもここで詐欺を気付く筈。

もうひとつの詐欺の特徴として、ほとんどの不動産詐欺者は英語で連絡してきます。ドイツで滞在先を探す 人が多いので、都市部のアパートは奪い合い状態です。これげ原因で詐欺師が活躍する土壌ができています。

 

アパート / Wohnung/Appartment

やはり一番快適なのが、一人で気軽に住めるアパートですが、費用的には一番高くなります。ドイツでも日本と同様に、「家具なし」物件が一般的です。日本と違う点は、キッチンが備わっていない事。キッチンが入る場所には排水口だけ。浴槽には鏡も照明もありません。そして下駄箱も収納スペースもなし。

そこでアパートの契約を済ませると、まずはキッチンを購入することから始まります。そして照明を各部屋に取り付けますが、日本のようにワンクリック式ではありません。コンクリートの天井にコンクリ専用のドリルで穴をあけ、ここにドイツで発明された留め具、”Dübel”を押し込んで固定します。

参照元 : Wikipedia

私はいつも知り合いの職人、”Handwerker”に頼んでいました。友人価格で。そんな知り合いがいない場合、ネットなどで職人を探すことになりますが、プロの時給は17ユーロ。大体、2000円です。いい職人だとこれに移動費込み。悪い職人に当たると、50ユーロの移動費を請求されます。

私が70平米のアパートに引っ越した際の初期費用は、7000ユーロでした。さらには大家さんに払う保証金が家賃の3か月分。ざっと言えば1万ユーロあればなんとか足ります。勿論、小さなアパートを借りればもっと安くつきます。初期費用を抑えたい方は、シュアハウス、”WG”を探しましょう

家具付き物件

中には短期滞在者をターゲットにした家具付き物件もあります。そのような物件は、家具付き”möbeliert”と書かれています。キッチンや照明は言うに及ばず、机、椅子、冷蔵庫、ベットなどが付いていますが、家賃が3割程度高めに設定されています。

又、家具のついていないアパートでも、前の住人がすべての家具を持って移動するのは不可能なので、家具の買取などの取引が必要になる事もあります。運よくキッチンを安く売ってくれればラッキーですが、ドイツ人はキッチンをとても大事にしているので、引っ越しの際は分解して持っていく人が多いです。

アパートの探し方

アパ-トを探す最も一般的な方法は、インターネットです。大学生なら大学での張り紙を見て連絡を取る方法もありますが、やはりメインはインターネット。勿論、不動産業者を通す方法もありますが、不動産業者もインターネットで物件を掲載していますので、インターネットで探すのが一番早いです。そこでインターネットに掲載されている物件を見て、アパートを探す事になるのですが、これがなかなか大変です。

メールでコンタクト

基本的にドイツ人は、見知らぬ人からのメールには返事をしません。ましてやそれが英語で書かれていたり、明らかに外国人とわかるつたないドイツ語でかかれていれば、なおさらです。日本でも、「外国人はゴミだしのルールを守らない。」と思われることが多いように、ドイツでも、「外国人はルールを知らないので、トラブルになる。」と思うためです。

とりわけすでにドイツ人の候補者が興味を見せている場合、外国人の問い合わせに返事を書いてくれる人は多くはありません。それでも負けないで問い合わせを送りつづけていると、いつかは外国人に偏見を持っていない人に出会えます。

ドイツに留学、あるいはワーキングホリデーで滞在して自分で滞在先を探す場合、空き物件が多く出る時期が狙いです。ドイツでは大学が始まる前の時期、2月~3月及び、8月~9月にかけ、大学生がドイツを大移動します。この時期は大学卒業の時期でもあり、学生寮、アパートの空きがでる時期ですので、この時期にアパート捜しをするのが理想的です。

物件の見学

そんな大家さんの心配事は、

1.家賃を滞納しないで定期的に払ってくれるかどうか。

2.長く住んでくれる人かどうか。

です。余計な心配をさせないように、アパートの見学にはきれいな服装で(お金がある)、時間通りに行く(約束を守る)事が大切です。約束の時間さえ守れないと、「契約も守れない。」と思われちゃいます。

家賃の落とし穴 – 雑費と暖房費

アパートを借りる場合、家賃の他に雑費 “Nebenkosten”なるものが加算され、これが大家に支払う家賃の総額になります。通常、家賃のみの場合「kalt」と表示され、雑費が入った家賃の場合、「warm」と表示されます。

ここで注意して欲しいのは暖房費です。寒いドイツでは暖房費が馬鹿になりません。雑費に暖房費が含まれていない場合、小さなアパートでも毎月40ユーロ程度の暖房費がさらに家賃に加算されます。これを知らないでいると、春先には驚きが待っています。ドイツでは春先に雑費の年末調整があり、ここで雑費を清算します。

暖房費を払っていない場合、暖房費だけで40×12ヶ月=480ユーロもの請求が来ます。「そんな話は聞いていません!」と苦情を言う日本人も少なくありません。契約する前に、”Nebenkosten”に暖房費が含まれているかどうか、確認しましょう。

Nebenkosten には水道代金も含まれていますが、これは使用量を予想した料金が含まれています。年末には実際に使用した水道量と実際に使った量の年末調整が行われます。ドイツの水道代金は欧州で一番高いので、毎日お風呂に入っていると、年末には水道代金だけで200~300EURもの追加支払い要求が来ることもあります。(倹約家のドイツ人は、シャワーを週に数回しか浴びません。)

これに実際に使用する電気代、アパートによりガス代金が加わって、実際に毎月払う家賃になります。大まかに言えば、管理費、暖房費、それに光熱費で家賃がさらに100EURくらい脹らみますので、家賃について尋ねる場合、kaltとwarmにはよく注意してください。

ドイツのアパート内部

礼金、保証金、連帯保証人

ドイツでアパートを借りる場合の利点は、礼金や家賃保険などという、お金がかかる慣習がない事。直接大家と契約すれば、支払うのは家賃/kaltの3か月分の保証金のみ。鍵の交換が必要な場合は、大家が行います。日本のような抗菌処置費用、火災保険費用、安心サポートサービスパック料金もありません。日本では100万円かかる入居費用が、その半額以下で済みます。

リノベーション

アパートの契約をする場合、アパートのリノベーションに注意してください。ドイツではアパ-トの引渡しにあたって、賃貸人はアパートを借りた状態で返す義務があります。リノベーションされている物件を借りたら、リノベーションして返さなくてはなりません。

湿気で壁にカビが生えていたり、タバコの煙で壁紙がくすんでいたら、壁紙を塗り替える必要があります。リノベーションが終わって大家の厳しいチェックを受け、通常は、「ここはやり直し。」と指摘されますが、これも補修して、ようやく保証金が返却される事になります。

アパートに入居する際に部屋がリノベーションされていなれば、勿論、アパートを出る際もリノベーションをする必要はありません。しかし、こうした事情を知らない外国人の弱みに付け込んで、契約書にこっそり「アパートを出る際はリノベーションをする事。」と条件を書き込む大家も居ますので、契約書のサインには要注意です。

アパートの解約

ドイツでは2005年に最高裁の判決が出て、解約通知期間は契約期間の長短にかかわらず3ケ月になりました。すなわち契約を3月末で解約するなら、1月の第一週までに書面で通告する必要があります。これを怠ってしまい、1月中旬に解約通知送ってしまうと、賃貸人は4月末までの家賃を払う義務があります。

これを回避するには、4月からアパートに入ってくれる人を自分で探す必要があります。又、ドイツではアパートの契約は月の終わりに解約するものです。月の途中の日付で契約を解約する習慣はありません。

ドイツでは裁判沙汰になる一番人気の懸案が賃貸関連です。何が権利でどこまで義務なのか。これは外国人には理解することが難しいので、ここに幾つか記事を書いておきましたので、ご参照ください。

参照元 : ドイツの達人になる

アパートの平均家賃

肝心の家賃ですが、ミュンヘンの家賃の平均値は30㎡までのアパートで23,39ユーロ/㎡(2018年)です。すなわち30㎡のアパートの家賃は702ユーロです。これに雑費が加わると、30㎡のアパートの家賃は850ユーロ/warm。これにドイツの高い電気代が加わります。すなわち30㎡のアパートでも、毎月、900ユーロは最低限必要です。ミュンヘンに住みたいなら。

しかし、皆、ミュンヘンに留学するわけではありません。デユッセルドルフでは家賃の平均値は30㎡までのアパートで13,61ユーロ/㎡です。すなわち30㎡のアパートなら408ユーロ、雑費込みなら560ユーロです。

これはあくまで平均値で、町の中心部はもっと高く、治安の不安な中央駅周辺や外国人が多く住む地域はもっと安いです。「このアパート安い!」と値段だけで決めると、隣が風俗店だったり、飛行機が屋根の上を飛んでいたりと、何かしら落とし穴があります。

「そんなお金はありません!」と、言われる方、ご安心ください。ドイツでは学生が集まってアパートを借り、部屋をシェアするシェアハウスが一般的ですので、このタイプなら(狭い部屋でいいなら)250ユーロくらいから部屋が見つかります。

ドイツのアパートのバスルーム

シェアハウス / Wohngemeinschaft (WG)

最も一般的な学生の生活様式です。3部屋、4部屋とあるアパートを学生が集まって賃貸契約を大家と結び、各部屋をそれぞれ学生たちが使用するわけです。この生活の一番の得点は、比較的コストが安く上がる点です。洗濯機、キッチン、冷蔵庫などアパートの住人で共同使用しますので、空きが出てからWGに入れば、自分の部屋の家具さえ揃えば、あとは何も買う必要がありません。

利点と欠点

この生活の欠点は、やはり共同生活に伴う弊害です。ドイツ人は、自分の家のキッチンなどは毎日磨き上げて、しみなどひとつもないくらいですが、共同生活になるとどうでもいいらしく、キッチンは荒れ放題、トイレに至っては、、、という事もあります。共同生活に慣れていない人は避ける方が賢明かもしれません。

しかし金銭的理由でアパートなど借りれない場合は、仕方ないです。この場合、できるだけ多くのWGを見学して、良さそうな部屋を探す事が必要です。 しかし気に入った部屋(WG)が見つかっても、必ずしも部屋が借りられる分けではありません。

入居面接

日本でも外国人がアパートを借りるのはかなり大変ですから、ドイツ人が外国人の受け入れに慎重になっても、これは無理もありません。当然、部屋を借りる前にWGの住人達の面接があり、これをパスをする必要があります。

学生は外国人に対して偏見が少ないので、比較的、外国人でも部屋を確保し易いです。でも住人が以前に外国人を受け入れて嫌な体験をした後だと「外国人は嫌だな。」「ドイツ語ができないから、意思の疎通ができない。」などの理由で入居を断る場合もあります。

学生寮 / Studentenwohnheim

ドイツの大学の学生寮の部屋が取れれば、最大の問題が解決しますが、そう簡単にはいきません。どこの大学でも、学生寮は順番待ちの学生で一杯です。申請をして早い場合で半年、遅い場合1年以上順番待ちをするのが通常です。さらにドイツ語コースの学生のうちはまだ正規の学生とみなされず、学生寮の申請ができない場合もあります。

ドイツの学生寮では、トイレ、シャワー、キッチンなど共同使用になります。中には部屋にトイレはおろか、キッチンまでついている学生寮もありますが、こうしたハイグレードな学生寮は奨学生、あるいは交換留学生に割り当て割れます。一般の学生がそのようなハイグレードの学生寮の部屋をもらえる可能性はあまり高くありません。

ハイグレードな学生寮では、インターネットも完備されています。ただし違法ダウンロード防止の目的で、違法ダウンロードをした下手人がわかるようにケーブルを使用してのネット接続になります。一般の学生寮では電話回線が部屋まで通っていることが多いので、ここにプロバイダーと契約を結べばインターネットが使用できます。

一般学生向きの学生寮では、4~5部屋でWGを構成する作りの学生寮と、階層ごとに分かれて、その階に住んでいる学生(20人程度)とキッチン、トイレなどを共有する場合があります。後者の場合、盗難が多くなる傾向があります。この為、各自のロッカーが割り当てられますので、皿、鍋、フライパンなどの貴重品(?)はちゃんとロッカーしまって鍵をかけておきましょう。

私営の学生寮

学生寮と言えば、大学が経営しているものと思いますが、ドイツには私営の学生寮も多いです。一番典型的な例が、教会が経営する学生寮。大学の入学許可証があり、入居条件を満たせばキリスト教徒でなくても入れます。

さらには学生組合、”Studentenverbindung”が経営する学生寮があります。中世の頃は学生組合は武装した組織で、町の治安を守る役目も担っていました。その頃から土地や建物を所有しており、今日では組合に参加することを条件に、部屋を借りることができます。

ホームステイ / Gastfamilie

ホームステイを宿泊先に選ばれる場合、すでにドイツ語で会話ができることが望ましいです。会話ができないので、「ホームステイして会話の機会を多く設けて、会話能力を上達させたい。」と希望されている方、ご注意ください。ステイ先の家族もできる限り意思の疎通に努力してくれますが、如何せん、言葉が通じないとストレスになり、関係が悪化します。

意思表示ははっきりすべし!

ドイツで一番嫌われるのは、意思表示をしない事です。「コーヒーにしますか、それとも紅茶にしますか?」と聞かれて、「どっちでも。」と答えると、「この人には意見がないのか?」と、マイナスイメージです。

日本で「気配り」が最も大事な人と付き合う際の長所とされていますが、ドイツ語には、「気を利かす」という言葉さえありません。ですから、我々日本人がいくら気を利かしても、全く通じません。

「郷に入れば、郷に従え。」です。何が欲しいのか、何が嫌なのか、ちゃんと意思表示をする事がドイツ人家庭で楽しい体験をする前提条件です。それには会話できるドイツ語能力が必要ですので、まだ会話ができないうちはホームステイは避けたほうが賢明です。

一番まずい言動

日本人がよくやる言動で一番まずいのが、何を言っているのかわからないのに Ja! と言ってしまう事です。すごく当たり前の事ですが、わからない場合は、「わからない。」 “Wie Bitte?” と何度でも言おう。そうすれば、相手もこちらが理解できていないとわかるから、別の方法で説明しようとしたり、最悪の場合でも誤解が避けられます。

わからないのに、「はい。」というと、そこで了承したとされて契約が成立します。後から、「何を言ってるのかわからなかった。」と反論しても、「だったら、何故、わからないと言わなかったの?」と指摘され、責任問題に発展します。