ドイツ式 就職面接の作法と心構えは、日本のそれと

「天と地」

ほどの違いがあります。

あらかじめドイツで生活してから仕事の面接を受けるなら、ある程度の

「経験」

があります。

でも日本から直接、ドイツ企業に面接に行くと経験値ゼロ。

そんなケースで失敗しないように、ドイツで面接を受ける際の作法と心得を紹介いたします。

仕事を探す

仕事を探す

まずは仕事探し。

私が仕事を探していた当時は、新聞広告がメインでした。

有名企業は各社こぞって、新聞の求人欄に求人広告を出していました。

今ではこれはほとんどネットに以降。

検索サイトに入れるキーワードは

”Job suche”(求人探し)

です。

もし、

「ミュンヘンじゃなきゃ嫌だ!」

ミュンヘン 人気の観光名所を徹底解説!

という貴兄は、上述のキーワードに町の名前を付け加えるだけ。

あるいは探している職を直接入れると、手っ取り早いです。

あなたが寿司職人なら

”Job suche”+ 寿司職人

と入れるわけです。

勿論、ドイツ語でね!

職安や人材派遣センターを利用する

その他にも職安や人材派遣センターを利用する手もあります。

リンク先 : 職安求人ページ

 

私が失業時、

「まさか日本人を探している会社なんかあるわけない!」

と高を括っていたんですが、いました、、。

職安から、

「この会社が面接したいと言ってるから、面接に行ってこい。」

と連絡が。

ただし!

職安で従業員を探している会社は、高給待遇、あるいは秀でた技術を持っている人材ではありません。

もしあなたに秀でた専門技術があるなら、人材派遣センターを利用したほうがいいです。

人材派遣事務所は人材を派遣すると、

「3か月分のお給料」

が報酬として入ってくるので、あなた以上にあなたを売り込んでくれます。

直接応募する

もし、

「やっぱりドイツを代表する大企業に就職したい!」

という場合は、その会社のホームページを見るのが一番。

ほとんどの会社は

「採用について」

という項目があり、どんな才能をもった人材を探しているか、詳細に書かれています。

疑問は一般常識で解決 – 就職面接の作法と心構え

応募する前にいろんな疑問が出てくると思います。

でも、これを根掘り葉掘り応募先に聞くのはよろしくありません。

何故だかわかりますが。

「ここはどうなんだろう?」

と疑問に思う点のほとんどは、一般常識で解決できるからです。

一般常識で判断できる事を雇用者に聞くと、

「この応募者は、一般常識に欠けている。」

と、願書も送っていないのに評価が台無しになります。

写真は要りますか?

応募先に聞かなくても一般常識でわかる疑問の代表的なものが、

「履歴書に写真は要りますか。」

という疑問です。

ここでは何が一般常識なのでしょう?

それは、

「写真は必要なし。」と書かれていない限り、履歴書に貼るのが一般常識です。

 

寝癖のついた髪形、よれよれのTシャツの写真を履歴書に張るようでは、

「この応募者はやる気がない!」

と思われてしまいます。

できるだけ写りのいい写真を選んで、なければ写真屋で撮影してもらいます。

一度、ドイツ人の履歴書を見てください。

「これが本人?」

と思えるような立派な写真を履歴書を送ってきます。

待遇 & 給料

待遇 & 給料

通常であればアルバイトの場合は募集要項に、お給料が明記されています。

が、就職になると書かれていません。

そこで履歴書を送る前から、

「幾らもらえますか。」

と待遇や給与を聞くのは

“No Go!”

です。

待遇 & 給料は、面接の時点で明かされるものです。

 

なのに面接前から待遇について尋ねる程度の常識では、採用の見込みはありません。

仕事に応募する

探している仕事がアルバイトであれ、

【必読】 ドイツでアルバイト できるの?

就職であれ、求人の広告を見たら次は応募です。

応募に必要なものは?

そう、履歴書です。

と思ったアナタ!

それは日本の話です。

ドイツでは

”Bewerbunsmappe”(応募フォルダー)

が必要です。

ここに応募に必要な書類を入れて、応募先に郵送します。

応募フォルダーは筆記具を売ってる店なら、必ず置いてます。

あるいはアマゾンで。

アマゾン : Bewerbunsmappe

履歴書 – 就職面接の作法と心構え

履歴書

その応募フォルダーに欠かせないのが履歴書です。

履歴書を作成する場合、応募先が日本企業でも、

日本の文房具屋で売ってある履歴書フォームは使わない方が賢明です。

 

応募で一番大事なのは、オリジナリテイー(独創性)です。

自分で考える努力を放棄して、安直に規格の用紙を使うと印象がよろしくありません。

もっともアルバイトの応募なら、

「学生だから仕方ない。」

と大目に見てもらえることもあります。

が、就職の応募でこれを使うと一発でアウトです。

知り合いの日本人経営者、

「文房具屋の履歴書フォームを送ってくる日本人がいる。」

と、嘆いていました。

履歴書などはPCの前に座って、自分なりのオリジナリテイー(いい意味で!)のある履歴書を作りましょう。

趣味、経歴、学歴

日本の履歴書では趣味を欄がありますが、ドイツでは必要ありません。

 

それよりも自分の技能、経歴、学歴についてわかりやすく、項目に分けて書きましょう。

こうした要点がわかりやすく書かれているだけで、

「書類を読む人の心理をよく理解している。」

と、いい印象を与えます。

履歴書の言語

アルバイト応募の詳細が日本語のみで書かれている場合は、日本語の履歴書が要求されている事を意味します。

 

「ドイツ語の履歴書は要りますか。」

などと聞かないで、これにドイツ語の履歴書を添えたり、ドイツ語ができない場合は英語の履歴書を添えましょう。

こうすることで、

「おお、この応募者は英語ができる上、気遣いまでできる!」

と評価があがります。

かってダイナマイトの発明で大金持ちになったノーベル。

社長秘書を探すために、新聞に三ヶ国語で求人広告を載せました。

するとある女性は、そんなことは要求されていないのに、三ヶ国語で履歴書を作成して応募しました。

この応募にいたく感心したノーベルが彼女を採用したのは、あまりに有名な話。

こうした努力は、雇用者にとてもいい印象を与えるものです。

履歴書作成サポート

「オリジナリテイーのある履歴書を作れ!」

と言われても、

「ドイツ語の履歴書なんか書いたことがない!」

という貴兄。

ご安心あれ。

自分で作れない場合は、ドイツの達人がドイツ語で履歴書を作成いたします。

ドイツ生活サポート ドイツの達人があなたの悩みを解決! 

【日本と違う!】ドイツ式 就職面接の作法と心構え

【日本と違う!】ドイツ式 就職面接の作法と心構え

無事、書類審査に合格したら次は

Vorstellungsgespräch(面接)

です。

ドイツ企業での面接は日本での面接とかなり異なります。

言い換えると、日本では

「礼儀正しい」

という作法が、ドイツでは

「はああ?」

となる事も。

その逆もしかり。

そこでここではドイツ式 就職・面接の作法と心構えについて紹介します。

服装

始めて面接に行く場合、

「どんな服で行けばいいのですか。」

と悩むかもしれませんが、答えは簡単。

持っている服の中でできるだけフォーマルなものを。

男性なら背広にネクタイ。

学生でまだ背広がないなら、せめて袖のあるシャツ。

穴あきズボンは、

“No Go”

です。

時間を守れ!

面接ではアポイントの時間の15分前に到着するのは、常識です。

質問
何故ですか?

 

受付で、

「今日、〇〇時にアポイントがある〇〇です。」

と相手に伝えると、

「お、時間前に来て待機(準備)するなんて気合が入ってる!」

と会社側が(勝手に)期待してくれる(こともある)からです。

本当の理由は、初めて行く場所なので道に迷う確率大。

遅れて到着したら最悪なので、早めに到着するように計画するためです。

おじぎは慎むべし!就職面接の作法と心構え

面接に行って、

「〇〇さん。」

と呼ばれた際、あるいは面接官と会った際

「おじぎ」

をするのはできるかぎり慎みましょう。

日本だと礼儀正しいかもしれませんが、ドイツ人には理解できません。

日本人が

「ペコペコ」

している姿は、ドイツ人にはこっけいにさえ映ります。

握手 – 就職面接の作法と心構え

握手はあなたの印象を決める!

日本人は初対面での挨拶に結構な比重をおきます。

これはドイツ人も同じ。

ただし!

ドイツでの挨拶は

「おじぎ」

ではなく握手です。

ドイツでは握手があなたの印象を決めます。

 

ところが日本人は、その肝心の握手ができない方がほとんど。

質問
どこが悪いの?

 

「握手」

という言葉が示すように、握手は相手の手を握ります。

なのに日本人は手をふれるだけ。

グリップが弱いだけで信用性がガタ落ちです。

加えて日本人は、相手の顔から目をそらします。

ドイツ人は、

「何か隠し事があるので、まっすぐ目を見ることができない。」

と考えます。

自分の面接の番がやってきたら、部屋に入るなり面接官の目を見据えて、

「これでもか!」というくらい強い握手をしてください。

 

面接官が女性だったら握手はしっかりと、しかし力一杯握る必要はありません。

日本と違う!面接官の態度

ドイツでアルバイトや仕事の面接に行くと、日本のような

「意地悪な面接官」

に遭う事は(ほぼ)ありません。

そもそもドイツで日本の面接官のような意地悪な態度を見せたら、

「こんな奴の下で働きたくない!」

と、いい人材がよりつかないからです。

ドイツで仕事の面接に行くと、会社側もできるだけいいイメージを与えようと腐心しているのが、日本企業の面接との大きな違いです。

日系企業での面接

次にあまりよくない話をします。

日本人である事を利用してアルバイト & 仕事を探すなら、往々にして面接官は日本人。

すると

「日本の面接のしきたり」

が採用されています。

日本企業で面談する場合、シャキシャキと回答しましょう。

「それはちょっと。」

などという言葉使いは、

“No Go”。

わからないことを聞かれたら、

「それについては勉強不足で、わかりません。」

と、ちゃんと文章で回答すべし。

すぐに答えが浮かばなかったり、質問の意味が飲み込めない場合は、

「こういう意味かな?」

と、一か八かの回答をしては駄目。

「質問はこういう意味ですか。」

と面接官に聞き返しましょう。

こうした慎重な程度は、面接官にいい印象を与えます。

これに成功すれば、

「ストレスの下でも、ちゃんと仕事ができる。」

と、相手にいい印象を与えます。