デュッセルドルフ大学 はNRW州都の大学です。
在籍する大学生の数は3万5000人+。
理系から文系までさまざまな学部を提供している総合大学です。
広大な大学のキャンパスはデュッセルドルフのやや南に位置しており、複数の電車の駅があります。
実は私も市内で就職活動をするために、
「入学準備ドイツ語コース」
に半年、通ったことがあります。
通って判明したのは、驚くほどのコースと講師のレベルの低さ。
「ドイツで一番簡単なDSH試験を受けれる大学」
と、陰口をたたかれるのも納得。
もしそんな大学をお探しの方には、デュッセルドルフ大学はうってつけ。
どうすれば入学できるのか、紹介していきたいと思います。
大学の紹介 デュッセルドルフ大学 入学し易い大学ならココ!
まずは、大学の紹介から始めます。
デュッセルドルフ大学の正式名称は、”Heinrich-Heine-Universität Düsseldorf”。
大学関係者は
“HHU”
と略。
この略称を大学外で、それも日本で使うのはやめておきましょう。
「”PUM”に通いたいです。」(*1)
と言われても、何のことやらわかりませんよね?
大学の名前は80年代まで、
「デュッセルドルフ大学」
大学だったんです。
が、
「もっと箔のある名前を冠しよう。」
という話になり、デュッセルドルフから追い出され、流浪の地で死んだユダヤ人の詩人 ハインリヒ ハイネの名前を冠することに決定。
当時は
「有名人の名前を冠して、もっと箔をつけよう!」
とするのが流行った時代でした。
デュッセルドルフ大学 の特徴
デュッセルドルフ大学の特徴は国際化。
ザールランド大学と並んで、
フランス語で学べる専攻を提供している珍しい大学です。
外国人学生の割合も高めで、在籍する学生の15%が外国人です。
「きっと、日本人が多いんでしょ!」
と思った方、外れです。
最大派閥はトルコ。
これにロシア、中国、ブルガリア、グルジア、ウクライナ、、、と、日本人は少数派
その一方でデュッセルドルフ大学は、ヨーロッパ、米国、東欧、そして日本に重点を置いているのですが、日本の大学生には人気がない、、。
私が在籍中していた頃も日本人は稀で、韓国人やグルジア人が多かったです。
大学設立まで
デュッセルドルフ大学が設立されのは、1965年です。
実は16世紀にケルン大司教と対立していたベルク公爵が、法学部を設置したことがありました。
95年後には廃止されました。
次にデュッセルドルフ大学を試みたのは、よりによってナポレオンです。
プロイセンから戦争で分捕った領土を治めるには、いい官僚が必要だったためです。
大学の名前は
「アウグスタ ナポレオン大学」
になる予定でしたが、ナポレオンのロシア遠征の失敗で計画はご破算に。
ナポレオンの敗退後、デュッセルドルフはプロイセンの領土に戻ります。
が、プロイセンは
と、ケルン大学を廃止するほどで、デュッセルドルフ大学設立には至りませんでした。
医学アカデミー / Medizinische Akademie
デュッセルドルフ大学設立のきっかけは、1907年に設立された医学アカデミー / Medizinische Akademie です。
すでに医者の資格を持っている診療医師に、診療上の技術を伝授する機関でした。
第一次大戦後、
“Medizinische Akademie in Düsseldorf”
と改名。
戦争で戦った人を対象に、医学を学ぶことが可能になります(*2)。
この医学部が評判を博して、歯科医学部、外科部などが増設。
NRW州では指折りの医学専門大学に発展。
この医学アカデミーは、国立でも州立でもなく、市立大学でした。
1963年、NRW州が医学アカデミーの財政負担を、デュッセルドルフ市から引きつぐことになります。
その際に、
「どうせならを総合大学設立しよう。」
ということになり、1965に正式にデュッセルドルフ大学設立となりました。
街の紹介
デュッセルドルフは皆さんご存じの通り、ドイツにおける最大の日本人街のある街。
最盛期はバブルの80年代後半から90年代の前半まで。
私がやってきた90年代後半には、ここに会社を置く日本企業も減る一方でした。
これに伴い日本人の数は減少傾向ありました。
とは言え、減少傾向はここ数年、止まったようです。
英国のEU離脱後、EU内で製品を販売する日本企業はEU内に企業を置く必要に迫られて、企業の減退には歯止めがかかったようです。
物価と治安
デュッセルドルフ市内の家賃の高いこと!
30㎡までのアパートの平均家賃は14.80ユーロ/㎡。
国の平均が10.05ユーロなので、67%増し!
ライバルの大都市ケルンの16.28ユーロ/㎡よりは安いけど、、。
予算重視の方には、郊外のノイス、カールストなどをお勧めします。
又、デュッセルドルフ市内のは決してよろしくありません。
私は引っ越しの為、たった一夜だけ路駐していた車の窓ガラスを割られ、車に埋め込み式のナビを盗まれました。😢
最寄り空港
デュッセルドルフの魅力はインフラの良さ!
空港が市内あります。
よりによって旅行日に寝坊、起きたらフライトの1時間前!
大急ぎで空港まで車を走らせると、15分で到着。
間一髪セーフ!
ミュンヘンだったら余裕でアウトでした。
市内交通
市内には路面電車と地下鉄、バスが縦横無尽に走っています。
一度、路線図を頭に入れると、街の隅々まで公共交通機関で行けます。
デュッセルドルフ大学 に正規留学!
冒頭で、
「ドイツで一番入学し易い大学」
と書きましたが、例外は医学部。
そもそもデュッセルドルフ大学の創設の原動力になったので、大学医学部は全国でも評判が高い。
その一方で私が所属した人文学部の歴史学科の教授は、講義には
「便所スリッパ」
で現れ、講義もかなりいい加減でした。
真面目に歴史を学びたい方は、フライブルク大学をお勧めします。
学部と専攻
デュッセルドルフ大学は総合大学で、5の学部の下に110の専攻があります。
大学で提供している専攻は、学位別になっています。
日本人の場合、まずは”Bachelor”(学士)取得を目指すことになるので、ここをクリックしています。
すると学部別に専攻が表示されます。
一番大きい学部が哲学部 / Philosophische Fakultät(*3) です。
文学、文献学、言語、民俗学、歴史などの専攻があり、ほぼ全体の4割の学生が在籍。
自然科学部では、生物学が一番大きな専攻です。
とりわけキャンパスの南にある植物学科の植物園は立派です。
キャンパス内には立派な図書館があり、大学の講義で必要な本から個人的な興味の分野まで満たしてくれます。
Modernes Japan / 近代日本
デュッセルドルフ大学は日本の研究に重点を置いているだけあって、他の大学にはない専攻、
Modernes Japan / 近代日本
があります。
どんな学部なのか興味を惹かれたので、こちらの学部の出願について詳しく見ていきます。
Modernes Japanにも主専攻 / Kernfach と副専攻 / Ergänzungsfach があります。
どちらをクリックしても、Youtubeの動画が出てきます。
おかしな作り、、。
“weitere Informationen”
をクリックすると、やっと下のような画面が出てきます。
専攻は冬ゼミのみの入学。
卒業までに6ゼミ(あるいは8ゼミ)。
言葉は
「1.10」
とあります。
一部日本語なんですかね?
違いました。
英語です。
多くの文献が英語なので、上級レベルの英語の知識が必要です。
専攻の案内を読むと、専攻は近代日本に重点を置いた日本学 /Japanologie だとあります。
外国人の出願方法
デュッセルドルフ大学でも、外国人の出願方法は、ドイツ人のそれとは異なります。
詳細は上述の画面の右上、
“Bewerbung/ Einschreibung ausländische Studieninteressierte”(外国人の出願と登録)
をクリックして、
“Bewerbung von Nicht-EU-BürgerLinnen”(EU外からの出願)
をクリックすると、以下のような詳しい案内が出てきます。
デュッセルドルフ大学 出願手順
2021年の夏ゼミからデュッセルドルフ大学の出願方法が変わります!
とありますね。
あまりよくない兆候です。
案の定、外国人の出願はウニ アシスト/ Uni-Assist で、
“VPD”
を済ませてから、デュッセルドルフ大学に出願してくださいとあります。
VPDとは?
“VPD” は”Vorprüfungsdokumentation”の略称です。
わかりやすく言えば、あなたがお持ちの学歴が、ドイツの大学への入学基準を満たすかどうか、審査する手順です。
勿論、有料。
ウニ アシスト/ Uni-Assist で”VPD”を済ませてから、デュッセルドルフ大学に直接、出願します。
ドイツ語の資格
ドイツの大学入学資格を満たすには、以下の方法があります。
- ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、すべての項目で4以上を獲得。
- ドイツ語の検定試験 Telc C1合格証。
- ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-2 に合格する。
- ゲーテ・インスティテュートの検定試験 C1合格証。
入学できる時期
出願に必要な書類
詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。
デュッセルドルフ大学 DSH準備コース
デュッセルドルフ大学はDSH準備コースを提供していません。
大学は唯一、
「大学関係者向け」
に無償のドイツ語コースを提供。
詳しい解説はこちらのページをご覧ください。
AstA主催 入学準備ドイツ語コース
ドイツの大学には、必ずではないですが、”AstA”という機関があります。
わかりやすく言えば学生連盟で、経験豊富な学生が学生のいろんな面倒を見る機関です。
フライブルク大学ではそれほど目につなかったですが、デュッセルドルフ大学では住む場所の世話までしてくれます。
まだ住む場所が決まっていない人は、まずは”AstA”で掲示板を見たり、相談してみましょう。
デュッセルドルフ大学の”AstA”は、外国人向けに(有料の)入学準備ドイツ語コースを提供しています。
このページの冒頭で述べたように、コース & 講師のレベルは低いです。
得点
デュッセルドルフ大学の入学準備ドイツ語コースには、それでも大きな得点はあります。
コースの参加者は学生登録できるので、準学生扱いになるんです。
早い話、滞在ビザが取れるんです!
コースに通ってもドイツ語能力の上達はあまり期待できませんが、私のように、
「就職先を見つけるまで、滞在ビザを延長しなくっちゃ!」
という方にはうってつけ。
では以下にデュッセルドルフ大学の入学準備ドイツ語コースの詳細を紹介します。
レベル |
中級(B1,B2)、上級(C1) |
期間 |
夏ゼミ 4月~ 7月 冬ゼミ 10月~2月 |
授業時間 |
週20レッスン(全部で300授業時間) |
クラス定員 |
記載なし |
出願期限 |
夏ゼミへの出願 2月中旬まで 冬ゼミへの出願 8月中旬まで |
コース費用 |
450ユーロ/ゼミ |
応募資格 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
応募書類 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
宿泊施設 |
自分で手配 |
出願結果 |
出願後、数週間で通知されます。 |
その他 |
お申し込みにはPC用のメールアドレスが必要です。携帯のアドレスは不可。
学生登録料の310ユーロほどが、この他に必要です。 |
大学出願サポート
デュッセルドルフ大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。
しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、
「ホームページを読んでくれ。」
とだけ書かれています。
そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。
出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。
出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。
大学出願に関する 質問集
皆さん、初めてデュッセルドルフ大学へ出願されるので、多くの疑問を抱えておられます。
そこでお問い合わせいただくのですが、その内容はいつも同じもの。
そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。
お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。
注釈
*1 Philipps-Universität Marbug(マールブルク大学)の略
*2 国民の義務を果たした人へのご褒美的な意味合いです。
*3 意味をくみ取るなら哲学部より、人文学部と訳した方がいいです。