ドイツで就職 する環境は、日本のそれとは全く異なります。

日本のような

「4月に一斉入社」

なんてありません。

ポストに空きが出れば募集するので、通年、応募できます。

もっとも日本の会社のような社内教育はありません。

ドイツ企業が求めるのは、即戦力になる人材です。

さらにはEU外からの外国人には、就職制限があります。

そんな事とは露知らず渡独。

その後、

「仕事が見つかりません。」

と相談いただくこともしばしば。

そこで今回はドイツで就職活動、3度転職して起業した私の経験を元に、ドイツで就職するには何が必要なのか、解説したいと思います。

ドイツで就職 する際の問題点

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ドイツ留学される方なら、

「ドイツで就職できるのかな。」

と、考えたことがあると思います。

折角、留学してドイツ語を習得したなら、ドイツ語を活かせる仕事に就きたいと思うのは自然の理。

ただし日本と違って、外国での就職はそう簡単にはいきません。

とりわけ問題なのは、まだドイツ語もできないのに

「ドイツで就職する。」

と、日本の仕事それも公務員という確実な仕事を辞めて、ドイツに職探しにこられるケース。

出発前に相談いただければアドバイスもできたのに(有償)、今となっては

「頑張ってください。」

としか言う言葉もなし。

質問
何が問題なの?

 

という方の為に、これから問題点を解説していきます。

マイスター制度の壁

皆さんもご存じの通り、ドイツには

「マイスター制度」

があります。

簡単に言えばまずは徒弟として3年間、安月給でこき使われて、仕事のイロハを覚えます。

3年後、

「徒弟試験」

に合格して初めて、

「職人」

とみとめられて、一人前のお給料が払われるようになります。

この徒弟制度はスーパーのレジから電気工事技師まで、ほぼすべての職種に存在しています。

このような背景があるので、

ドイツで就職するには職業訓練の終了証、あるいは国家試験の合格証が必要です(*1

 

理髪師なら国家試験を受けるので、大丈夫。

でもほとんどの日本人は、そんな終了証は持っていません。

すなわち!

ドイツで就職するなら職業訓練学校に通って、専門知識と技能を身に着ける必要があります。

詳細はこちらで解説しています。

ドイツの専門学校 – 日本人は通えないって本当?

資格・技能が命運を分ける!

上述の通りドイツで就職するには、資格・技能が欠かせません。

私のように

「自衛隊で戦車乗ってました。」

では、ドイツ就職市場では使い道がありません。

戦争中ならまだしも、、。

そこであなたが、

「ドイツに行って就職しよう!」

と決断する前にあなたにどんな資格・特技があるか、冷静に分析してください。

もし、

「戦車の運転免許がある(*2)。」

程度なら、ドイツで就職は考え直したほうがいいです。

質問
でもあなたはドイツで就職できたじゃないですか?

 

それは私が自分の欠点を自覚して、別の資格・特技を身に着けたからです。

ドイツ語能力を磨け!

ドイツ語能力を磨け!

職業訓練学校に通わないで、ドイツで就職する最短の方法は日本企業への就職です。

日本企業は社員を雇用してから、

「社員教育」

を施してくれるからです。

もっともドイツには、

「ドイツ語を話せます。」

という仕事を探している日本人が何百人と居ます。

こうした競争相手と同じレベルでは、就職のチャンスは低いです(*3)。

そこで私は、C1レベルの終了試験に合格するまで、徹底的にドイツ語を学びました。

「ドイツ語でセールスできます。」

「通訳もできますよ。」

レベルまでドイツ語を磨けば、

「そんな人は滅多にいない。ウチで働いて。」

と、お声がかかります。

お陰で戦車の運転免許の資格しかなかった私が、三度の転職が可能になりました(*4)。

最低 B2終了レベル

こうした自身の経験から、

「まずは語学学校で、B2終了レベルのドイツ語を習得してください。」

と、お客さんに言ってきました

ドイツの語学学校 50選!全土から優秀な学校を選りすぐり

でも、99%のケースでB1レベルに達すると

「あとは仕事をしながら、ドイツ語能力の向上に努めます。」

と、語学学校を辞めていかれます。

しかし仕事を始めると、あなたのドイツ語能力はメキメキ下がっていきます。

 

C1終了レベルなら、それでも結構、

「長持ち」

します。

B1レベルで仕事を始めると語学力が足らないことを日々実感、

「もっとちゃんとドイツ語をやっておけばよかった。」

と自分のドイツ語能力に腹が立ち、後悔します。

加えて

ドイツで給料アップするなら、転職しかありません。

 

なのにその程度のドイツ語能力では、転職は到底無理。

ず~っと安月給で働く事を迫られます。

「早く就職したい!」

という気持ちはわかります。

長い将来を見れば、

「急がば回れ。」

です。

ドイツで就職するなら最低でもB2終了レベルまで、ドイツ語を習ってください。

労働許可証を取得する

次はドイツで就職する際の、法律上の問題点を見ていきましょう。

そもそも、

日本人がドイツで就労するには、労働許可証(Arbeitserlaubnis) が必要です。

 

 

そしてこの労働許可証は、申請すれば降りるような簡単な代物ではありません。

労働許可証を申請する前に、まず仕事を見つけてこなければなりません。

その仕事もドイツ人でもできる仕事ではなく、

「日本人じゃないとできない仕事。」

である必要があります。

ドイツには2023年の11月の時点で、260万もの失業者がいます。

なのに

「ドイツ人でもできる仕事」

に就職しようとすると、ドイツ人失業者を優先するので申請は却下されます。

しかし日本人にしかできない仕事なら、ドイツ人を雇っても仕方ありませんから、労働許可証がもらえる可能性があるわけです。

こうした日本人にしかできない仕事の典型が、日系企業での仕事です。

申請手順

運良くこうした

「日本人にしかできない仕事」

を獲得したら、その会社に

「この部署の仕事は日本人にしかできないので、この人物を雇わなければ仕事ができない。」

という趣旨の手紙を一筆書いてもらいます。

質問
日本語で?

 

ドイツですから、当然、ドイツ語です。

雇用契約書、それにこの手紙をもって、外人局に労働許可証の申請に出向きます(*5)。

勿論、パスも持参。

ここで申請を受け取ってもらえれば、3~4週間後には返事がポストで届きます。

皆まで言えば、

この労働許可証は、労働許可証を申請した仕事先に就職している限り有効です。

 

仕事先を解雇されたり、転職される場合は、あらたに労働許可証を申請する必要があります。

ドイツの大学を卒業した場合

ドイツの大学を卒業した場合

勿論、皆が職人になるわけではありません。

手に職をつけるのではなく、大学で専門知識を身につけて就職する方法もあります。

ドイツの大学を卒業すれば日本人でも、

「ドイツが必要とするその道のエキスパート」

と見なされて、ドイツ人同様に仕事に就くことが可能になります。

更新が面倒な滞在ビザもドイツの大学を卒業すれば、

「仕事を探しています。」

と言うだけで、9か月まで延長できます。

ただし!

何度も言うように、ドイツの会社はすぐに戦力になる人材を探しています。

日本のように大学では理論だけ、会社に入ってから社内教育で実践を学ぶという悠長なシステムはドイツにはありません。

そこでドイツでは大学で学びながら、企業で研修を行うデユアルシステム /”Duales System”を取り入れています。

働きながら大学で学ぶ – Duales Studium とは?

日本で専門分野の資格を取っている方、さらにはすでにその分野での仕事の経験があれば、ドイツでも十分に通用します。

こうした専門家 & 技能者のドイツへの移住を容易にするために、専門技能者移住法という移民法があります。

ドイツで就職 – 専門技能者移住法でドイツに移住!

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ドイツではコンビニやレストランで働く単純労働者は余っています。

その一方で、専門技能者が全然足りていません。

産業は、

「仕事があるのに、これをさばく人材がいないのでこれ以上受注できない!」

という贅沢な悩みを抱えています。

世界中の企業と争う今日、このままでは産業の競争力を失うことにもなりかねません。

そこで政府は2019年、

“Fachkräfteeinwanderungsgesetz”(専門技能者移住法)

を国会にて可決、2020年3月1日より施行されました。

 

この法律の骨子は以下の通りです。

  •  大学卒業者、技能者を専門技能者と包括
  •  資格の認可、雇用契約書の事前取得制度の省略
  •  人材が不足する専門分野での上限の撤廃
  •  専門職、あるいが大学卒業者がドイツに仕事を求めて入国することができる(要ドイツ語知識と生活費の証明)
  •  認可手続きの中央化、簡素化

という内容です。

官庁言語でわかりにくいですが、要約すると

「大学卒業者、あるいは専門職の資格があれば、ドイツに職探しに来ることができる!」

 

というわけです。

専門技能者移住法 改正

満を持して導入された専門技能者移住法ですが、2023年に改正されました。

質問
なんで?

 

ほぼ機能しなかったからです。

ドイツの最大の欠点は(ネオナチ問題を無視すると)、

「日本にも匹敵する硬直した官僚システム」

です。

外人局に問い合わせをしても、ほぼ100%返事が来ないのがドイツ。

だったら、引く手あまたの専門技能者は

  1. もっと待遇がよく
  2. 英語が通じて
  3. ネオナチのいない

カナダやオーストラリアに行っちゃいます。

結果、

「冷遇されるドイツに移住しよう!」

という人はかなり稀でした。

そこでカナダやオーストラリアに負けないように、手続きが簡素化されました。

専門技能者移住法 最大の変更点

専門技能者移住法の改正にあたり

「お役所仕事を可能なかぎり減らす。」

という点に重点が置かれました。

これまでは日本で取得した資格を

「ドイツの資格と同等かどうか、お役所の認可が必要」

だったんですが、

「返事をよこさないお役所から、どうやって認可を取る?」

が最大の問題でした。

そこで

「渡航前の資格の認可は必要なし」

として、

外国人が本当に仕事ができるかどうかは、就職先の企業が決める。

 

としました。

かなり思い切ったものです。

だからと言って、

「医師免許も持っていないのに、ドイツに行けば医師として働ける!」

というわけではありません。

わざわざ言うまでもないかもしれませんが、念のため。

資格の認定が必要な職業

資格の認定が必要な職業

専門技能者移住法の改正後でも

“reglementierte Berufe”(直訳 : 規制された職業)

への就職は、今後も認定が必要です。

質問
何ソレ?

 

わかりやすく言えば、その職業を行うのに国家試験などが必要な職業を指します。

例を挙げれば医師、看護師、教育者、建築家などです。

ブランデンブルク州のホームページにて、どんな職業がこの”reglementierter Beruf”に相当するのか、詳しく記述されています。

資格の認定が必要ない職業

資格の認定が必要な職業がある一方で、

「仕事の経験があれば資格の認定は要らない。」

という職業があります。

例えばIT部門の専門家。

2年の職業経験があれば、ドイツで働けます。

大学教育は必要なし。

加えてIT部門の専門家の場合は、

「ドイツ語は話せなくても可。」

です。

これまでは大学の卒業者、あるいは3年の職業経験者、最低でもB2レベルのドイツ語だったので、大きな緩和です。

加えて、

「人手が足らない!」

と叫ばれている職業なら、IT分野の専門家と同じく素早く職業に就けます。

そのひとつがトラックの運転手。

こちらも職業経験があれば、ドイツ語ができなくても就職可。

必要なドイツ語能力

これまでの専門技能者移住法では、

「B2レベルのドイツ語能力」

と書かれていました。

これが緩和されました。

なんと

「A2終了レベルのドイツ語」

で十分です。

これなら語学学校に4~5ヶ月通うだけ。

その後、日本で働いていた分野で仕事を探すことができます。

就労を目的に渡航が可能に!

ドイツに限らず、欧米では就労目的、あるいは職探し目当ての入国は禁止されています。

入国審査で入国目的を聞かれます。

ここで、

「仕事を探しに来た。」

と言ってしまうと、入国を拒否されます。

語学学校に通っているお客さんは滞在ビザ申請の際、

ドイツの滞在ビザ を一発で取る! 極意をドイツの達人が伝授

「将来は、仕事を見つけて働きたい。」

なんて正直に漏らしたことがありました。

すると外人局の担当者は、

「職探しで来ているなら、ビザは出さない。」

と、ビザの発給を拒否しました。

ちゃんと語学学校に通っているのに!

それほど厳しかった職探しのための入国が今後は堂々と、

「仕事を探しに来ました。」

と言っても入国を拒否されず、外人局で正式に仕事探しのための滞在許可が下ります。

ドイツで就職 – ブルーカードとは?

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ドイツで就職というテーマでも、日本語で検索して情報を探る方が大半です。

中には

「ドイツ 就職」

と検索せす、

“doitsu shushoku”

とローマ字で検索される方も。

ローマ字も日本語ですよ!

検索結果はどちらも同じです。

日本語で検索して出てくるのは、99%フェイクニュースです。

 

こうした検索をへて情報を収集された方から、

「ドイツの大学を出てブルーカードを取得して、現地で働きたい。ついては、、」

というお問い合わせをいただきました。

間違いです。

そもそもブルーカードはIT分野など、ドイツで不足しているエキスパートを招くために設置されたのが始まりです。

 

もしあながたそのような技能を備えていえれば、新たにドイツの大学を卒業する必要ありません。

又、ドイツの大学を出ても、ブルーカードはもらえません。

ブルーカード 改正

専門技能者移住法の改正に伴い、あまり機能していなかったブルーカードも適用条件が改正されました。

皆まで言えば名前も

Die Blaue Karte EU(EUブルーカード)

となりました。

もしあなたが以下の3つの条件

  • 大学卒業
  • 雇用契約書がある
  • 年収4万5552ユーロ以上

を満たせば、EUブルーカードを申請してドイツで働けます。

注意点はふたつ。

  • 大学の卒業がドイツの大学卒業と同等である事
  • 大学で学んだ専門職に就くこと

というのも、

「日本の大学はドイツの大学よりも劣る。」

という見方が一般的。

もしあなたの大学卒業証書が、

「ドイツの大学と同等である。」

と認定されれば、ブルーカードの適用条件を満たします。

ドイツで就職 – 雇用先の探し方!

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もしあなたが専門技能者で、

「ドイツで働きたい!」

と思っているなら、まずはドイツ語を習ってください。

質問
どのレベルまで?

 

上述の通りB2終了レベルまで。

あとは簡単です。

ドイツで就職先を探すには、労働局に行って正式に

「技能労働者移住法に拠り、就職先を探してます!」

といい、認定済の専門技能者の資格と履歴書を一緒に預けます。

あとは連絡が来るのを待つだけ!

応募冊子 /”Bewerbungsmappe”

ドイツでは履歴書は、応募冊子 /”Bewerbungsmappe” という冊子に入れて、郵送するのが一般的。

「応募サッシは何処でも売ってます。」

というと誇張ですが、文房具を置いている店なら、何処にでも置いてあります。

勿論、アマゾンでも。

最近では PDF 形式での応募書類の提出を求める会社も多くなりました。

自分からアタックする

が、労働局の仕事はちと(かなり)遅い。

そこで自分から積極的に探したい場合は、労働局のパソコンであなたの専門分野の募集を探します。

そこから、

「ここがいいな。」

という就職先を選んで、応募しましょう!

ただし!

ドイツ語が必要な職種、看護師や医師などでは、ドイツ語能力の証明なしでは就職は難しいです。

さらに!

ドイツ語が必要な仕事の場合、まだドイツ語ができないうちに面接に行くと相手に与える印象がよろしくありません。

急ぐ気持ちはわかりますが、ドイツ語が

「ものになっていない」

のに面接に臨むのは、あまりよろしくありません。

ネットで探す

ドイツでもネット上での人員募集がメインになりつつあります。

「労働局を通して、仕事を探すべし!」

と決まっているわけでないので、どんどんネットを使って仕事探しをしてましょう。

ドイツで大手の私企業のプラットフォームは以下の通りです。

ドイツで就職 人気の職種

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ドイツで

「喉から手が出るほど欲しい」

人材は、エンジニアなどの理系の人材です。

その中でも人材の取り合いになっているのが、プログラマーです。

友人のプログラマーは数か月で2回も転職して、お給料が文字通り倍増。

おまけにプログラマーはドイツ語なしでも、仕事ができる利点があるので、

「即就職」

も可能な分野です。

その次が看護師、学校、幼稚園の先生なども人材が不足しており、人気です。

優秀な人材ほど頻繁に転職

日本では転職を

「裏切り」

と考える方がいるのに驚きました。

ドイツでは優秀な人材ほど頻繁に転職します。

 

というのも会社は、他社に負けない製品を開発する為に少々多くのお給料を払っても、優秀な人材を確保したいんです。

だから

「転職は能力がある証」

と考えます。

逆に10年も同じ職場に居ると、

「能力がないから転職できない。」

「向上心がない。」

と考えます。

それよりも転職しないと、お給料が上昇しませんよ!!

お給料交渉 – ドイツで就職

お給料交渉

労働組合がある会社なら、組合が賃上げ交渉をしてくれます。

そうでない場合は、あなたが人事部長、小さな会社なら社長とお給料交渉をすることになります。

そこで、

「お給料を上げてください。」

と言うと、

「君はどんな成果を出した?」

と聞かれます。

何も言えないと、

「じゃ、会社の規定通りインフレ分だけお給料アップです。」

と言われて終わり。

私はセールス担当だったので、1年に新規獲得した会社とその売り上げをまとめた書類を準備。

「1年で会社の売り上げをこれだけ増やした。」

と言えば社長も、

「ぐうの音。」

も出ません。

お給料交渉では、お給料アップの根拠となる

「物的証拠」

を出せると、とっても有利です。

よく寄せられる質問

質問 ブルーカードは、何処で申請すればいいんですか?

回答 お住まいの地区の担当の外人局で。

質問 日本にあるドイツ領事館では申請できませんか。

回答 「ドイツで申請できます。」と言われて、多分、断られます。

ドイツの生活 & 労働環境

ドイツの生活 & 労働環境

正直に言います。

日本で快適な生活を送っている方には、ドイツに移住することの利点より、マイナス面の方が多いです。

ドイツに移住すると、生活の基盤となる交友関係が失われてしまうからです。

この為、

「毎日が楽しい。」

という方は、ドイツで就職なんて考えない方がいいです。

又、ドイツのシステム、ドイツ人の慣習は、慣れ親しんだ日本のそれとは大きく異なります。

ドイツ生活の当初は間違いなく、大きなカルチャーショックを受けます。

 

その後、徐々に慣れてくるのですが、最初の1年は辛抱の年になります。

そして1年を過ぎると、ドイツの自由な風潮が快適で日本には帰りたくなくなります。

私自身、気が付くと24年も住んでいました!

ドイツ生活の利点

ドイツ生活の一番の利点は、社会保障制度です。

日本ではお金持ちだけしか受けれない高額な治療、癌治療からエイズ治療まで、外国人、難民、失業者などの人種、職種、収入を問わず、

「国民健康保険」

に加入さえしていれば、誰でも受けれます。

ドイツの健康保険制度 – 低所得者に優しい国民皆保険

そもそも高額治療は保険でカバーされているので、日本のような癌保険も存在していません。

さらにお子さんと一緒に移住される方には、利点はもっと大きくなります。

  1. なんとベルリンでは、幼稚園は無料!
  2. さらにお子さんには毎月219ユーロの子供育成補助金が支給されます!
  3. それもなんと18歳になるまで!(ケース バイ ケースで25歳まで支給されることも!)

 

日本の最高裁は、

「外国人は永住権をもっていても、生活保護など補助金をうける資格がない。」

と判断しましたが、ドイツでは国籍による差別はありません!

ちゃんと就職して税金を払っていれば、ドイツ人と同じように扱われて、社会保障制度の恩恵を受けることができます。

フラットな人間関係

私がドイツで一番住みやすいと感じたのは、日本のような目上、目下の関係がないことです。

 

人間関係は日本のような垂直型ではなく、フラットな水平型です。

年上である事を理由に威張りたい方には向いていませんが、人間関係で悩んでいる方にはドイツは天国です。

ドイツでも大きな会社に就職すると上下関係がありますが、中小企業はフラットな人間関係です。

上司から社長まで、

“Du”(お前)

で話しかけることができます。

当然、

「今晩は飲み回があるから付き合え。」

なんて強制、もとい、お誘いはありません。

ドイツではそもそもそんな飲み会は、誰かが退職する際にしか開催されません!

そしてドイツ人は顔見知りをしません。

ドイツではエレベーターの中から、更衣室、診療所の待合所、電車のホームなど、見知らぬ人の間で自然に会話が発生します。

あまりに簡単に知り合いができるので、3年も住むと、

「一人でこっそり、、。」

ということができません!

街中に知り合いがいます。

車を降りた途端、

「よう、元気か?」

と、通りすがりの車から話しかけられ、

「あっ、もう見つかった。」

と、常にどこかで観られています。

これが異性との間でも通用するので、なかなか一人でいることはできません。

大事なのは好奇心を持って、心を広げて、こちらかも積極的に話しかけることです。

日本と違い、とても広い年齢層に交友関係が広がります。

自由な風潮、男女平等

日本に住んでいても、自由な気がしているかもしれません。

実際には社会の重圧で行動、思想を縛られています。

ドイツに来るとその重圧がないので、一気に解放された気分になります。

いい例が同性愛。

ドイツではタイと同じほど、

「自称同性愛者」

が多いです。

実は同性愛者の割合は、何処の国でも同じです。

しかし日本では差別の対象になるので、これをひた隠しにして生きている人が大半です。

でもドイツでは性の趣向を隠す必要がない!

自分のまま生きることができます!

そしてとりわけ女性には、ドイツで活躍できるチャンスが高いです。

日本と異なりドイツでは性別、外見ではなく、能力で人を判断するので、実力さえあれば出世できます。

例外は、

「結婚したら、仕事を辞めて家庭に入りたいなあ。」

と思っている方。

ドイツでは結婚して出産しても、育児休暇、母親休暇の後、職場に復帰するのが当たり前です。

ドイツで就職 年次休暇は最低20日

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そのドイツで週5日勤務の仕事に就くと、

「最低休暇日数は20日」

と、法律で定められています。

もっとも最低休暇日数を本当に採用している会社は、稀。

いい意味で!

企業は優秀な社員を獲得するため年次休暇日を増やしており、

ドイツの年次休暇の全国平均は28.9日です!

 

愚痴
年次休暇日数が多くても、日本のように消化できないければ意味がない!

 

という苦情が聞こえてきそうですが、ドイツでは消化できなかった休暇は、会社が社員にお金で払うことが義務になっています。

すると会社が払うのはお給料だけでなく、会社が負担する社会保障費(税金、年金、健康保険料、失業保険料、エトセトラ)も払わなければなりません!

これは会社にとって負担になるので、

「頼むから休暇を取ってくれ。」

と言ってきます。

日本とは正反対です!

休暇中も病欠可!

皆までいえば、休暇中に病気になると休暇としてカウントされません!

休暇先で病院に行き、診断書を貰って会社に送付。

するとあなたの年次休暇の日数は、そのまま維持されます。

注釈 – ドイツで就職

*1    理髪師の場合はこの終了試験がマイスター試験で、合格すればマイスター認定証が出て、自分の店を開けます。

*2     大型特殊 カタピラ限定という免許です。 ドイツの免許に書き変える際、「一体、日本で何に乗ってたんですか。」と領事館員に聞かれ、

「戦車です。」と言うと、大笑いしてました。

*3    あなたが「あっ!」と誰もが振り向くような容姿を持っていれば、話は別。

*4     ドイツでは転職しないとお給料はあがらないし、キャリアも積めません。才能のある人は、ばんばん転職してお給料を上げ、キャリアを積みます。

同じ会社にずっと要るのは、他の会社が欲しくもない人材であるケースが多いです。

*5     あらかじめ滞在許可証と取っている人の場合。また滞在許可証を持ってない方は、滞在許可証と労働許可証の同時申請になります。