こちらのページでは ドイツで部屋探し について紹介します。
というのもドイツと日本の不動産事情は全く異なります。
日本のように、
「不動産屋に行けば、2~3日で見つかるわ。」
と思っていると
“blauen Wunder”(青天の霹靂)
に遭遇する事間違いなし!
目次
知らないと大損 ドイツで部屋探し のコツを皆伝!
ドイツで部屋探しをする際でも、まずはネットで物件を検索することから始まります。
適当な物件を発見、不動産屋を経由して見学、契約となった場合、日本同様に不動産屋に仲介手数料を払わなくてはなりません。
その仲介手数料の最高額は民法で規定されており、
となっています。
大事なのはここでいう家賃は、雑費を含まない家賃(”Kaltmiete”)である事です。
悪徳業者は雑費を含む家賃(”Warmmiete”)の2か月分を要求してきます。
仮にその雑費を含まない家賃が500ユーロだとすれば、
500 ユーロ x 2ヶ月分 = 1000 ユーロ+190ユーロ(消費税)
合計 1190ユーロ
という立派な手数料になります。
日本では不動産屋の手数料に加えて、
「家賃の2か月分を礼金」
として払うことも稀ではないので、日本と比べたらまだ安いです。
それでも高額な手数料が必要になることには違いありません。
でもうまくすれば、この手数料を払わない済む方法もあるんです!
仕事発注者 支払い制度 /”Bestellerprinzip”
日本だと大家さんが不動産屋に
「賃貸人を見つけてください。」
と仕事を依頼したのに、その手数料を払うのは賃貸人。
おかしいですよね。
ドイツでも長く、同じような不条理が存在していました。
しかし、
「それはおかしい。」
と、社会で議論になるのがドイツのいい所。
大家さんや不動産業界の抵抗むなしく2014年、ドイツで民法が改正されることになりました。
民法改正によりドイツでは、仕事発注者 支払い制度 /”Bestellerprinzip”が導入され、
と規定されました。
誤解
結構、明確な制度だと思うのですが、ドイツ人でもこの法律を誤解している人が少なくありません。
その誤解とは、
「不動産屋の手数料は、いつも大家が払う。」
というもの。
どこが勘違いなんですか。
我々が不動産屋に行き、
「物件を探してください。」
と頼むと、仕事を頼んだのは賃貸人です。
ですから賃貸人が手数料を払うこになります。
これが仕事発注者 支払い制度です。
賃貸人に手数料がかからないのは、
- 大家が自身でネットに上げている賃貸物件
- 大家さんが不動産屋に、「賃貸人を探して。」と、すでに依頼している賃貸物件
です。
皆さん、できれば手数料のない賃貸物件を契約したいですよね。
- どうすれば大家と直接賃貸契約できるのか
- その際の注意点
など、以下にドイツの一般的な賃貸事情についてご紹介いたします。
ドイツの不動産事情
でもその前に
「ドイツの不動産事情」
について、語っておく必要があります。
日本なら東京だろうが大阪だろうが、不動産屋に行けばアパートが見つかります。
日本ではこれが
「当たり前」
なので、
「ドイツも一緒でしょ!」
と皆さん、推測。
十分な調査もしないで、
「ドイツに住むならミュンヘンでしょ!」
と留学先を決めて出発。
ところが住む場所が全く見つからない!
お陰で当店まで
「部屋を探して!」
というヘルプメールが絶えることがありません。
あまつさえ
「家賃が高いので、安い物件を探してくれ。」
というメールまで。
しかし会社案内に書いている通り
不動産の仲介・紹介はやっていません。
やっと終わった不動産ブーム
2023年、金利の上昇により
この不動産ブームで都市部の家賃は文字通り、2倍になりました。
正反対です。
建築資材、人件費の高騰、高金利により、新築物件は激減。
結果、既存の
「中古物件」
が大人気、
もしあなたが、
「両親は医者なので、2000ユーロまでの家賃なら払ってくれる。」
という幸せな境遇なら、何も心配する必要はありません。
そうでないなら、大いに心配する必要があります。
ドイツで部屋探し 問い合わせメールの書き方
ドイツ留学される方の最大の悩みが、滞在先の確保です。
何故だかわかりますか。
皆さん、日本でアパート経営をする大家さんだと考えてください。
するとジンバブエから、
「日本に行くので部屋を貸してください!」
と英語でメールが届きます。
日本人の学生からも
「部屋を借りたい。」
と言われているのにこれを断って、素性の知れない外国人に、
「はい、どうぞ。」
と、アパートを貸しますか?
そんな方は一人も居ないでしょう(*1)。
すなわち!
大家さんにとって関心の高い
- どんな人なのか
- 収入はあるのか
- 何をしている人なのか
- ドイツで何をするのか
- 家賃を保障してくれる人はいるのか
などなど、肝心な内容が全く欠如しているメールを送っても、返事は来ません。
問い合わせのメールには、
と、相手が知りたい要点を抑えたメールを書く必要があります。
間違っても、
「〇月からドイツ留学する者です。」
なんて書いたら、返事は来ません。
名を名乗れ!
ドイツ人の名前、
“Ute”
だけ見たら、女性なの?男性なの?
って思いますよね。
ドイツ人が日本人の名前を見ても同じです。
ですから始めてメールや手紙を送る場合は、簡単な自己紹介が欠かせません。
ドイツ人は中学生でも初めての相手には、
「私の名前は〇〇で、〇〇学校に通ってます。」
と、まずは自己紹介から入ります。
ドイツ人なら中学生でもできる事を、大学生ができないと、信用してもらえません。
肝心なのは、大家の立場になってメールを書く事です。
「こんなメールをもらったら、私が大家だったら、この人に貸す!」
というメールを書くことが大事です。
大家を安心させるべし!
大家とコンタクトする際の注意点を何点か上げましたが、一番大切なのは何だと思いますか?
それは大家を安心させることです。
なれば、どうすれば大家を安心させることができるのか?
それはお金です。
言い換えれば、
「万が一の場合でも家賃を払える資金源」
です。
なのに、
「学生なのであまりお金がなく、、。」
なんて書いた日には、
“Auf Wiedersehen”
です。
私は銀行の口座残高を印刷して、不動産屋に送りました。
すると即、物件の見学が可能になり、翌日には契約。
すっかり意気投合した不動産屋の男性が、
「自分の稼ぎでは家賃を払えないので、両親から援助を受ける予定です。」
なんていう人が居ると愚痴っていました。
そんな人にアパートを貸す大家は居ません。
あなたがお金を貯めこんでいるなら、これを見せつけるとうまく行きます。
そんなお金がない場合は、大家を安心させる文面を創意工夫しましょう。
下手な鉄砲、数撃てば、、
こうした点に注意してメールを書いても、ドイツ語が完璧に程遠いうちは、1割程度の返事しか来ません。
ドイツ語が完璧で、すでにドイツの滞在許可証
持っている私でさえ、問い合わせしても返事が来たのは二割程度(*3)。
ここで物を言うのは物量作戦です。
毎日、2~3通の問い合わせのメールを送り、一か月の長期作戦。
すると先回、
「次に部屋が空いたら、君に回すから。」
と言っていた不動産管理会社に空き部屋が出て、部屋を確保することができました!
10通の問い合わせを送ったのに返事が来ない、20回も問い合わせたのに、アパートが借りられない!
そんなのはドイツ人でも当たり前。
その程度でがっかりせず、常にメールの書き方を改善しながらアタックすることが必要です。
ちなみに私は70通以上の問い合わせをしました!
賃貸詐欺に注意!
毎日問い合わせをしていると、ある日、返事が来ます。
肝心の物件は一等地にあるのに、他と比べたら家賃が安いアパート。
とうとう私にも運が向いてきた?
いえ、違います。
返事が来て嬉しくなりますが、現実はそんなに甘くはありません。
詐欺の見分け方
「返事が来たんですが、本当に詐欺でしょうか?」
とお悩みの方。
詐欺の手口はいつも同じなので、見分けやすいです。
実際には存在してないアパートなので、大盤振る舞いで家賃を安くしているのが特徴です。
「ドイツの薬品会社で働いていた際にアパートを買ったが、転勤でスペインに住んでいる。」
とか、
「ドイツの叔父の遺産で所有しているが、ロンドンに住んでいるので賃貸人を探している。」
という、
「私は別の国に住んでいる」
といういつもお決まりのパターン。
あまつさえ、
「ついては見学できるように鍵を送るから、この口座まで保証金を送金してくれ。」
と、スペインや東欧の口座番号を連絡してくることも共通の手口です。
アパートの見学で保証金を取るのは違法ですので、どんなに遅くても、ここで詐欺を気付く筈。
ドイツで滞在先を探す 人が多いので、都市部のアパートは奪い合い状態です。
これが原因で、詐欺師が活躍する土壌ができています。
親切な大家さん
都市部のアパート不足を利用して、若い女性からの問い合わせに
「部屋を貸す見返り」
を要求する(主に)中年男性大家が居ます。
「付き合ってくれ。」
とはっきり言ってくるケースもあれば、
「ドイツに来たら私が市内を案内してあげよう。」
と、親切の押し売りをしてくるケースまで。
「なんて親切な大家さん!」
って、思っては駄目。
お目当ては肉体関係です。
親切な大家さんにはご注意あれ。
ドイツで部屋探し – アパート / Wohnung / Apartment入居
やはり一番快適なのが一人で気軽に住めるアパート /Wohnung / Apartment ですが、費用的には一番高くなります。
ドイツでも日本と同様に、
「家具なし」
物件が一般的です。
キッチンが入る場所には排水口とコンセントだけ。
バスルームには鏡も照明もありません。
勿論、下駄箱も収納スペースもなし(*4)。
本当にもぬけの殻です。
入居前に大仕事が必要です。
照明の取り付け
そこでアパートの契約を済ませると、まずは照明を買い、各部屋に取り付けます。
が、日本のようにワンクリック式ではありません。
コンクリートの天井にコンクリ専用のドリルで穴をあけ、ここにドイツで発明された留め具、”Dübel”を押し込んで固定します。
ドイツ到着早々、ホームセンターにドリルと足場を買いに行き、
「ゴリゴリ」
なんてやってらんない!
おまけにドイツのアパートの天井のコンクリは、半端なく固いっ!
私はいつも知り合いの職人、”Handwerker”に頼んでいました。
キッチンの購入
次はキッチンの購入です。
キッチンの寸法を測ってもらい、注文。
届くのに1ヶ月もかかります!
8月の夏季休暇時期だったら、2ヶ月待ちが相場です。
「そんなに長くは待てない!」
とIKEAで注文(*5)。
計測費、輸送費、設計費込で合計3800ユーロなり。
肝心のキッチンが届いても、ただの段ボールの山!
これを組み立ててもらう職人を見つけて、設置してもらわなければなりません。
私のキッチンは職人が2日かけて組み立てて、670ユーロなり~。
職人 / Handwerkerを探せ!
引っ越しの際に必ず必要になるのが職人 / Handwerkerです。
私は上述の照明の設置から、衣装箪笥の組み立てまで職人にお願いしました(*6)。
友人価格で。
そんな知り合いがいない場合、ネットなどで職人を探すことになりますが、プロの時給は17ユーロ。
大体、2800円です。
いい職人だと、移動費込み。
悪い職人に当たると、50ユーロの移動費を請求されます。
Ebay Kleinanzeige
では職人は何処で探せばいいのでしょう。
一番簡単なのは、”Ebay”です
それも、”Ebay Kleinanzeige”の方です。
画面上部に探す対象、この場合は職人/”Handwerker”を入れます。
続いて
「カテゴリー」
にはお手伝い/”Dienstleistung”を選択します。
右側には街の名前を入れて検索するだけ。
あるいは自分で、
「引っ越しするので、助けて!」
と広告を出すこともできます。
でも”Ebay Kleinanzeige”は詐欺師や空き巣もチェックしています。
ここで家財を売る広告を出してから、詐欺電話が増えました。
これが空き巣なら、
「いつなら行ってもいいですか。」
と、取引を装って留守の時間を聞き出そうとします。
要厳重注意。
引っ越しの初期費用
上述の通り、ドイツのアパートはもぬけの殻。
前部屋に照明をつけ、キッチンを買い、家具を買い、、、と結構な初期費用が必要です。
私が70平米のアパートに引っ越した際の初期費用は、7000ユーロでした。
これに加えて、大家さんに払う保証金が家賃の3か月分必要です。
ざっと言えば1万ユーロあれば、なんとか足ります。
勿論、小さなアパートを借りればもっと安くつきます。
初期費用を抑えたい方は”WG”(シェアハウス)を探しましょう。
家具付き物件
中には短期滞在者をターゲットにした、家具付き物件もあります。
そのような物件は、
“möbeliert”(家具付き)
と書かれています。
キッチンや照明は言うに及ばず、机、椅子、冷蔵庫、ベットなどが付いています。
又、家具のついていないアパートでも、前の住人がすべての家具を持って移動するのは不可能なので、家具の買取などが必要になる事もあります。
運よくキッチンを安く売ってくれればラッキーですが、ドイツ人はキッチンをとても大事にしているので、引っ越しの際は分解して持っていく人が多いです。
ドイツで部屋探し – アパートの探し方
アパ-トを探す最も一般的な方法は、インターネットです。
大学生なら大学での張り紙を見て連絡を取る方法もありますが、やはりメインはインターネット。
勿論、不動産業者を通す方法もありますが、不動産業者もインターネットで物件を掲載しています。
この為、インターネットで探すのが一番早いです。
以下にメジャーな不動産のプラットフォームを上げておくので、アパート探しにご利用ください。
Couratgeとは?
ネットで部屋探しする際に
「真っ先に注目!」
して欲しいのが、
“Courtage”
という項目。
Courtageとは、不動産屋の手数料を指します。
ここに
-
-
- 手数料は誰が払うのか
- 手数料の額
-
が明記されています。
手数料を節約したいなら、
- “Courtage frei”(不動産屋の手数料なし)
- “direkt vom Vermieter”(大家からの掲載)
と書かれた物件を探しましょう。
ドイツで部屋探し に適した時期
ドイツでは大学が始まる前の時期、2月~3月及び、8月~9月にかけ、大学生がドイツを大移動します。
この時期は大学卒業の時期でもあり、学生寮やWGの空きがでる時期です。
ドイツに留学、あるいはワーキングホリデーで
滞在するので自分で滞在先を探す場合、この時期に渡航してアパート捜しをするのが理想的です。
もっとも!
ドイツでは
「3月に辞令が出て、転勤」
という日本のような慣習はありません。
この為、アパートに関しては1年中、チャンスがあります。
アパートの平均家賃
肝心要のアパートの家賃もみておきましょう。
ドイツで一番家賃が高いのはミュンヘンです。
家賃の平均値は30㎡までのアパートで、27,36ユーロ/㎡です。
すなわち30㎡のアパートの家賃は、820,80ユーロです。
これに雑費が加わると、
あくまでも平均値です。
中心部は倍。
郊外なら、このくらいです。
これにドイツの高い電気代が加わります。
すなわち30㎡のアパートでも、毎月、1035ユーロは最低限必要です。
これはあくまで平均値で、町の中心部はもっと高く、治安の不安な中央駅周辺や外国人が多く住む地域はもっと安いです。
「このアパート安い!」
と値段だけで決めると、
-
-
- 隣が風俗店だったり
- 飛行機が屋根の上を飛んでいたり
-
と、何かしら落とし穴があります。
ネットでは
「今、一番人気のある地域です!」
などと書いていても、信用しないように。
必ず自分の足で歩いて調査しましょう。
ドイツで部屋探し お手頃アパートは取り合い!
「あのミュンヘン」
の平均家賃が1035ユーロと聞いて、
「安いじゃん!」
と思った幸運なアナタ。
それはあなただけではありません。
物件の見学に行くと30人~40人も押しかけて、路上にまで見学を待つ人の長蛇の列が出来ています。
そう、
だから、
「そのくらいの家賃なら払える。」
だけでは不十分です。
ドイツでアパートを借りるにはドイツ人の希望者ではなく、
「この日本人に部屋を貸したい。」
と大家さん、あるいは不動産屋を説得することが必要不可欠です。
この点を理解してからドイツで部屋探しを始めましょう。
物件の見学
見知らぬ外国人に大切なアパートを貸す大家さんの心配事は、
1.家賃を滞納しないで定期的に払ってくれるかどうか。
2.長く住んでくれる人かどうか。
です。
余計な心配をさせないように、
-
-
- アパートの見学にはきれいな服装で行く⇒お金がある
- 時間通りに行く⇒約束を守る
-
事が大切です。
約束の時間さえ守れないと、
「契約も守れない。」
と思われちゃいます。
必要書類
きっと、
「嘘!」
と思われると思いますが、物件の見学には書類が必要になる事が意外と多いです。
その書類とは
-
-
- 過去3か月のお給料明細
- Schufaのスコア
-
です。
ドイツには家賃を払わない人が結構、多いんです。
日本と違って家賃保険なんてないし、保証人も必要なし。
だからちゃんとした人を選ぶのが、とっても大事。
そしてお給料明細よりも頻繁に求められるのが、
“Schufa-Auskunft”
と呼ばれるもの。
詳細はこちをご覧あれ!
家賃の落とし穴 – 雑費と暖房費
アパートを借りる場合、家賃の他に
“Nebenkosten”(雑費)
なるものが加算され、これが大家に支払う家賃の総額になります。
ここで注意して欲しいのは暖房費です。
寒いドイツでは暖房費が馬鹿になりません。
雑費に暖房費が含まれていない場合、小さなアパートでも毎月40ユーロ程度の暖房費がさらに家賃に加算されます。
これを知らないでいると、春先には驚きが待っています。
年に一度の年末調整
暖房費を払っていない場合、暖房費だけで
40ユーロ x 12ヶ月 = 480ユーロ
もの請求が来ます。
「そんな話は聞いていません!」
と苦情を言う日本人も少なくありません。
賃貸契約をする前に、”Nebenkosten”に暖房費が含まれているかどうか、確認しましょう。
水道代金の年末調整
Nebenkosten には水道代金も含まれています。
が、これは使用量を予想した料金が含まれています。
ドイツの水道代金は欧州で一番高いです。
毎日お風呂に入っていると、水道代金だけで200~300EURもの追加支払い要求が来ることもあります(*7)。
これに実際に使用する電気代、アパートによりガス代金が加わって、実際に毎月払う家賃になります。
大まかに言えば、雑費は家賃の二割ほど。
この為、ドイツでは雑費を
「第二の家賃」
と呼ぶほど高いです。
賃貸部兼の家賃を見る際は、kalt と warm によく注意してください。
ドイツで部屋探し – 礼金、保証金、連帯保証人
直接大家と契約すれば、支払うのは家賃/ kalt の3か月分の保証金のみ。
鍵の交換が必要な場合は、大家が行います。
日本の不動産業者が要求する
-
-
- 連帯保証人
- 抗菌処置費用
- 家賃保険
- 火災保険費用
- 安心サポートサービスパック料金
-
も必要ありません。
日本では100万円かかる入居費用が、その半額以下で済みます。
リノベーション
アパートの契約をする場合、リノベーションの有無に注意してください。
リノベーションされている物件を借りたら、リノベーションして返さなくてはなりません。
湿気で壁にカビが生えていたり、タバコの煙で壁紙がくすんでいたら、壁紙を塗り替える必要があります。
リノベーションが終わって大家の厳しいチェックを受け、通常は、
「ここはやり直し。」
と指摘されます。
これも補修して、ようやく保証金が返却される事になります。
改装費用
デユッセルドルフで借りていた85平米のアパートを、リノベーションしました。
正確には業者に、
「日本に帰るから、リノベーションして大家さんにアパートを引き渡してね。」
と、2000ユーロ(友人価格 & 込み込み)でお願いしました。
アパートを綺麗に使っていたので、壁塗りをしたのはキッチン、居間、寝室の3部屋だけ。
もし風呂場、廊下、トイレ、第二寝室まで壁塗りが必要で、専門業者に依頼していたら4000ユーロくらいかかりました。
2000ユーロは大家に預けていた保証金よりも高額なので、
「保証金の返却の為に、真面目にリノベーションする意味があるのか?」
と、考えました。
「保証金は返してくれなくていいから、それで改装して。」
とやった方が簡単ですよね~。
リノベーション不要説
日本語で検索すると
「リノベーションは不要である。」
という自論を展開している日本人が居ます。
自分に都合のいい内容なので、
「そうなんだ!」
と喜ぶ方が絶えないですが、フェイクニュースです。
ただ本当に、リノベーションが不要なケースもあります。
しかし、こうした事情を知らない外国人の弱みに付け込んで、リノベーションしていないアパートの賃貸契約書にこっそり
「アパートを出る際はリノベーションをする事。」
と条件を書き込む大家も居ます。
契約書のサインする前に、ちゃんと契約書を読みましょう(*8)。
アパートの解約 – ドイツで部屋探し
ドイツでは2005年に最高裁の判決が出て、
すなわち!
賃貸契約を3月末で解約するなら、1月の第一週までに書面で通告する必要があります。
これを怠ってしまい、1月中旬に解約通知送ってしまうと、賃貸人は4月末までの家賃を払う義務があります。
これを回避するには、4月からアパートに入ってくれる人を自分で探す必要があります(*9)。
又、ドイツではアパートの契約は月の終わりに解約するものです。
月の途中の日付で契約を解約する習慣はありません。
ドイツ生活サポート
ドイツでは裁判沙汰になる一番人気の懸案が賃貸関連です。
何が権利でどこまで義務なのか。
これは外国人には理解することが難しいです。
-
-
- ドイツ語の契約書なので、読めません!
- 読んでも法律違反の内容なのかわかりません!
-
という方、ご安心ください。
ドイツの達人 があなたに代わって契約書をチェックいたします。
ドイツで部屋探し – シェアハウス / Wohngemeinschaft (WG)
学生の一般的な生活様式が、
“Wohngemeinschaft”
略して WG (ヴエーゲー)です。
日本語で言えばシェアハウス。
3部屋、4部屋とあるアパートを学生が集まって賃貸契約を大家と結び、各部屋をそれぞれ学生たちが使用するわけです。
洗濯機、キッチン、冷蔵庫などはWGの構成メンバーで共同購入 & 使用します。
利点と欠点
WG生活の利点はコスト。
メンバーに空きが出てから WG に入れば、自分の部屋の家具、寝具さえ揃えば、あとは何も買う必要がありません。
その一方でWG生活の欠点は、共同生活に伴う弊害です。
ドイツ人は、自分の家のキッチンなどは毎日磨き上げて、しみなどひとつもないくらいです。
でも共同生活になるとどうでもいいらしく、キッチンは荒れ放題。
トイレに至っては、、、という事もあります。
共同生活に慣れていない人は、避ける方が賢明かもしれません。
しかし金銭的理由でアパートなど借りれない場合は、仕方ないです。
この場合、できるだけ多くの WG を見学して、良さそうな部屋を探す事が必要です。
しかし気に入った部屋(WG)が見つかっても、必ずしも部屋が借りられる分けではありません。
入居面接
日本でも外国人がアパートを借りるのはかなり大変です。
ドイツ人が外国人の受け入れに慎重になっても、これは無理もありません。
学生は外国人に対して偏見が少ないので、比較的、外国人でも部屋を確保し易いです。
でも住人が以前に外国人を受け入れて嫌な体験をした後だと
「外国人は嫌だな。」
「ドイツ語ができないから、意思の疎通ができない。」
などの理由で入居を断る場合もあります。
男女混成 それとも男性禁?
WG には大きく分けて、男女混成の WG、あるいは女性だけの WG があります。
男性はバタコを吸う人が多い上、トイレは立ったまま使用するので、いつも女性の非難の的。
6~7人もの大きなシェアハウスも、できるなら遠慮しましょう。
いつもパーテイーみたいで楽しいのですが、人数が増えるに従い
「どうしても合わない人」
に当たる確率が高まり、キッチンはまるで爆弾が炸裂したような有様です。
面倒見のいい人もいるので、いい出会いになる確率もありますが、個人的には無理でした。
ドイツで部屋探し – 学生寮 / Studentenwohnheim
大学に通われる方なら、学生寮 / Studentenwohnheim の部屋が取れれば、最大の問題が解決します。
でも、そう簡単にはいきません。
申請をして早い場合で半年、遅い場合1年以上順番待ちをするのが通常です。
さらに大学のドイツ語コースの学生のうちは
まだ正規の学生とみなされず、学生寮の申請ができない場合もあります。
寮生活
ドイツの学生寮では、トイレ、シャワー、キッチンなど共同使用になります。
中には部屋にトイレはおろか、キッチンまでついている学生寮もあります。
こうしたハイグレードな学生寮は奨学生、あるいは交換留学生に割り当てられます。
一般の学生が、そのようなハイグレードの学生寮の部屋をもらえる可能性はあまり高くありません。
ハイグレードな学生寮では、インターネットも完備されています。
ただし違法ダウンロード防止の目的で、違法ダウンロードをした下手人がわかるようにケーブルを使用してのネット接続になります。
一般の学生寮では電話回線が部屋まで通っていることが多いので、ここにプロバイダーと契約を結べばインターネットが使用できます。
寮生活の欠点
寮生活の欠点は、
-
-
- 騒音
- 盗難
-
です。
この為、各自のロッカーが割り当てられます。
皿、鍋、フライパンなどの貴重品(?)はちゃんとロッカーしまって鍵をかけておきましょう。
私営の学生寮
学生寮と言えば、大学が経営しているものと思いますが、ドイツには私営の学生寮も多いです。
一番典型的な例が、教会が経営する学生寮。
大学の入学許可証があり、入居条件を満たせばキリスト教徒でなくても入れます。
さらには
“Studentenverbindung”(学生組合)
が経営する学生寮があります。
中世の頃は学生組合は武装した組織で、町の治安を守る役目も担っていました。
テュービンゲンでは学生が銃をもって反乱をおさえたりと、大活躍。
その頃から土地や建物を所有しており、今日では組合に参加することを条件に、部屋を借りることができます。
もっともそれには組合員になることが条件で、組合人には昔ながらの幾つかの義務が課せられています。
ドイツで部屋探し – ホームステイ / Gastfamilie
「ホームステイして会話の機会を多く設けて、会話能力を上達させたい。」
と希望されている方、ご注意ください。
ステイ先にも彼らの仕事、生活があり、逐一付き合っている時間はありません。
そして言葉が通じないとストレスになり、関係が悪化します。
そもそもドイツ人は18歳になれば大人で、バックパックを担いで世界中を旅する強者です。
当然、
でも日本人は、
「全部丁寧に教えてよ。」
と完全な受け身。
反りが合わないケースが多いです。
意思表示ははっきりすべし!
「コーヒーにしますか、それとも紅茶にしますか?」
と聞かれて、
「どっちでも。」
と答えると、
「この人には意見がないのか?」
と、マイナスイメージです。
日本人は
「空気を読め。」
と言いますが、ドイツでは、
「言葉で言わないと、わかるわけがなかろう。」
と言われます。
「郷に入れば、郷に従え。」
です。
何が欲しいのか、何が嫌なのか、ちゃんと意思表示をする事がドイツ人家庭で楽しい体験をする前提条件です。
それには会話できるドイツ語能力が必要です。
まだ会話ができないうちは、ホームステイは避けたほうが賢明です。
一番まずい言動
日本人がよくやる言動で一番まずいのが、
すごく当たり前の事ですが、わからない場合は、
“Wie Bitte?”(わからない。)
と何度でも言おう。
そうすれば、相手もこちらが理解できていないとわかるから、別の方法で説明しようとしたり、最悪の場合でも誤解が避けられます。
わからないのに、
「はい。」
というと、そこで了承したとされて契約が成立します。
後から、
「何を言ってるのかわからなかった。」
と反論しても、
「だったら、何故、わからないと言わなかったの?」
と指摘され、ぐうの音も出ません。
注釈
*1 ドイツから名古屋の不動産屋に「アパートを見学したい!」とメールを送っても、すべて無視されました。
*2 メールの末尾には自分の名前、住所、連絡先を明記するのも常識です。
*3 ドイツ人は無駄を何よりも嫌うためです。部屋を貸す気がないのに、礼儀で返事を書くなんて日本人みたいなことはしません。
返事が来ない場合は、「最初から縁がなかった。」とわかります。「なんとか」も使い様です。
*4 その分、地下室/Kellerが必ずついていて、不要な物を収納できます。
*5 衣装箪笥、高さが2mもあるんです!一人で組み立てられるものじゃない!
*6 届いた品が注文と違っていて、配達のやり直しなんて当たり前。ここはドイツです。
IKEAのキッチンは流しが弱点です。細いパイプを使用しているので、すぐ詰まります。私は毎週、分解掃除をする羽目に、、。二度と買わないっ!
*7 倹約家のドイツ人は、シャワーを週に数回しか浴びません。
*8 リノベーションをしていない物件を借り、賃貸契約書に「リノベーションをしてから返すべし。」とあり、これにサインしてしまったら?
入居時にリノベーションされていないことが証明できれば、契約書に書かれていても、リノベーションをする必要はありません。
*9 自分で探してきても、「どんな人は駄目!」と大家さんが拒否したら、アウトです。