今回紹介するのは ハンブルク大学 です。

言わずもがな、ハンブルクで最大の規模を誇ります。

ドイツ全土でみてもトップ10に入るほどのデカイ大学です。

日本でも

「ハンブルク」

の街が知られているので、ちょくちょく留学についてお問い合わせをいただきます。

そこで今回はハンブルク大学への正規留学の出願方法など、詳しく解説したいと思います。

ハンブルク大学 の紹介

大学の正式名称はそのまんま、

“Universität Hamburg”(ハンブルク大学)

です。

短いので

「そのまま呼ぶんじゃない?」

と思ったら、

“UHH”

と呼びます。

ふたつめの”H”が何処から来ているのか、知っているのはハンブルク大学生だけ。

 

大学は市内の中心部、ローターバウム地区 / Rotherbaum にあります。

と言われても、日本人には未知との遭遇。

わかりやすく言えば外アルスター湖の西岸にあり、近くにはメッセ会場や音楽 & 演劇大学などもあります。

在籍している学生の数は4万3000人。

170を超える専攻を提供しているので、よほど特殊な専攻を探していない限り、ここで学びたい専攻が見つかります。

又、ハンブルク大学にはさまざまな研究機関が大学に併設されて、一緒に研究活動を行っているのが特徴です。

大学創設まで

ハンブルク大学が創設されたのは、よりによってドイツ敗戦の年、1919年です!

大学設立が20世紀まで遅れた最大の理由は、ふたつ。

まずはハンブルクは、街だけでひとつの州を形成する特殊な政治形態だった事。

すなわち!

強大な領土を擁し、かつ豊富な財産を有する、

「ここに大学を創設しよう。」

という王様、あるいは選帝侯がいませんでした。

もうひとつの理由は、ハンブルクで実権を持っていたのは、市民で構成された評議会だった事です。

一時は交易で人もうらやむお金持ちになったハンブルクの商人が集まって、

「ハンブルクに大学を創設しようじゃないか」

と気運が高まりました。

が、まさにこの評議会が、

「ハンブルクは商人の街。金のかかる大学なんぞ要らぬ。」

と否決。

こうして20世紀になるまで大学がありませんでした。

ハンブルク大学 創設!

それでもハンブルクに大学が創設されるきっかけになったのは、ドイツ一の石油商人になったハンブルク出身のジーメンス氏のお陰です。

念のため言っておきますが、あの有名なドイツ企業の創設者、ジーメンスとは別の人。

氏がハンブルク市に会社の講堂を寄付したのをきっかけに、街の評議会はここでゼミを開くことに同意します。

必要な改装工事を終えて、1911年にはハンブルク市長に講堂が引き継がれます。

これで一気に大学創設に向けて勢いが付く筈でしたが、第一次大戦の勃発で計画は延期。

敗戦後の1919年、市民の評議会は大学の創設に反対する事を放棄、遂に大学創設が評議会で決議されました。

するとすでに講堂はあったので、1919年からゼミがスタート。

戦後、ワイマール共和国の時代にハンブルク大学は、人気の大学になります。

常に数千人の大学生が在籍しており、有名な教授もハンブルク大学で教鞭をとるようになります。

経済不況の時代には学生を助けるため、学生扶助会が創設され、ハンブルクで最初の学生寮や学生食堂が建設されます。

ランキング

2012年以降、ハンブルク大学は世界の大学ランキングリストには参加していません。

ドイツにある106の大学のランキングリストでは

「10~20位の間」

という評価になっています。

それでも5名のノーベル賞受賞者を輩出。

又、ドイツ政府と州政府が予算を出して、特定の分野での研究を大学の枠を超えて促進する制度、

“Exzellenzcluster”(優秀グループ)

にハンブルク大学は選ばれています。

街の紹介

街の紹介

ハンブルクは184万人の人口を抱える北ドイツの大都市だ。

もっとも日本に住んでいると、

「ハンザ同盟の街でしょ!」

か、

「ハンブルクと言えば、ハンバーガーの起源!」

くらいしか出てこない、、。

その一方でドイツでは

「お金持ちが一番多い街」

として知られている。

人口が多くて、お金持ちが多いとなれば、家賃が高いのは自明の理。

「ハンブルクに留学したい!」

とお考えの方、まずは先立つものが十分にあるか、冷静にご判断あれ!

ハンブルク 海運で栄えた港町には見所がてんこ盛り!

気候

気候

夏のハンブルクは最高!

暑いけど、潮風が吹いて心地いい。

やっぱり水が近くにあると、それだけで涼しく感じます。

内アルター湖の河畔には巨大な階段テラスが設けられており、ここで涼む人で大混雑。

夏は座る場所がないほどの大盛況。

その分、冬はしんどい!

まじで寒い。

北海道並み。

さらに低気圧が張り出して、大嵐 & 洪水。

夏のハンブルクだけ見て、

「ここに住みたい!」

と決めないように。

風土

ハンブルクはプロレスタントの地。

言い換えれば、リベラル。

ミュンヘンなら、

「過去に例がない。」

と一蹴にされるアイデアでも、

「面白そう。」

と、まずはポジテイブに受け入れてもらえる。

が、生粋のハンブルクっ子は

「気性の変化」

を見せない事で有名。

早い話が仏頂面。

石で出来た仏様のように、感情を出しません。

慣れれば気になりませんが、最初は戸惑います。

ハンブルク大学 に正規留学!

ハンブルク大学 に正規留学!

ハンブルク大学には

  • 法学部
  • 経済社会学部
  • 医学部
  • 教育学部
  • 人文学部
  • 数学情報学部
  • 心理学部
  • 経営学部

の8つの学部があります。

他の大学同様にハンブルク大学でも大学で取得できる学位は、バチラー/ Bachelor、それに修士 /Master に統一されています。

一部の専攻に限られますが、ハンブルク大学でもドクター / Promotionstudium も可能です。

学費無料!

ハンブルク大学ではかって学費が導入されたこともありましたが、2013年から無料になりました。

今後、また変わるかもしれませんが、現時点は外国人も無料で学べます。

ただし!

大学の規定には、

「45歳でもまだバチラー課程を終えていない学生には、学費を課せることができる。」

 

とあり、外国人の場合は44歳まで無料。

ゼミ登録費 /”Semesterbeitrag”

大学に登録するとゼミ登録費 /”Semesterbeitrag”という費用が、何処の大学でも発生します。

このゼミ登録費には、大学のさまざまな手数料に加え、ゼミの期間中の定期券/”Semestertticket”も含まれています。

当然、路面電車のある街では、費用は高め、バスしかない街では安いです。

ハンブルクはバスや電車網がいきわたっているので、大学のゼミ登録費は2023年の時点で340ユーロです。

これに半年の定期券が含まれている事を考えれば、かなりお得。

 専攻一覧

専攻一覧

ハンブルク大学で行われる専攻の詳細は、大学のホームページで確認できます

参照 : 専攻一覧

 

例えば”J”をクリックすると

日本学 /”Japanologie”

が出てきますが、課程は M.A. / Master of Art です。

マスター課程には、日本学でバチラー/ Bachelor の学位を取得していない方は、出願できません。

Q.
日本人ですけど?

 

駄目です。

日本学でバチラー/ Bachelor の学位を取得していない方は、入学条件を満たしません。

Q.
ドイツ文学でバチラー/ Bachelor の学位を持ってます。

 

駄目です。

日本学でバチラー/ Bachelor の学位を取得していない方は、入学条件を満たしません。

ですから日本の皆さんが目指すのは大方のケースで

“Bachelor”

です。

ですから、

“Alle Abschlüsse”(すべての学位)

と書かれている箇所で

“Bachelor”

を選択してください。

そうすればバチラーの学位が取得できる専攻が表示されます。

Lebensmittelchemie

ここでは L をみてみましょう。

例えば

”Lebensmittelchemie”(食品化学)

をクリックすると、以下のように書かれています。

ハンブルク大学 Lebensmittelchemie

  • 副専攻なし。
  • 卒業には6ゼミ必要。
  • 講義の言語はドイツ語。
  • 入学時期は冬セミ。
  • 副専攻での選択は不可。
  • NCあり

と書かれており、読みさえすれば必要な情報を得ることができます。

NC  とは?

NCは”Numerus clausus”の略称。

ラテン語なので読み方はわかりませんが、そも意味は入学(者)制限です。

ハンブルク大学に限らず、医学部など、少人数しか入学できない学部には、いつもこの入学制限がかかっています。

高校の成績が良ければ、

「NC 遅るに足らず!」

ですが、

「あんまりよくないかも?」

と心配な方は、できれば NC でない専攻を選んだほうが入学のチャンスが高くなります。

出願方法

ハンブルク大学の正規留学の出願はちょっとややこしいです。

まずは日本で取得した大学入学資格を、審査させる作業から始めなくてはなりません。

その方法は以下に解説しておきましたので、出願準備にご利用ください。

Vorprüfungsdokumentation (VPD)

日本で大学入学資格を取得された方は、大学入学書類の事前審査  “Vorprüfungsdokumentation” 通称、VPD という手続きを踏む必要があります。

これをせずに出願しても、願書は受け取ってもらえず、破棄されます。

そこでまずは大学入学資格を証明する書類をウニ アシスト という機関に送って、審査してもらいましょう。

 

この審査になんと4週間から6週間もかかります。

ドイツ人は仕事が遅れることはあっても、早くなることはないので、まず6週間とみておきましょう。

この返事はまずはメールで、その後、オリジナルは郵送で送られてきます。

これにさらに2週間かかります。

又、日本の住所を書き誤っているていると、郵便物が届きません。

でもメールアドレスさえ正しく書いていれば、メールで届いたもので出願できます。

勿論、審査結果が、

「出願条件を満たします。」

とあった場合に限られます。

大学入学資格を満たすドイツ語能力証明

ハンブルク大学の入学資格を満たすドイツ語能力証明には、以下の方法があります。

  1. ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、TDN 4 あるいは TDN 5 に合格する。
  2. ドイツ語の検定試験 Telc にて、C1 あるいは C2 で合格する。
  3. ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-2 あるいは、DSH-3 試験に合格する。
  4. ゲーテ・インスティテュートの検定試験 C-1 あるいは C-2 試験に合格する。

ハンブルク大学 オンライン出願

無事、VPD をに合格すると、これから出願です。

ハンブルク大学への出願は、オンラインでの出願です。

ウニ アシストからの通知、それに出願書類を高解像度でスキャンして、書類の準備をしてください。

あとはオンライン出願ページでアカウント(口座)を作成しましょう。

個人情報を入れ、専攻を選んで、書類をアップロードして送信するでだけ!

書類を送る必要が(医学部を除き)ありません!

出願書類

詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。

入学できる時期

ほとんどの専攻では冬ゼミ / Wintersemseter から学業を始めることになっています。
数は少ないですが、夏ゼミ / Sommersemester から始めることができる専攻もあります。

出願時期

夏ゼミの出願期限は、12月1日です。冬ゼミの出願期限は、6月1日です。

この日までに大学に願書が届いている必要があります。

ハンブルク大学 – DSH 準備コース

ハンブルク大学には DSH 準備コースを提供していません。

市内の語学学校で入学に必要なドイツ語の検定試験に合格してから、出願することになります。

ドイツの語学学校 50選!全土から優秀な学校を選りすぐり

大学出願サポート

大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。

しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、

「ホームページを読んでくれ。」

とだけ書かれています。

そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。

こちらは有償のサポートになります

 

出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。

これまで2001年以来、何度もお客様の出願をしてきましたので、大学が出願者に何を要求しているか、熟知しております。

出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。

ドイツの大学に正規留学 – まずは正確な情報収集から!

ハンブルク大学 出願関連 質問集

皆さん、初めて ハンブルク大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。

ほぼ毎日、大学出願に関するお問い合わせいただきますが、その内容はいつも同じもの。

そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。

お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。

大学出願質問集 – 正規留学 & 入学資格に関して