フランクフルト大学 は、ヘッセン州の州都フランクフルトにある大学です。
それもただの大学じゃない!
4万3000人もの学生が在籍するドイツで第三の規模を誇る総合大学です。
巨大な大学なので、キャンパスは市内5か所に散在しています。
メインのキャンパスは旧市街の左上、高級住宅地で知られる
“Westende地区”
にある贅沢な大学です。
いろんな学科、学部があるので、きっとお探しの専攻が見つかる筈。
そこでどうすればフランクフルトに入学できるのか、入学資格から出願手順まで、紹介していきたいと思います。
目次
フランクフルト大学 ドイツ第四の規模を誇るマンモス大学
大学の正式名称はとてつもなく長く、
“Johann Wolfgang Goethe-Universität Frankfurt am Main”。
と言います。
あまりに長いので正式名称で呼ぶ人間はおらず、大学関係者は”Goethe-Uni”、あるは”GU”と略(*1)。
この略称を大学外で使うと、
となります。
ドイツは勿論、日本で略称を使うのはやめておきましょう。
ドイツの大学に頻繁にみられる傾向、
「有名人を大学の名前に加える。」
は、実はこのフランクフルト大学が始まりです。
設立時は、
「マイン河畔フランクフルト王立大学」
という名前でした。
ところが第一次大戦の敗北で君主制度が廃止になると、
「王立」
じゃマズイ。
そこでフランクフルト生まれの一番の有名人の名前を冠することにしました。
大学の特徴
フランクフルト大学は、
“Naturwissenschft”
すなわち、化学、生物、物理分野の研究で名高い大学です。
大学に隣接しているマックスープランク研究所は、ドイツを代表する研究機関のひとつですが、大学と密接な関係にあります。
この共同研究により、癌治療の定番になっている放射線治療が確立。
最近では量子物理学の研究で大きな進歩を達して、ノーベル賞まで受賞するほど。
フランクフルト大学から輩出されたノーベル賞受賞者は18名。
その多くが物理と化学の分野での受賞者だ。
大学設立まで
フランクフルト大学設立の計画は古い。
最初の試みは14世紀に、
「パリ大学をフランクフルトに移籍させよう。」
という試みが行われた(*2)
次は17世紀。
フランス軍によってハイデルベルクが破壊されると、大学の関係者がフランクフルトに逃げてきた。
これを利用して、
「ハイデルベルク大学 フランクフルト分校」
を設置しようとした(*3)。
19世紀にはフランクフルト大公が実際に大学の前身になる学校を設立するも、ナポレオンに占領されてフランクフルト大公国が消滅。
学校も閉鎖される憂き目に。
王立 フランクフルト大学
フランクフルト大学の創設の尽力者は、市長のアデイケス氏。
氏は大企業の誘致だけではなく、高い教育を施す機関(大学)が、地域の活性化に欠かせないと確信しており、同志の輪を広げていった。
しかしベルリンの新しい新政府は、フランクフルト大学の創設に反対。
その理由は、
「ドイツにはもうこれ以上の大学は要らない。」
「近郊にあるジーゲン大学、それにマールブルク王立大学の妨げになる。」
というもの。
こうした議員の反対にもかかわらず、皇帝ヴィルヘルム二世は1914年、フランクフルト大学の設置を許可。
設立時の名前は、
“Königliche Universität zu Frankfurt am Main”
短く言えば、王立フランクフルト大学です。
改名
そのフランクフルト王立大学が、
“Johann Wolfgang Goethe-Universität Frankfurt am Main”
になったのは、第一次大戦の敗北が原因です。
民衆の力で王政を廃止したので、王立大学はすべて廃止になりました。
これに伴い大学はフランクルト市が管理する大学になり、名前はフランクフルト大学に変更。
ここで辞めとけばいいのに、1932年、ゲーテの名前を大学に冠する事をプロイセン省(*4)に申請、これが認可されたので、
「ヨハン ヴォルフガンク ゲーテ マイン河畔のフランクフルト大学」
という正式名称になりました。
街の紹介
フランクフルトはデユッセルドルフに続き、二番名に日本人の多い街。
日本人の間でも知名度が高い。
人口はほぼ77万人。
ケルンに次いで人口が多い、ドイツで第五の都市だ。
ドイツ、そしてEUの金融の中心地で、”Brexit”により得をした街のひとつ(*5)
銀行が多いので、ドイツで唯一、高層ビルが林立する街。
インフラの良さも手伝って、日本人にはそこそこ人気な街です。
物価と治安
銀行が多い ⇒ 高給取りが多い
すなわち家賃はとても高いです。
30㎡までのアパートの平均家賃は20,35ユーロ/㎡。
ケルンやデュッセルドルフよりも10%高い。
「こんなに家賃が高いなら、お金持ちが多くて治安もいい筈。」
と思いそうですが、治安は決してよろしくありません。
人口10万人以上の街を対象にした犯罪統計で、フランクフルトは常にNo.1。(*6)
インフラ & 交通機関
フランクフルトの魅力はインフラの良さ!
空港から市内まで電車でわずか20分。
ミュンヘンなら倍の40分です!
路面電車や地下鉄、それにバスまで走っているので、公共交通機関で快適に暮らせます。
フランクフルト大学 に正規留学!
ドイツの大学入学資格
そもそもドイツの大学に入学するには、ドイツの大学入学資格を満たしている必要があります。
これは日本の大学の入学資格とは異なる為、
「誤解の元」
になっています。
あなたが果たしてこの資格を有しているか、それは下で説明する
「ウニアシスト」
に出願書類を送り審査を受けることになります。
「その前に知りたい!」
と言う方は、こちらをご参照ください。
専攻探し
フランクフルト大学は総合大学です。
文系から理系まで16の学部の下に170もの専攻があります。
その専攻の一覧はこちら
左側に専攻の名前、それから取得できる学位、右側には主専攻かそれとも副専攻科が記載されています。
右端にある
“Anzeige”
をクリックすればその専攻の詳細がわかります。
フランクフルト大学にはまだ日本学があるんですね。
驚き~。
「英語で学べる専攻はないの?」
とお探しの方は、すべてクリックして個別にチェックしていきます。
Sportwissenschaft / スポーツ学
今回はちょくちょくお問い合わせのあるスポーツ学 / Sportwissenschaft の出願要綱についてみていきたいと思います。
“Anzeige”
をクリックすると、上述のように表示されます。
取得できる学位は”Bachelor”で、学位取得までに必要な(最低)ゼミの数は6。
講義はドイツ語で行われて、出願(入学)は10月からの冬ゼミのみ。
一番下の”beschränkt”とは、
「制限あり」
という意味で入学制限があります。(*7)
外国人の出願方法
入学条件は同じページの下にある
“Besondere Vorausetzungen”
に書かれています。
そこには、
- ドイツの大学入学資格
- ドイツのスポーツ記章の提示
- レスキュー講座(9時間)の受講証明と水泳救助士の記章(銅以上)
- 英語の知識
とあります。
問題は真ん中の2つですね。
ドイツのスポーツ記章
ドイツのスポーツ記章とは、ドイツのオリンピック委員会が授与するものです。
性別、年齢により記章を獲得できる能力が明記されています。
詳しくはドイツのスポーツ記章のホームページをご覧ください。
レスキュー講座(9時間)
ドイツ語で
“Erste-Hilfe-Kurs”
というレスキュー講座(9時間)を受けてることも出願の条件です。
このコースはドイツの街なら
「何処でも」
受けることができます。
詳細、コースの受講地探しは赤十字社のホームページにて。
水泳救助士の記章
水泳救助士の資格は、赤十字社など人命救助を行っている機関が、水泳救助士の教育を施しています。
こちらのケースでも赤十字社のホームページにて必要な能力、記章の取得方法などを知ることができます。
フランクフルト大学 出願手順
EU外の国で大学入学資格を獲得した方、フランクフルト大学への出願は
“Uni-Assist”
経由になります。
その出願手順は、
- 大学にオンラインで出願
- ウニ アシスト/ Uni-Assist に登録、出願
- ウニ アシストがフランクフルト大学に書類を転送
です。
ウニ アシストについては、くわしくはこちらで
ドイツ語の資格
ドイツの大学入学資格を満たすには、以下の方法があります。
- ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、すべての項目で4以上を獲得。
- ドイツ語の検定試験 Telc C1合格証。
- ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-2 に合格する。
- ゲーテ・インスティテュートの検定試験 C1合格証。
入学できる時期
数は少ないですが、夏ゼミ / Sommersemester から始めることができる専攻もあります。
しかしスポーツ学など多くの専攻では、冬ゼミ / Wintersemseter からのみ学業を始めることになります。
出願に必要な書類
詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。
フランクフルト大学 DSH準備コース
フランクフルト大学は大きな大学ですので、DSH準備コースを提供しています。
コースには、1ゼミの期間だけ通うことができます。
コースの締めにDSH試験があり、これに合格すればお好きな大学に正規留学の出願が可能になります。
では以下にフランクフルト大学のDSH準備ースの詳細を紹介します。
コースの詳細
DSH準備コースの詳細は、表形式でまとめておきました!
レベル |
中級(B1,B2)、上級(C1) |
期間 |
夏ゼミ 1月~ 7月 冬ゼミ 8月~12月 |
授業時間 |
8時~15時の間 週20レッスン |
クラス定員 |
記載なし |
出願期限 |
夏ゼミへの出願 12月1日まで 冬ゼミへの出願 6月1日まで |
コース費用 |
705ユーロ/ゼミ |
応募資格 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
応募書類 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
宿泊施設 |
自分で手配 |
出願結果 |
夏ゼミは2月以降、冬ゼミは8月以降、郵便で通知されます。 |
その他 |
お申し込みにはPC用のメールアドレスが必要です。携帯のアドレスは不可。
学生登録料の370ユーロほどが、この他に必要です。 |
大学出願サポート
フランクフルト大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。
しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、
「ホームページを読んでくれ。」
とだけ書かれています。
そこで当社では、出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。
出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。
こちらは有償のサポートになります。
詳細はこちらを御覧ください。
大学出願 質問集
皆さん、初めてフランクフルト大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。
そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。
お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。
注釈
*1 誰も正式名称で呼ばないなら、何故、そんな名前を付けるのだろう?
*2 勿論、失敗に終わりました。
*3 ファルツ選帝侯が遷都をすると、大学関係者も新しい首都に移動してしまいます。
*4 消滅したプロイセン王国の権利や財産を管理する省庁です。
*5 期待していたほど人口の流入はなく、”Brexit”で一番得をしたのはアイルランド、アムステルダム、パリ、そしてフランクフルトです。
*6 2020年だけはベルリンに追い抜かれて、二位の地位に甘んじました。
*7 スポーツは通常、どこの大学でも制限ありです。