今回紹介するのは ブラウンシュヴァイク工科大学 です。

と言われても、

「知らない。」

「聞いたことがない。」

という方が大半だと思います。

ドイツには502もの専門大学(工科大学を含む)& 117もの総合大学があります。

その中からよりによって、誰も興味を持たない大学を紹介?

いえいえ。

ブラウンシュヴァイク工科大学には、他の大学にはない得点があります。

ブラウンシュヴァイク工科大学 の紹介

大学の正式名称は、

“Technische Universität Carolo-Wilhelmina zu Braunschweig”(カローロ ヴィルヘゥミナ工科大学 ブラウンシュヴァイク)

という変則的な名前。

大学の創設時の君主の名前を冠しているようだ。

そもそもドイツの工科大学と言えば産業革命時に

「イギリスに追いつけ、追い越せ!」

と創設されたのでアーヘン工科大学、

アーヘン 工科大学 出願要綱 & DSH準備コース

それにミュンヘン工科のように近代になって創設されたケースが多い。

その中でブラウンシュヴァイク工科大学は、ドイツで最古の歴史を誇る工科大学だ。

工科大学だから当然、企業が卒業者の取り合いをしている”Informatik”(情報学部)がある。

この学部はソフトウエア課、車のプログラム課、医学情報課、ロボット情報課など、卒業すれば就職には一生困ることはない専門家を養成している。

かと思いきや、社会学部、建築学部、建築技術学部、生物学部なども提供する総合大学です。

大学の歴史

大学の歴史

ブラウンシュヴァイク工科大学の前身は、1745年に創設された

“Collegium Carolinum”(コレギウム カロリヌム)

 

だとされています。

ブラウンシュヴァイク公爵家の

「教育番」

だった神学者が、お世継ぎばかりか、領内の良家の子供たちに、科学やギリシャ & ローマ文化を伝えて啓蒙する事を提唱。

公爵が

「よかろう。」

とこれを許可。

しかし理想にはほど遠く、古典的な学術内容だったため、学生の数は増えませんでした。

学費を下げて、一般市民にも門戸を開放するも効果なし。

頭を悩ました大学執行部は内部の反対を押し切って改革を行い、製造機械学部、化学部、薬剤学部、森林学部、農学部(後に廃止)を新設します。

総合技術系学校 / Polytechnische Schule

その改革費用を聞かされた公爵は腰ぬかし、

「大学は廃止じゃ!」

と言いますが、州政府は公爵の要求を却下。

こうして

”Polytechinische Schule”(総合技術系学校)

が誕生します。

これが功を奏して、これまでは学生の数は138人(これまでの最高)だったのに、450人もの学生がやってくる人気大学に生まれ変わります。

名前を変更

19世紀、遂にドイツが統一されます。

するとブラウンシュバイク公爵は権力を失い、ドイツ第二帝国が教育のイニシャテイブを取ります。

新ドイツ国家は

「技術革新がドイツの将来を左右する!」

として、ドイツ各地で技術系の大学を推奨します。

その見本となったのがミュンヘン総合技術系学校で、後のミュンヘン工科大学です。

ミュンヘン工科大学 日本人に一番人気の工科大学

これを見本にブラウンシュバイク総合技術系学校は1878年、ブラウンシュバイク工科大学となります。

街の紹介

ブラウンシュヴァイク工科大学 DSH 準備コース

ドイツの左上に、ニーダーザクセンという大きな州があります。

日本では全く無名だが、州の面積ではバイエルン州に次いで2番目に大きな州だ。

ここに住むのはドイツ四大民族のひとつ、本家ザクセン人だ。

東ドイツにもザクセン自由国というのがあるが、ザクセンの本家はこちら。

首都はハノーファー。

ハノーファー ってどんな町?観光する場所はあるの?

そのニーダーザクセン州の第二の大都市が、ブラウンシュヴァイクです。

 

州都ハノーファーの東に位置しており、人口は25万人。

ハインリヒ獅子王の時代に交易の町として大きく発展、あのハンザ都市のメンバーでもあった。

とても羽振りが良く、第二次大戦までは独立したひとつの州(ナチスの時代にはガウ)だった。

が、戦後、ニーダーザクセン州に吸収されてしまった為、

「聞いたことがない。」

と日本では無名の存在。

しかし!

ノーベル賞した本庶氏が

「日本における基礎研究の衰退」

を嘆いたが、ブラウンシュヴァイクはさまざまな研究機関があり、州の予算の9.5%がここで基礎研究に投入されている。

本庶氏も羨む様な環境だ。

その旗手を務めるのがブラウンシュヴァイク工科大学だ。

最寄り空港と行き方

ブラウンシュヴァイクは人口、25万人の街なのになんと空港があります。

そう、ブラウンシュヴァイク国際空港です。

 

国際空港とは言うものの、小さな田舎の赤字空港。

電車の駅はありません。

空港からバスの436番に乗れば、20分ほどで中央駅まで行けます。

もっと接続便の多い空港ならハノーファー空港。

ハノーファー中央駅を経由して、1時間ほどでブラウンシュヴァイク中央駅に行けます。

なんでこんな空港を作ったんでしょう?

市内交通

ブラウンシュヴァイクは人口、25万人の街なのに路面電車が走っています。

全部で5路線。

わかりやすく1~5の番号で表記されています。

一方、3桁の番号で表記されているのはバスです。

ドイツの標準語発祥の地

ドイツの標準語発祥の地

ブラウンシヴァイクは、日本の大学で

「ドイツの標準語」

として教えられる

“Hochdeutsch”(高地ドイツ語)

の発祥地。

厳密に言うと事実ではないのですが、大方の人は聞き取りドイツを話します。

もっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧あれ!

ドイツ語の達人になる – 日本語を直訳しては駄目!

ブラウンシュヴァイク工科大学 正規留学

ブラウンシュヴァイク工科大学 正規留学

では皆さんの興味のあるブラウンシュヴァイク工科大学への正規留学の方法を解説していきます。

まず大学には2万人の学生が在籍しています。

日本なら

「日本一の規模」

ですが、ドイツでは工科大学として中規模の大学です。

ブラウンシュヴァイク工科大学はエリート集団、

“TU9”

の構成員でもあります。

参照 : TU9

入学資格 – ブラウンシュヴァイク工科大学

そもそもドイツの大学に入学するには

「ドイツの大学入学資格」

を満たしている必要があります。

これはブラウンシュヴァイク工科大学でも同じ。

しかしながら、これを日本の大学入学資格と混同される方がとても多いです。

そこでこちらで詳しく解説しておきました。

出願される前に、是非、ご覧ください。

ドイツの大学に正規留学 – 日本人がこぞって犯す失敗とは?

建築学科 / Architektur

ブラウンシュヴァイク工科大学には、71もの専攻があります。

参照 : 専攻一覧

 

この中からちょうど先日、お問い合わせをいただいた

“Architechtur”(建築学科)

について紹介したいと思います。

建築学校をクリックすると、このような画面になり

ブラウンシュヴァイク工科大学 建築学科

一番大事な点はここに書かれています。

すなわち

  • バチラー課程を終えるまで6ゼミ。
  • 講義はドイツ語。
  • 出願は冬ゼミのみ可能で、出願(入学)制限

という内容です。

工科大学のホームページは見やすくていいですね。

紹介する側でも大いに助かります。

では出願方法はどうなっているのでしょう?

出願方法

出願方法はページ中の

“Zugangsvoraussetzungen und Bewerbung”(入学条件と出願)

というメニューに書かれていますので、クリックしてください。

すると、

“zur Bewerbung”

というボタンがあります。

ここをクリックすると、

「オンライン出願画面」

が表示されます。

出願書類の準備ができるている方は、すぐにここから出願できます。

そうでない方は画面中、右側の

“Bewerbung -ABC”

にてどんな出願書類が必要なのか、詳しく見ることができます。

出願書類

出願書類はクリックするだけなので、ご自身でお読みください。

質問
教えてもらえないのですか?

 

ご自身で読めない方は、大学出願サポート(有料)にお申込みください。

審査料金 / Bewertungsgebühr

気になったのは、

“Bewertungsgebühr” という見慣れない言葉が。

そのまま訳すと審査料金です。

すなわち大学入学を本当に満たしているか、その審査をする料金がかかるようです。

審査が必要なのは外国人だけなので、審査料金を払うのも外国人だけ。

その料金は70ユーロです。

ブラウンシュヴァイク工科大学 DSH準備コース

通常、工科大学、芸術大学、音楽大学などでは、DSH準備コースを提供していません。

大学の規模が小さいので、そのようなコースを儲けると大学の予算を圧迫するからです。

これが理由でドイツ語コースを設けているのは、学生の数が多く、予算も豊富な総合大学です。

ブラウンシュヴァイク工科は工科大学ながら、ドイツ語コースを設けている珍しいケースです。

コースのマイナス面

ブラウンシュヴァイク工科のDSH 準備コースには、マイナス面もあります。

ますはその費用。

7週間のコース費用が1010ユーロ。

語学学校に通うのと大差なし。

加えて宿泊施設の手配・紹介をしてくれないので、

「大学のドイツ語コースはないと嫌!」

という方か、すでにブラウンシュヴァイクに住んでいる方向きです。

コースの応募資格

数年前まではブラウンシヴァイク工科大学のDSH 準備コースに初級・中級レベルがありました。

残念ながら廃止されました。

今あるのはC1レベルのみです。

以下に表形式でコースの詳細を解説いたします。

レベル

上級(C1)

期間

年間を通して実施中

授業時間

週25時間

クラス定員

15~20人

申し込み期限

コースに空きがあれば、いつでも可

コース費用

1010ユーロ(教材費込み、175授業単位/7週)

出願手数料

75ユーロ

応募資格

出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております

応募書類

出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。

宿泊施設

こちらのコースは、コースだけの提供になりますので、ご自信でお部屋を探していただく必要がございます。

出願結果

入学条件を満たしている方は、願書に記入して返信、コース費用を送金すれば入学できます。

その他

お申し込みにはPC用のメールアドレスが必要です。携帯のアドレスは不可。

ビザ取得用のコンファーム(入学許可証)が必要な方は、コース費用に加えて75ユーロの手数料がかかります。

送金後のコースのキャンセルはできません。

大学出願サポート

ブラウンシュヴァイク工科大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。

しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、

「ホームページを読んでくれ。」

とだけ書かれています。

そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。

こちらは有償のサポートになります。

出願に関して不明な点などは、当社にて回答させていただきます。

これまで2001年以来、何度もお客様の出願をしてきましたので、大学が出願者に何を要求しているか、熟知しております。

出願サポートの詳細は、こちらをご欄ください。

大学出願サポート – ドイツの達人があなたの出願をお手伝い

大学出願関連 質問集

皆さん、初めて ブラウンシュヴァイク工科大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。

ほぼ毎日、大学出願に関するお問い合わせいただきますが、その内容はいつも同じもの。

そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。

お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。

大学出願質問集 – 正規留学 & 入学資格に関して