ドレスデン 工科大学 は、東ドイツのザクセン州で最大の規模を誇る大学です。
今の名前になったのは第二次大戦後、東ドイツの時代です。
その歴史は19世紀のザクセン王国の時代に創設された
「王立ザクセン工科大学」
まで遡ります。
当時はドイツにも産業革命の波が襲来、
「他の国に技術革新で負けてはならぬ!」
と工科学校が創設されることに。
以下にそのドレスデン 工科大学について、詳しく紹介していきます。
目次
ドレスデン 工科大学
長い名前の大学が多い中、ドレスデン工科大学の正式名称は
“Technische Universität Dresden”
です。
十分に短くてわかりやすいと思うのですが、ドイツ人は”TU-Drseden”あるいはさらに短くして”TUD”と呼びます。
2006年にドイツを代表する工科大学が集まってできた、
“TU9”
と呼ばれる名門工科大学の大学の集まりがあります。
ドレスデン工科大学は東ドイツでは唯一の大学として、このエリート集団に参加しています。
在籍している大学生の数は3万2000人で、70か国からの学生が在籍しています。
124もの専攻を提供しているので、理系は勿論、文系の専攻まで、大概のものは見つかります。
大学の歴史 – 王立ザクセン工科大学
ドレスデン工科大学の創設は19世紀初頭まで遡ります。
当時は産業革命の真っただ中。
技術面で英国に追いつき、追い越すのが国の最優先課題。
1828年、まだドイツザクセン王国だった頃、技術教育機関が設立されます。
ドイツ第二帝国の時代、1890年に技術教育機関の名前が
王立ザクセン工科大学 /”Königlich Sächsische Technische Hochschule”
に変わります。
もっともすでに当時から経済学部、法学部、哲学、それに歴史学部が設けられ、純粋な工科大学ではなくなっていました。
東ドイツ時代には、マルクス & レーニンのドクトリンを教えるガチガチ共産主義思想の砦となります。
大学が本来あるべき自由な思想の場になったのは、東西ドイツが統合されてからです。
学部 & 学位
ドレスデン工科大学には技術系の学部に加えて、建築、数学、人文学部、教育、医学部など、合計6つの学部があります。
全部で120を超える専攻(学科)から、希望の専攻を選ぶことができます。
大学で取得できる学位は、
-
- バチラー /”Bachelor”
- マスター /”Master”
- デイプローム /”Diplom”
- 国家試験 /”Staatsexamen”
- ドクター / “Doktor”
です。
バチラーの学位を取るには、中間試験などをすべてクリアしても、最低でも6ゼミ必要です。
すなわち3年です、最低でも。
無事、バチラーを取得した人には、マスターに挑戦することができます。
マスターの学位を取得するには、さらに4ゼミ必要になります。
デイプローム /”Diplom”とは?
かってドイツの大学では、どこも最初に採れる学位がデイプロームでした。
欧州統一により、又、
「バチラーよりも時間がかかって不利。」
というわけで、バチラーに統一されました。
今でもデイプローム学位を取れる大学は、少ないです。
デイプローム学位を取るには、中間試験などをすべてクリアしても、8ゼミ必要です。
すなわち4年です。
講義が行われる言語
ドレスデン工科大学では大部分の専攻は、ドイツ語で行われます。
マスターには国際マスター課程が設けられており、英語で講義が行われます。
エリート大学
ドイツ政府が7年おきに選出する
「エリート大学」
にも2019年に選出されて、堂々と「エリート大学」と名乗っています。
同時に政府からふんだんな研究費も支給され、2026年までは予算と名声共にエリート大です。
ドレスデン 工科大学 – 正規留学
専攻により若干の違いがありますが、ドレスデン工科大学の大まかな出願条件は同じです。
とりわけ外国人向けの出願条件は。
以下に主要な出願条件を記載しておきましたので、出願準備にご利用ください。
大学入学資格
他の大学同様にドレスデン工科大学に入学するには、ドイツの大学入学資格、アビトウーア /”Abitur”に匹敵する資格が必要です。
日本の高校卒業では、この資格を満たしません。
日本の大学を卒業されている方は、ほとんどのケースで入学条件を満たします。
専攻
ドレスデン工科大学には、124もの専攻があります。
詳細は大学のホームページにて確認できます。
興味のある専攻をクリックすれば、そこに出願時期、出願条件、出願方法、学業プラン、さらには卒業後の展望まで書かれており、読みさえすれば必要な情報を得ることができます。
ここではバチラーをクリックしてみましょう。
すると以下のような専攻が表示されます。
情報学 / Informatik バチラー課程の詳細
ここでは情報学 / Informatik の出願条件を見てみましょう。
クリックすると一番大事な情報が表示されます。
芸大のホームページには見難いので苦労しますが、工科大学のホームページはわかりやすくていいですね~。
- 卒業まで6ゼミ必要
- 講義はドイツ語
- 学生登録料へのリンク
など、基本情報が明示されています。
外国人にとって一番大事なのは末尾の、
「外国人の出願要綱注意点」
という項目です。
外国人の出願要綱注意点
外国人の出願要綱注意点ここをクリックすると、以下のように表示されます。
入学制限なし。
入学は10月からの冬ゼミのみ。
出願時期は7月15日まで。
その他、皆さんが読みたかった情報が載っています。
このようにドレスデン工科大学のホームページはとてもわかりやすいです。
ご希望の専攻を選んで、ご自身で出願要綱を読んでみましょう。
入学条件 -ドイツ語の資格
ドイツの大学入学資格を満たすには、以下の方法があります。
- ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、TDN 4 あるいは TDN 5 に合格する。
- ドイツ語の検定試験 Telc にて、C1 あるいは C2 で合格する。
- ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-2 あるいは、DSH-3 試験に合格する。
- ゲーテ・インスティテュートの検定試験 C-1 あるいは C-2 試験に合格する。
DSH 準備コース
ドレスデン工科大学は入学を目指す外国人学生に、 DSH 準備コースを提供しています。
詳細は下部のDSH 準備コースをご覧ください。
出願に必要な書類
詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。
入学時期
出願期限
冬ゼミの出願期限は、7月15日です(専攻により異なる場合もあり。
この日までに大学に願書が届いている必要があります。
出願先
ドイツの大学入学資格 Abitur を取得していない人、すなわち大方の日本人はウニ アシスト / Uni-Assist 経由での出願になります。
ここで本当に入学資格を満たしているか審査を受けます。
そのウニ アシストでの審査に、4週間かかります。
その後、書類がドレスデン工科大学に郵送されるので、1か月はこの審査期間を見ておく必要があります。
7月15日までに出願書類が大学必着ですから、出願書類はどんなに遅くても6月15日にアシストに届いていないと、間に合いません。
ドレスデン 工科大学 – DSH準備コース
ドレスデン工科大学は DSH 準備コースを提供している珍しい大学のひとつです。
誰でも入学できるわけではなく、以下の条件をクリアしていることが条件です。
又、ドレスデン工科大学のDSH 準備コースには、初級のコースは存在していません。
まだドイツ語が必要なレベルに達していない場合は、語学学校に通って語学力を身に着けてから、出願しましょう。
コースの詳細
大学に正規留学する場合は、年一回だけですが、DSH 準備コースへの出願は、夏ゼミと冬ゼミに合わせて、年2回可能です。
レベル |
中級(B2)、上級(C1, C2) |
期間 |
夏ゼミ 3月~ 6月 冬ゼミ 10月~1月 |
授業時間 |
合計 320時間 |
クラス定員 |
記載なし |
申し込み |
夏ゼミへの出願 12月中旬から可能 冬ゼミへの出願 6月中旬から可能 |
コース費用 |
無料 |
入学資格 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております |
応募書類 |
出願サポートにお申し込みいただいた方にご案内しております。 |
宿泊施設 |
こちらのコースは、コースだけの提供になりますので、ご自信でお部屋を探していただく必要がございます。 |
選考方法 |
出願後、3月、あるいは9月に現地(大学)でドイツ語のレベルテスト試験に参加することが条件です。このテストでB2レベル以上の実力が認定されれば、入学できます/span> |
その他 |
お申し込みにはPC用のメールアドレスが必要です。携帯のアドレスは不可。 |
出願案内 & 出願代行サポート
大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。
しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、
「ホームページを読んでくれ。」
とだけ書かれています。
そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。
出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。
これまで2001年以来、何度もお客様の出願をしてきましたので、大学が出願者に何を要求しているか、熟知しております。
出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。
ドレスデン 工科大学 出願に関する質問集
皆さん、初めてドレスデン工科大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。
ほぼ毎日、大学出願に関するお問い合わせいただきますが、その内容はいつも同じもの。
そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。
お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。