今回はドイツのエリート大学 WHU を紹介します 。
2025年に行われた
「起業ランキング」
で、あのミュンヘン工科大学を抜いて、堂々の1位に君臨したエリート大学。
なのに日本では完全に無名。
以下に詳しく紹介いたします
目次
WHU とは?
まずは名前から。
御推察の通りWHU は略称です。
略さないと
“Otto Beisheim School of Management”
が正式名称です。
念の為、フリガナもふっておくと、
「オットー バイスハイム スクール オブ マネージメント」
です。
すなわち!
正式名称の略称は、
”OBSoM”
で、
でも、間違った略称がそのまま使われています。
この為、あのグーグルでさえ略称で検索すると、おかしな検索結果が出てきます。
(検索言語が日本語になっていると。)
しかるに何故、大学は
「誤った略称」
を大学の名称として使っているのでしょう?
WHU の語源
実は大学の正式名称として使われている
“WHU”
は大学創設時の名前、
“Wissenschaftliche Hochschule für Unternehmensführung“
の略称なんです。
その後
“Otto Beisheim School of Management”
と名前が変ったのに、
オットー バイスハイム
大学の正式名称になっている
「オットー バイスハイム」
は、ドイツの起業家です。
ドイツ人なら誰でも知っている”Metro”という法人専用のスーパーを創設。
ドイツ有数の資産家になりました。
引退後は
「慈善家」
としてあちこちに寄付活動。
その一環として”WHU”にも大口献金。
そのお礼に彼の名前を冠することになりました。
が、問題はここから。
オットー バイスハイムは戦時中、
“Waffen-SS”(残虐行為で有名なナチスの外道集団)
に属していた事が判明。
それも
「アドルフヒトラー親衛隊」
に。
「大学の名前を変えろ!」
という議論が起こりましたが、もうお金は使った後、、
そこで大学は敢えて
「旧姓」
の”WHU”
を使用。
この為、
「正式名所はあまり歓迎されない。」
という影を背負っています。
大学創設史
WHU創設の原動力になったのは、コブレンツの商工会議所です。
1984年、
というお高い目標を掲げて創設。
同年、すぐに大学のあるラインランドーファルツ州から大学と認知されました。
すなわち!
言わずもがな、学費は有料。
それも立派なお値段。
社長や資産家の御子息が通うエリート大学です。
学費
私立のエリート大学と聞けば、
と心配になると思います。
現時点で9100ユーロ/ゼミです。
バチラー課程で。
マスター課程は、卒業までになんと4万9500ユーロも必要です。
社長や資産家の御子息が通うエリート大学ですからね。
仕方ありません。
WHU 大学所在地
そもそも
「大学創設のアイデア」
を出したのがコブレンツの商工会議所なので、大学はコブレンツにあったんです。
大学経営が軌道に乗ったので、
「もっと広い大学校舎」
に引っ越し。
それがコブレンツの北にある
”Vallendar”(ヴァレンダー)
という誰も知らない町の
“Marienburg”(マリア要塞)
というかっての城砦の中。
そう、”WHU”の大学校舎は正真正銘のお城です。
そのヴァレンダー人口は、わずか9000人。
ほぼ村です。
デユッセルドルフ分校
“WHU”はデュッセルドルフに分校を持っています。
それもデユッセルドルフ大学の中に。
今になって思い返せば確かに
“WHU”
と書かれた旗が立ってた!
でも、デユッセルドルフ校では主にマスター課程などが開催。
バチラー課程なら田舎町のバランダーで大学に通う必要があります。
起業率でドイツ語圏一
話は少し逸れますが、
「日本とドイツの学生の描く将来の夢」
が大きく異なる事をご存じですか?
日本では
「東大に入って大企業に就職する。」
が夢のキャリアとされています。
一方、ドイツの学生の夢は、起業することなんです。
この為、
(大学に拠ります。)
だから
「どの高校から東大に最も多く入学したか。」
ではなく、
「どの大学の学生が最も多く起業したか。」
という起業ランキングがあります。
その数でトップに輝くのは、ミュンヘン工科大学です。
ただし!
起業した学生 ÷ 大学に在籍する学生の数
で換算すると
大学のそのホームページで誇らしげに、この事実を知らしめています。
WHU ビジネススクール
ドイツでは州立大学(日本で言う国立大学)が主流で、私立大学の数は少ないです。
おまけに州立大学の学費はドイツ人には無料。
州立大学と同じでは
「誰が好んで大金を払って私立大学で学ぶ?」
となります。
この為、私立大学は差別化しており、その多くは
「ビジネススクール」
です。
スクールと聞くと
「学校」
のように聞こえますが、ちゃんとした大学です。
ドイツにはそんなビジネススクールが幾つかありますが、多くは大企業エリートの育成が主眼。
そこで”WHU”はここでも差別化。
ビジネスアイデアで将来、起業する人材の育成を目指しています。
WHU 学部
州立大学なら毎回ここで、延々と学部を箇条書きしまう。
が、”WHU”だとその手間を省けます。
というのも大学にあるのは経済学部だけ。
学科は
- Betriebswirtschaftslehre(経営学)
- Wirtschaftspsychologie(経済心理学)
だけ。
取得できる学位はバチラーとマスターです。
詳しく知りたい方は下のリンク先を御覧あれ!
出願条件
大学出願条件は
「ほぼ」
州立大学と同じです。
すなわち!
ドイツの大学入学資格、
“Abitur”(アビトウーア)
に匹敵する資格が必要です。
日本の高校卒業では、この資格を満たしません。
一方、日本の4年生大学を卒業されている方は、ほとんどのケースで入学条件を満たします。
英語の資格
“WHU”の講義は英語で行われます。
この為、以下のいずれかの方法で英語能力を証明する必要があります。
- TOEFL Ibt 95 以上
- International English Language Testing System (IELTS) 6,5 以上
- CAMBRIDGE MAIN SUITE OF ENGLISH EXAMINATIONS C以上
WHU 出願書類
詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。
「無償で知りたい!」
という方は大学のホームページを読んでください。
入学時期
出願時期
冬ゼミの出願期限は、10月15日です。
駄目です。
10月15日までに、大学に願書が届いている必要があります。
夏ゼミは5月15日まで。
出願手数料
現時点では出願手数料はなし。
ただし!
2027年から導入が予定されてます。
大学出願サポート
大学出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。
しかしながら英語で問い合わせをしても、通常、返事さえ来ません。
返事が来ても、
「ホームページを読んでくれ。」
とだけ書かれています。ドイツの官庁は一筋縄ではいきません。
そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。
出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。
出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。
出願質問集
皆さん、初めて”WHU”へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。
そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。
お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。