ミュンスター大学 はドイツで有数のマンモス大学で、在籍する大学生の数は4万5000人+。
ドイツでは
「そこそこ」
有名な大学なんですが、日本では無名に近い大学です。
でも偶にお問い合わせをいただきます。
一体、何処から聞き知ったでしょう。
この大学に興味を見せる方に共通する点があります。
それはほぼ皆さんが、ミュンスター大学が提供する音楽関係の専攻に興味を見せています。
そこで今回は、日本でも関心の高いミュンスター大学の音楽課程について、解説したいと思います。
でもその前にまずは、大学の紹介から
目次
ミュンスター大学 ドイツでも有数のマンモス大学
ミュンスター大学の正式名称は、”Westfälische Wilhelms-Universität Münster”。
日本語で言えば、
「ヴェストファーレンのヴィルヘルム大学 ミュンスター」
です。
デュッセルドルフから北に100kmほどの場所にあるこの地はかって、プロイセン王国が支配していた
「ヴェストファーレン県」
の県庁所在地でした。
今では州都に君臨しているデュッセルドルフは当時はただの田舎町で、ミュンスターが行政の中心でした。
その県庁所在地にドイツ最後の皇帝、ヴィルヘルム二世が1902年、大学の建設を命じたので、
「ヴィルヘルム大学」
と呼ばれています。
もっとも大学は、
「いや、いや、ミュンスター大学の設立は1773年だよ。」
と主張しています。
確かに当時、大学が建設されたのですが、40年ほどしか存在していませんでした。
今のミュンスター大学は、当時の大学とは直接の因果関係がないので、
「1772年起源説」
には無理があるのですが、どうしても譲れないドイツならではの事情があります。
ドイツ人の心の葛藤
プロイセンの時代は、日本で言えば明治時代。
武力で弱者を虐げて、支配・搾取するのが当たり前の時代。
当時、ドイツはアフリカに植民地を持ち、かなり野蛮な行為を繰り返してきました。
21世紀になり当時の偉人が野蛮人とみなされると、ミュンスター大学でも、
「ヴィルヘルム大学という名前は、ふさわしくない。」
という議論が高まっています。
そこで現在は、
”WWU Münster”
と呼び、ヴィルヘルムは禁句になっています。
だから大学の創設を、1902年とするわけにはいかないんです。
大学が、
「ミュンスター大学の創設は1772年創設」
と言い張るのには、ドイツ人の心の葛藤があるんです。
街の紹介
ミュンスターの街の名前はドイツ語で、”Münster”です。
その一方、ドイツには
“Munster”
という街もあります。
ムンスターの町には戦車博物館があり、キングタイガーも陳列されています。
ウムラオトの点々を忘れると、出願書類が間違った街に行くので、頭の片隅に置いておいてください。
大学のあるミュンスターの街は、人口31万人+の中規模都市。
ドイツでは大学都市、そして何よりも
「自転車の街」
として有名です。
市内には自転車の
「アウトバーン」
が設けられており、信号で止まることなくスイスイと目的地に到着できます。
その分、自転車の盗難もドイツ一。
丈夫な鍵と自転車保険は欠かせません。
街の歴史
ミュンスターの街は、8世紀の終わりにここに修道士が、修道院を築いたのが始まりです。
その修道院、ラテン語で
“monasterium”
が街の名前の起源になりました。
その修道士は9世紀の冒頭、カトリック司祭に任命され、早速、ドームの建設が始まります。
以来、1000年以上に渡ってミュンスターを支配してきたのは、カトリック司教です。
何度か街の支配をカトリック司祭から奪う試みもなされましたが、こことごとく失敗。
反逆者はさんざん拷問されたあとで処刑され、遺体はミイラになるまでドームから吊り下げるという執拗な復讐に遭います。
1648年には30年戦争の講和条約、ヴェストファーレンの平和条約がミュンスターで結ばれます。
プロイセン領
カトリック司祭による恐怖支配は、1801年に終わりを告げます。
そう、新興勢力のプロイセンが
「飛び地」
でしかなかったデユッセルドルフから拡大、ミュンスターを占領しちゃいます。
誰も武力で優れるプロイセンに文句をつけなかったので、プロイセン領に取り込まれ、ヴェストファーレン県の県庁がおかることに。
もっともその後、ナポレオンに追い出されますが、ワーテルローの戦でナポレオンを撃破したプロイセンが再びミュンスターを支配下におさめます。
ノルトラインーヴェストファーレン州
第二次大戦後は占領軍が新しい州、ノルトラインーヴェストファーレン州を創設します。
その州都を軍の司令部があったデュッセルドルフに置きました。
このためミュンスターの役目はなくなり、日本で知名度が低い原因になっています。
とは言え街は長い歴史があり、デュッセルドルフと違って綺麗な旧市街が魅力の街です。
行き方
ミュンスターの最寄空港は、ミュンスター&オスナブリュック空港(FMO)です!
名前から推測できるように、ミュンスターとオスナブリュックの間にある
「原っぱ」
に作られた田舎空港です。
ドイツ人の大好きなスペイン、ギリシャ、イタリア、トルコへの休暇先へ飛んでいるので、一応、国際空港でもあります。
国内便はフランクフルト、シュトットガルト、それにミュンヘンへの便があります。
が、地方空港なので便数は少ないです。
フランクフルト空港から、ミュンスター中央駅まで電車で3時間+。
電車を使用せずにミュンスター空港まで飛ぶと、乗り継ぎに数時間待つことになります。
さらにミュンスター空港からミュンスター市内まで、バスのS50番で30分です。
無理して最寄り空港まで飛んでも、時間の節約はありません。
市内交通
ミュンスターは人口が30万人を超えているのに、路面電車が走っていない珍しい町。
自転車の町ならでは。
自転車に乗らない市民の足はバスです。
ミュンスター大学 に正規留学!
冒頭でも述べた通り、ミュンスター大学は4万5700人の学生が在籍しています。
ドイツで5番目に大きな大学です。
その学生が学ぶ講堂の数はなんと246。
その講堂の大部分はお城広場とドーム広場の間に集中しています。
外国の大学との交流も盛んで、3600人もの外国人学生が在籍。
これは全体の8%を超えており、ドイツの平均の5%よりも高いです。
学部と専攻
ミュンスター大学は総合大学で、15の学部の下に280もの専攻があります。
工学部こそないですが、
- 神学部(カトリック)
- 神学部(プロテスタント)
- 法学部
- 経済学部
- 教育 & 社会学部
- 歴史 & 哲学部
- 文献学部
- 数学情報学部
- 物理学部
- 化学薬剤学部
- 生物学部
- 地勢学部
- 心理 & スポーツ学部
- 音楽学部
と盛り沢山。
神学部がふたつもある大学は、ドイツ広といえど、ここだけ。
文系の専攻なら、大概、ここで見つかります。
入学に必要な資格
まずは基本的な事から。
ドイツの大学に入学するには、
「ドイツの入学資格」
をクリアしていることが条件です。
日本の大学入学資格ではありません。
もしあなたがドイツで
“Gynmanisum”(普通科)
に通っており、ちゃんと修了試験にも合格したら問題なし。
でもそんな方は一人も居ないと思います。
その場合、日本人がドイツの大学に入学するには、
「ドイツの普通科卒業と同等の資格」
を有していることが条件です。
こちらで解説しておいたので、是非、ご参照ください。
Musik und Kreativität /BM
今回は数ある課程の中から、他の大学にはない専攻
“Musik und Kreativität”/ BM
日本語に直せば、
「音楽と創造性」
の出願について詳しく見ていきます。
Musik und Kreativität にはリンクがないので、その横にある
“BM”
をクリックすると、この専攻について以下のような解説が出てきます。
”BM”
って、
“Bachelor of Musik”
の略だったんですね~。
普通なら、
“Musik und Kreativität”
という専攻を取ると、どんな授業で、将来はどんな分野で活躍できるのか、書かれています。
が、ミュンスター大学のホームページには、そんな説明は一切なし。
音楽の何を学ぶ専攻なのか、はっきりしません。
下にある
“Studieninformation”(専攻の情報)
をクリックすると、出願の手順のページが出てきます。
どんな専攻なのか、知りたい方は上記の抜粋に記載されている大学の連絡先に尋ねるしか、方法がなさそうです。
外国人には別のルール?
ゼミの開始/ 入学は、10月の冬ゼミからのみ可能です。
入学制限もなしと書かれています。
気になるのは、
という箇所。
ここをクリックすると、International office のページに移ります。
でも何処にも
「外国人の別のルール」
が書かれていません!
これまで数多くの大学のホームページを見てきましたが、ミュンスター大学のホームページは、マンハイムのバレーアカデミー
に次いで見難いページのひとつ。
片っ端からクリックして、やっと見つけました!
この出願ページの、
ここに
“Bachelor”
“Master”
などの学位が書かれています。
獲得(出願)したい学位をクリックした先のページに、このような見出しがあります。
これは、
「EU外からの出願者」
という意味です。
この見出しをクリックした先に、やっと外国人の出願ルールが書かれています!
出願手順
出願手順のページも、奥の方に隠されています。
やっと見つけました。
こちらが出願手順を解説したページです。
ミュンスター大学では、オンラインでの出願になりますので、ここから出願書類をアップロードします。
出願時期
ミュンスター大学は、イレギュラーな出願時期を採用している奇妙な大学です。
出願の準備を始める前に、必ず出願時期を確認しておきましょう!
ドイツ語の資格
ドイツの大学入学資格を満たすには、以下の方法があります。
- ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、すべての項目で3以上を獲得。
- ドイツ語の検定試験 Telc B2 合格証。
- ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-1 に合格する。
- ゲーテ・インスティテュートの検定試験 B2合格証。
入学できる時期
出願費用
ミュンスター大学は直接大学に出願できるので、 出願審査料はかかりません。
出願に必要な書類
詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。
ミュンスター大学 DSH準備コース
ミュンスター大学は、 DSH準備コースを提供している珍しい大学のひとつです。
日本では、
「大学付属の語学学校」
と誤解されている方が多いですが、付属の語学学校ではありません。
詳しい解説はこちらのページをご覧ください。
コースの詳細
通常、大学のドイツ語コースに通う学生は、正規の大学生とはみなされません。
しかしミュンスター大学では、DSH準備コースに入学すると(準)学生と見なされて、さまざまな権利と義務が生じます。
その代表的なものは健康保険。
通常であれば、ドイツ語コースの学生はドイツの健康保険には加入できません。
そこでドイツ留学保険に加入することになります。
しかしミュンスター大学では、(準)学生扱いされるので、国民皆保険に加入出来ます!(権利ですので、義務ではありません。)
学生扱いされる事で発生するもうひとつの権利(あるいは義務)は、学生登録料 /”Sememnsterbeiträge”です。
これがゼミごとに300ユーロほどかかります。
「そんな権利なんか欲しくない!」
と思う方が多いのですが、この登録料には半年分の定期が込み。
おまけに学生証が発効されて、学食は格安で利用できます。
学割なしで定期を買えば、半年で300ユーロ以上するので、学生登録は義務ではなく、特権です。
では以下にミュンスター大学のDSH準備コースの詳細を紹介します。
レベル |
中級(B1,B2)、上級(C1) |
期間 |
夏ゼミ 1月~ 7月(6ヶ月) 冬ゼミ 8月~1月(6ヶ月) |
授業時間 |
記載なし |
クラス定員 |
記載なし |
出願期限 |
夏ゼミへの出願 11月1~30日まで 冬ゼミへの出願 5月1~30日まで |
コース費用 |
500ユーロ/ゼミ |
応募資格 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
応募書類 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
宿泊施設 |
自分で手配 |
出願結果 |
夏ゼミは12月、冬ゼミは6月に返事が郵便、あるいはメールで届きます。 |
その他 |
お申し込みにはPC用のメールアドレスが必要です。携帯のアドレスは不可。
学生登録料の300ユーロほどが、この他に必要です。 |
大学出願サポート
ミュンスター大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。
しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、
「ホームページを読んでくれ。」
とだけ書かれています。
そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。
出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。。
出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。
ミュンスター大学 出願に関する 質問集
皆さん、初めてミュンスター大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。
そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。
お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。