今回紹介する ケルン大学 はベルリンハンブルクミュンヘンに次ぐドイツ第四の都市、ケルンにある総合大学です。

大都市にある大学にふさわしく、5万人近い学生在籍しているマンモス大学です。

日本におけるドイツの大学の人気度は、街の知名度に比例しています。

日本でもケルンの名前は、

「大きな教会」

のお陰で、そこそこ知られている筈。

そこで今回はケルン大学への正規留学について、ご紹介いたします。

ケルン大学 どんな大学?

大学の正式名称は、

“Universität zu Köln”

と至ってシンプル。

何かあれば、

「ドイツ最古の大学」

という文句を聞かされるハイデルベルク大学

 

のように複雑な名前を冠していないのには、理由があります。

それは大学を創設したのは王様や選帝侯ではなく、街の評議会の決定によるものであるからです。

てっきり

「じゃ新しい大学?」

かと思いそうですが、ケルン大学創立は(公式には)1388年と、とっても古い。

ドイツ国内ではハイデルベルクに次ぐ、二番名に古い大学です。

 

エリート大学

大学はほぼ街の真ん中、大聖堂から直線距離で1Kmほどの場所にあり、広大な敷地を有しています。

2012年には、ドイツ政府の呼びかけで始まったエリート大学制度に応募して、なんと当選。

7年間エリート大学の称号とふんだんな補助金を得ていました。

が、2019年の選考会では落選、「普通」の大学に戻っています。

ケルン大学 の歴史

ケルン大学 の歴史

歴史のあるドイツの大学はハイデルベルク大学のように、その土地の諸侯などが

「大学を創設する。」

と言い出すことが多く、大学はその選帝侯の名前を冠しています。

しかしケルン大学は珍しい例外で、大学の創設を決めたのは街の評議会です。

ハンブルク大学も似たような経緯がありましたが、

大学が創設されたのは20世紀になってから。

すでに中世の時代に町の評議会が大学の創設を決めたのは、ケルンだけ。

(私の知る限りは。)

又、トリアー大学のように大学を創設しても、お金が足らず、家計は火の車なんでことも珍しくありません。

なんで評議会はケルン大学なんてお金のかかるものを設置しようと考えたのでしょう?

ケルン大学 創設の目的

ケルンはすでに12世紀に、4万人の人口を抱える大都市でした。

その発展に貢献したのは、ライン河の交易。

ケルンはライン河で交易される品を優先的に交易する権利 / Stapelrecht を獲得して、次第に豊かな街へと発展していきます。

豊かになると、もっと権利を欲しくなります。

当時、ケルンを支配していたのは大司教様。

裁判なしで気に入らない市民を処刑するなど、無謀もいい所。

でも強大な軍事力を誇る大司教に抵抗しても、勝ち目はありません。

そこで市民はよりによってケルンのライバル、デユッセルドルフのベルク公爵と組んで、大司教と交戦します。

この戦いに勝利したのが、ケルン市民とベルク公爵。

以来、ケルンの司教様は政治の力を失い、宗教行事だけに専念することに。

こうしてケルンは大司教に払う税金が減り、街はかなり潤っていました。

街の実権を掌握した評議会が

「ケルン大学を創設しようじゃないか。」

と提案。

こうして公爵、選帝侯の支援なくして、自力で大学を創設しました。

大学創設によりさらに多くの人がケルンに集まり、さらに街が栄えることを期待していたからです。

でも、、、

大学閉鎖

1798年、ナポレオン率いるフランス軍がライン川の西側を占領してしまいます。

これによりケルン大学は閉鎖の憂き目に遭います。

大学新設

ケルン大学復活のきっかけは、よりによって第一次大戦のドイツの敗北が原因です。

ドイツがアルザス地方を失うと、シュトラースブルクにあったカイザーヴィルヘルム大学が閉鎖に。

結果、ライン川西岸の広大な地域に大学がなくなります。

そこで戦争が終わったばかりの1919年、ケルン大学の再建が決まります。

もっとも厳密に言えば、すでにケルンにあった交易専門大学と医学大学が組織上に一緒になって、ケルン大学になった「だけ」。

その後、法学部、哲学、文学部、数学部などが加わり、次第に今のケルン大学の姿が形成されていきました。

学部 & 専攻

学部 & 専攻 - 何が学べるの?

大学には6の学部があります。

  • 経済社会学部
  • 医学部
  • 哲学部
  • 法学部、
  • 人類学部

です。

かっては教育学部もありましたが、2005年の改革で、人類学部の下に入ることになりました。

評価が高いのは経営学、国民経済学、それに社会学部です。

ケルン大学には珍しく日本学や日本の文化なんて専攻もあるので、間違いなく日本に興味のあるドイツ人学生に遭えます。

学費無料!

ノルトライン ヴェストファーレン州(以降、NRW 州と略)ではかって、学費が導入されがありました。

が、政権の交代で無料になりました。

今後、政権の交代でまた変わるかもしれませんが、現時点は外国人も無料で学べる太っ腹制度。

ゼミ登録費 /”Semesterbeitrag”

ケルン大学に登録するとゼミ登録費 /”Semesterbeitrag”という費用が、他の大学同様に発生します。

このゼミ登録費は、街により大きく異なります。

そのゼミ登録費に、ゼミの期間中の定期券も含まれているので、路面電車のある街では、費用は高め、バスしかない街では安いです。

ケルンはバスや電車網がいきわたっているので、ケルン大学のゼミ登録費は2023年の時点で318,50ユーロです。

これに半年の定期券が含まれている事を考えれば、かなりお得。

専攻一覧

専攻一覧

ケルン大学で学べる専攻一覧は、大学のホームページにてご確認ください。

質問
どこを見ればいいの?

ここです。

参照 : 専攻一覧

ほとんどの日本人の場合、まずはバチラー課程への入学を目指すことになります。

そこで多くの大学では、

「バチラー課程はこちら」

と書いています。

が、ケルン大学では

”Grundständies Studium” /基礎学業

というわかり難い書き方をしています。

ここをクリックすると、バチラー課程の専攻がアルファベット順に記載されています。

情報処理 / Informatikverarbeitung

ここではデジタル化でニーズの高い、

“Informatikverarbeitung”(情報処理)

という専攻について、診ていきます。

専攻をクリックすると、以下のように書かれています

情報処理

講義の言語はドイツ語。

さらにはB2レベルの英語の知識が必要。

入学時期は冬セミ。

卒業には6ゼミ必要。

他の専攻との複合専攻、それに入学制限なしと書かれています。

読みさえすれば、専攻の大まかな情報を得ることができます。

ケルン大学 正規留学

ケルン大学 に正規留学!

【正規留学】ケルン大学の出願条件は、専攻により若干の違いがありますが、大まかな出願条件は同じです。

とりわけ外国人向けの出願条件は。

以下に主要な出願条件を記載しておきましたので、ご参考にしてください。

出願条件

出願条件は他の大学同様です。

ケルン大学に出願するには、ドイツの大学入学資格、アビトウーア /”Abitur”に匹敵する資格が必要です。

日本の高校卒業ではこの資格を満たしません。

日本の大学を卒業されている方は、ほとんどのケースで入学条件を満たします。

ドイツ語の資格

ドイツの大学入学資格を満たすには、以下のドイツ語検定に合格していることが条件です。

  1. ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、TDN 4 あるいは TDN 5 に合格する。
  2. ドイツ語の検定試験 Telc にて、C1  あるいは C2 で合格する。
  3.  ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-2 あるいは、DSH-3 試験に合格する。
  4. ゲーテ・インスティテュートの検定試験 C-1 あるいは C-2 試験に合格する。

入学できる時期

ほとんどの専攻では冬ゼミ / Wintersemseter から学業を始めることになっています。
数は少ないですが、夏ゼミ / Sommersemester から始めることができる専攻もあります。

出願書類

詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。

出願時期

夏ゼミの出願期限は、1月15日です。

冬ゼミの出願期限は、7月15日です。

この日までに大学に願書が届いている必要があります。

出願先

ケルン大学ではウニアシスト / Uni Assist 経由で出願する形です。

ここでの書類審査に合格すると書類が大学に送られて、正式な審査に入ります。

ウニ アシストでの審査に最低でも3週間、大学に書類が郵送されるまでに1週間かかります。

このため、通常の出願期限よりも1か月前までに出願することが必要です。

参照 : Uni-Assist

ケルン大学 – DSH準備コース

ケルン大学 - DSH準備コース

ケルン大学では DSH準備コースを提供しています。

コース費用は500ユーロ+ゼミ登録費。

以下の条件を満たすと1ゼミに限り、DSH準備コースに参加できます。

  • 入学に必要なドイツ語のレベル – B2 レベルの検定試験合格証
  • 大学入学資格を有する事
  • TestAS 合格証

TestAS  とは?

テストアス / TestAs とは大学入学に必要な教養を習得しているかをテストするものです。

さまざまなテストが用意されていますが、受けるのは

“Kerntest”(基幹テスト)

というテスト。

試験は英語かドイツ語のみ。

と聞けば難しそうですが、試験内容は日本の中学生でも簡単に合格できるレベルのテストです。

ドイツ語が B2 終了レベルにあれば、日本人ならまず合格できます。

残念ながら日本では試験が開催されていないので、ドイツで受けることになります。

参照 : testas

出願案内 & 出願サポート

ケルン大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。

しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、

「ホームページを読んでね。」

とだけ書かれています。

そこで当社では、まだドイツ語を学習中で一人では出願できない方に、出願案内 & 出願サポートを提供しています。

こちらのサポートは有償のサポートになります。

 

当店はこれまで2001年以来、何度もお客様の出願をしてきましたので、大学が出願者に何を要求しているか、熟知しております。

出願に関して不明な点などは、経験豊富な弊社までお問い合わせいただければ、当店で日本語で回答させていただきます。

出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。

ドイツの大学に正規留学 - 大学出願サポート

大学出願 質問集

皆さん、初めてケルン大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。

ほぼ毎日、大学出願に関するお問い合わせいただきますが、その内容はいつも同じもの。

そこで問い合わせの手間を省くため、頻繁に寄せられる質問集を作成しました。

お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。

大学出願 質問集