「語学学校に通いながらドイツでアルバイトできますか。」

というお問い合わせが、と~っても多いです。

そもそも根本的な、

「ドイツ語が出来ない人にもできるアルバイトはあるのか、できるのか。」

という点を度外視しても、まずは

「法律上の問題」

があります。

ここでは法律面でどうなっているのか、又、待遇面などについても詳しく説明していきたいと思います。

ドイツでアルバイト – お給料 Brutto と Netto の違い

ドイツでアルバイト - お給料 Brutto と Netto の違い

まずは一番の関心事、お給料から始めましょう。

ドイツでも学生アルバイトは盛んです。

日本とドイツの大きな違いは、稼いだお金から所得税や健康保険料などの社会補償費が引かれる点です(*1)。

お給料明細をもらうと、これらの諸費用が差し引かれて

「手取り」

がぐっと安い額面になっていることに気が付きます。

この諸費用が引かれる前のお給料を

Brutto (ブルットー)、そして諸費用が引かれた後の手取りを Netto (ネットー)と言います。

 

ドイツでアルバイトなどの契約をする場合、お給料は”Brutto”で表記されています。

ですからアルバイトを始める前に

「”Netto”では幾ら(くらい)になるか」

ちゃんと確かめておきましょう。

そうしないとお給料をもらってから、

「約束していた額と違う!」

「あれは税込みの額面だよ。」

という不必要な争いに発展しかねません。

“Nebentätigkeit”(副業)はタックスフリー!

ここで大事なことは、

“Nebentätigkeit”(副業)の場合、税金と社会保障費の支払いから解放される事です。

 

「もっと稼ぎたい!」

と頑張って働いて副業の範疇を超えてしまうと、税金と社会保障費が引かれ、手取りががっくり目減りします。

ドイツで学業などの合間にアルバイトでお金を稼ぐ場合は、この副業の範疇で働くといいでしょう。

ではその副業の内容を詳しく見ていきます。

ドイツ語でアルバイトは”Mini-Job”

日本語で副業を指す言葉は何故か、

「アルバイト」

です。

これはドイツ語の

”Arbeit”

から由来しています。

でも外来語の例に漏れず、元の言語とは異なった意味に流用されています。

ドイツ語でアルバイトと言えば、

「仕事」

という意味です。

すなわち

「アルバイトを探しています。」

と言えば、

「仕事を探しています。」

という意味になります。

日本語のアルバイトに相当するドイツ語は、”Mini-Job” (ミニ ジョブ)です。(*3)

 

参照 : Mini-Job

非課税限度額 538ユーロに引き上げ!

日本と違いドイツではほぼ毎年、非課税限度額が改訂されます。

 

お陰でミニジョブの非課税限度額は、2024年より538ユーロ/月に引き上げられました。

以前は450ユーロだったんですよ!

すなわち!

538ユーロまでのアルバイトなら、(被雇用者側の)税金、及び健康保険の支払いから解放されます

 

ですからこの範疇でアルバイトをするのが賢明です。

頑張って600ユーロ稼いでも、税金と社会保障費が引かれた結果、手取りは538ユーロを割ってしまいます。

今後、この非課税限度額が引き上げになったら、ここで更新しておきます。

ドイツでアルバイト 幾ら貰えるの?

ドイツでアルバイト 幾ら貰えるの?

ドイツで学生アルバイトとして一番人気のあるのが、飲み屋(Kneipe)やレストランでの給仕のアルバイトです。

「一体、幾らもらえるの?」

と興味津々な方に吉報。

ドイツでは全国共通の最低賃金が導入されており、アルバイトでもこの最低賃金が適応されます。

 

その最低賃金は毎年、定期的に上昇してきました。

  • 2021年1月1日から9,50ユーロ/時間
  • 2021年7月1日から9.60ユーロ /時間
  • 2022年1月1日から9.82ユーロ/時間
  • 2022年7月1日から10,45ユーロ/時間
  • 2022年10月1日から12ユーロ/時間

御覧の通り2022年10月に

「大幅な最低賃金の値上げ」

があった為、2023年は賃上げなし!

しかし2024年から再び賃上げされます。

  • 2024年1月1日より12.41ユーロ/時間
  • 2025年1月1日より12.82ユーロ/時間

2025年の最低賃金を今の為替レートで換算すると、ほぼ2000円/時間です!!

参照 : 最低賃金

例外

ドイツの高い時給に惹かれてアルバイトを始めるも、

「飲食業は適応外なんだよ。」

とか、

「最初の半年は適応外。」

と勝手な決まりを作って、最低賃金の支払いから逃げようとする雇用者(アルバイト先)は多いです。

とりわけ日系企業。

しかし最低賃金の例外が利くのは、以下の場合のみ

  • 研修生
  • 未成年者のアルバイト
  • 長期失業者
  • 自営業者
  • ボランテイア
  • 刑務所の囚人
  • 難民

などです。

トップにある研修生とは、大学に入学するため、あるいは就職するための条件となっている研修をクリアするために働く人を指します。

こうした大学入学、あるいは就職の必修条件である研修をする場合は、最低賃金を払う必要なしとなっています。

 

「そんなのおかしい!」

との訴えは、最高裁で棄却されました。

灰色ゾーン インターンシップ

灰色ゾーン インターンシップ

最低賃金の灰色ゾーンが、インターンシップです。

雇用者は

「研修生だから、最低賃金は採用されない。」

と言います。

でも、インターンシップの参加者は職業学校に通うわけでもなく、就職の必須条件でもありません。

ですから就職のための研修とは言えません。

この為、良心的な会社はインターンシップでも最低賃金を払います。

灰色ゾーンの利点をフルに活用したい会社は、最低賃金を払いません。

又、例え研修生だとしても

研修期間が3か月を超える場合は、やはり最低賃金の支払い義務が生じます。

 

日本人向けのインターンシップで、

「給与も支給されます。」

という書き方をしている募集には要注意。

支給される給与額を明記していないケースでは、100%最低賃金が支払われません。

 

最低賃金を払うアルバイト先であれば、大きな得点ですので、ちゃんとこれを明記します。

これをしていないのは、隠し事があるからです。

異常に自給の高いアルバイト

時々、異常に自給の高いアルバイトがあります。

社会経験のない学生に犯罪の片棒を担がせるケースか、夜の怪しげな仕事だとか、いつも犯罪がらみです。

マフィアは東欧などで、

「ドイツに行けば簡単な仕事で大金が稼げる!」

と、若い女性を勧誘してドイツに招き寄せます。

するとパスポートを取り上げて、売春宿で働かせています。

おしいしい話には、必ず落とし穴があります。

「簡単な仕事で月々2000ユーロの収入!」

などというお誘いに乗らないようにご注意あれ。

ドイツ留学中はアルバイトに熱中しないで、まずはドイツ語の習得に専念してください。

【必読】ドイツでアルバイトできるの?

【必読】 ドイツでアルバイト できるの?

次は肝心なテーマ、

「ドイツでアルバイトできるの?」

を法律面から見ていきます。

2024年7月の統計によると、今、ドイツには290万人の失業者がいます。

特に長期失業者の数が多く、社会問題になっています。

長期失業者の多くは、特別な資格をもたない単純労働者です。

そんな中で

「特別な能力を要求されない仕事(典型的な学生のアルバイト)」

に外国人を就労させてしまうと、失業中のドイツ人の就職先が奪われてしまいます。

さらに!

“Mini-Job”は税金や社会保費が支払われないので、税務署や地方自治体にはふやしたくない仕事です。

そんなわけでドイツでアルバイトするには、いろんな制限があります。

語学学校に通いながらアルバイト?

このページの冒頭で書いた、

「語学学校に通いながら、アルバイトできますか?」

という疑問ですが。

その答えは、

“Es hängt davon ab,,,”、

すなわち、あなたのステータス次第です。

簡潔に言えば、ワーホリビザを取得しているなら可。

取得していないなら駄目です。

ワーキングホリデー ビザ申請 よくある失敗例【7選!】

滞在ビザの備考欄を見よ!

語学学校を通う事を理由にドイツで滞在ビザを取得すると、備考欄に

“Erwerbstätigkeit ist nicht gestattet”(就労は許されず)

 

と書かれています。

だから語学学校に通いながらアルバイトはできません。(*4)

また、ここでいう就労とは、アルバイトと就職の両方を指します。

もし就労したい場合は、労働許可証を申請する必要があります。

しかし地方自治体は税金を払わない仕事は増やしたくないので、許可が下りることはまずありません。

これには唯一、例外があります。

それは大学生になることです。

大学生は例外!

大学生は例外!

大学生になると滞在ビザに書かれていた、

「就労は許されず」

が改定されます。

すると半日(4時間)の学生のアルバイトは1年240日まで認められています。

長い春、夏休みなどには8時間労働は、1年につき120日まで認められています。

どちらの場合でも

4時間 X 240日 = 960時間

あるいは

8時間 X 120 = 960時間

で、

就労が許されるのは、年間で960時間までです。

 

すなわち!

ゼミの期間中は4時間労働を240日、ゼミがない期間は毎日8時間労働で120日、

合算 960時間 x 2 = 1920時間

という都合のよい計算方法はできません。

決められた労働時間を越えてドイツでアルバイトしていたのが発覚すると、外人局と大きなトラブルになるのは必死です。

学生の本業は学業です。

アルバイトはほどほどにしておきましょう。

ドイツでアルバイト 中の事故

「ドイツで(違法に)アルバイトしても、ばれやしない。」

と過信している方、違法就労のリスクを考えてください。

ドイツでは社員を雇う場合、

“Genossenschaft”(職業組合)

に加入して、社員の事故に備えて保険に加入する義務があります。

これがアルバイト(”Mini-Job”)であろうとも規則に例外なし。

通勤中の事故でも、従業員が怪我をすればこの保険から保険金が下ります(*5)。

 

“Schwarzarbeit”(違法就労)では保険に加入していないので、ドイツでアルバイト中に怪我をしても保険が効きません。

「ワーホリ保険に入っているから安心?」

いえいえ。

ワーホリ保険は、アルバイト中の事故には保険が効きません。

自分で払える治療費や直る怪我だったらまだいいですが、後遺症が残ると一生後悔します。

違法就労を考えている方、わずか数百ユーロの収入で、その後の人生を棒に振る価値があるか、考察してください。

アルバイト中の怪我がカバーされる保険

「ワーホリ保険はアルバイト中の怪我は保障しない。」

と書きましたが、例外もあります。

それがドクターヴァルターのドイツ留学・ワーホリ保険です。

今 一番売れてるドイツ留学・ワーホリ保険 ドクターヴァルター

ドイツのアルバイト市場

最後にドイツのアルバイト市場について解説しておきます。

日本では人口減少により働き手が減少、アルバイト先が

「履いて捨てるほど」

あります。

当然、

「ドイツも同じでしょ!」

と勝手に想定していませんか?

事実はかなり異なります。

こちらで書いている通り、

ドイツの専門学校 – 日本人は通えないって本当?

ドイツではレジの仕事でも、職業訓練が必要です。

これをしてない日本人を採用する雇用先はなし。

加えて言葉の問題があります。

そこでアルバイト先は、日本食レストランなどに限られます。

しかし!

アルバイトを探す若い日本人> 日本食レストランの数

です。

他の候補者より優れた点がないと、なかなかあなたにまで仕事が回ってきません。

「ドイツに行けばアルバイトが見つかる!」

と想定されている方、そうは甘くはありませぬ。

ドイツでアルバイト 落とし穴

ドイツでアルバイト 落とし穴

上でも書きましたが、ドイツでアルバイトには幾つか

「落とし穴」

が存在しています。

注意して欲しいのは、レストラン、ホテル、それにお土産屋さんでアルバイトをする場合の契約内容です。

雇用側が契約で自給、労働時間を明確にせず、

「1ヶ月で538ユーロ」

という雇用契約書を差し出して来ることがあります。

現行の最低賃金で換算すれば、538ユーロは大体43時間20分の就労時間に相当します。

実際に働いてみると50時間だったりする事が多く、明確な法律違反です。

最低賃金を払ってもらえない!

ドイツでアルバイトをしている日本人の最大の悩みが、

「最低賃金を払ってもらえない!」

です。

お土産屋、レストラン、ホテル等、どこで働いてもまず間違いなく、最低賃金を払ってもらえません。

 

雇用者側が

「ワーホリの日本人に、ドイツの法律なんかわかりやしない。」

もっとひどい場合は、

「働きたい人は幾らでもいる。」

と、割り切っているのが原因です。

とりわけ中国・日本人の雇用者は法律を守らないことが多いようです(*6)。

しかしドイツは日本と違い法治国家です。

ちゃんと対抗手段が存在しています。

週60時間もこき使われたら?

週60時間もこき使われたら?

ではミニジョブを始め、週60時間もこき使われたらどうすればいいのでしょう?

まずは雇用者側にこの点を指摘しましょう。

改善されないなら、証拠固めを始めてください。

あるいはドイツでアルバイトを始めると同時に、証拠を作りを始めればもっといい。

何時に仕事を始めて、何時に終わったか、休憩の時間も含めて、2ヶ月以上記録を取ってください。

あとはお給与明細と一緒に、該当の機関に報告します。

違法な労働環境は関税局に報告!

違法な労働環境は労働局、あるいは関税局に報告します。

最低賃金を守っていない証拠を持ってお近くの

“Zoll”(関税局)

までいき、堂々と告発することができます。

あるいは労働省がホットラインを設けてます。

自分の名前をいいたくない場合は、

「ここでは最低賃金が払われてない。」

と、匿名での報告もできます。

その結果、法律違反が証明されると最高50万ユーロ(邦貨でおよそ6.5億円)までの罰金が科されます。

ドイツでは法律を破って違法に利益を得た場合、これを超える額の罰金が下るように法令が設定されています。

労働時間記載義務 / Dokumentationspflicht

最低賃金の導入と共に、労働時間記載義務 / Dokumentaionspflicht も導入されました。

これにより雇用者は、ミニジョブで働いている労働者でも労働時間を記載、これを2年間保持しなくてはなりません。

関税局 /”Zoll”の調査が入った際は、この記録の提示を求められます。

記入内容があなたの実際の労働時間と異なる場合、雇用者は意図的に最低賃金を守らなかったことが証明され、さらに罪が重くなります(*7)。

もう仕事をやめてしまっていたら?

過酷な労働環境が辛くて、もうアルバイトを辞めてしまっていたら?

そんなケースでも、諦めるのは早いっ!

最低賃金を守らなかった雇用者は、過去3年間まで遡って最低賃金を払う義務があります(すなわち時効は3年)。

もし就労時間の記録を取っていたなら、

「払っていない賃金を払わないと、関税局に証拠を持って告発に行きます。」

と、お手紙を書くこともできます。

ドイツで会社を経営する者なら、関税局(それに税務署)の恐ろしさはよく把握しているので、罰金を避けるために交渉に応じることが多いです。

関税局 / Zoll とは?

でも、そもそも関税局 / Zoll って何でしょう?

我々が通常、

「お世話になる」

のは日本から荷物などを送ってもらい、これが

“Zoll”(関税局 )

で止められて、引き取りに行く場合です。

ドイツの関税 をわかりやすく解説 【渡独者必読!】

いい体験をした方は少ないと思います。

でも

「まだいい方」

です。

ドイツの関税局は組織犯罪とも戦うので、警察とほぼ変わらない装備 & 権力を行使しています。

舐めない方がいいです。

労働許可証もないのにドイツでアルバイトをしていると、この関税局の強制捜査が来ますよ~。

参照 : 関税局

違法就労の誘惑とリスク

違法就労の誘惑とリスク

日本人は違法就労を犯罪と考えていないケースが多いので、

「違法就労のリスク」

について掘り下げてみます。

アルバイトのお給料は税務署がチェックできるように、銀行送金で支払う義務があります。

なのに稀に現金で払われると

100%脱税です。

 

「知らなかった。」

という言い訳は、言うだけ無駄です。

誰も信じてくれません。

そもそも雇用主はお給料以外にも、税金や健康保険料(半分は雇用主、半分は被雇用者)を払わなくてはなりません。

こうした支払いを誤魔化す為、証拠を残さないように現金払いをします。

しかしお金をもらう方も、税金を引かれていない為、手取りが多く、嬉しくてこれを了承してしまう事が多いです。

すなわち!

お給料が現金払いだと、保険に入ってません!

怪我したら自費です。

さらに!

毎日、どこかの町で関税局の手入れがあります。

Zoll の手入れで摘発されると、と~っても面倒なことになります。

違法就労はバレなければいい?

ここまで書いても、

「違法就労はバレなければいい。」

と思っている方。

違法就労のもうひとつの危険は、上述の通り会社(雇用者)が保険に入っていないことです。

あなたがそれを承知の上で違法就労、怪我をしても自業自得です。

問題はあなたが加害者になった場合です。

違法就労は怪我をしなければいい?

違法就労は怪我をしなければいい

「違法就労をしても、見つからず、怪我をしなければいいんでしょ!」

と思われている方に、過去に実際にあった例を紹介します。

その方は若き日本人男性。

「そう簡単に、バレるもんじゃない!」

と違法就労(アルバイト)。

会社の車を運転中に車の事故を起こしたんです。

前方不注意での衝突事故です。

その方、違法就労に加え、ドイツで有効な免許なし(無免許運転)で車を運転しての追突事故です。

さらには酒気帯び運転。

そう、調子にのって、仕事中にお酒を飲んでいたんです。

警察からの罰金、処罰が届く前に、仕事先から車の修理代を要求されてもうパニック。

涙ながらにご相談いただいたのは、

「加入しているドイツ留学保険 は利きますか。」

というお問い合わせでした。

留学保険は

  • 車の修理代
  • 飲酒運転の罰金
  • 無免許運転の罰金
  • 違法就労の罰金

には効きません!

強制送還になれば、一部、保険が効きますが、、。

それでも幸いだったのは、けが人がいなかった事。

もし子供を引いていたら、どうやって責任を取ります?

無免許や飲酒運転で事故を起こすと、自賠責保険は効きません!

 

全部自腹です。

その時点で人生はゲームオーバー。

違法就労は絶対にしないでください。

ドイツで違法就労がバレると?

にも拘わらずドイツで

“Schwarzaribeit”(違法就労)

して、これがバレたらどうなるか、見ておきましょう。

飲食店や工事現場は、違法就労が当たり前の世界です。

ドイツでアルバイトの面接に行って、

「みんなやってるから。」

と、雇い主に説得されないようにしましょう。

ドイツでは18歳から成人扱いになるので(*8)検挙にあってから、

「大丈夫って言われました。」

という子供だましの言い訳は通用しません。

関税局の手入れに大当たり脱税がばれると、これまで納めていなかった税金や健康保険料の支払いが一気に舞い込んできます。

そして違法就労の罰金は、最高30万ユーロまでとかなり高額です。

もっとも脱税を働いたのは雇用者なので、脱税の罰金は雇用者に課せられますけどね。

被雇用者の刑が重くなるのは、滞在許可さえもないのに違法滞在をして、違法就労して捕まった場合です。

ダブルで発覚すると?

ダブルで発覚すると?

中国人やベトナム人が、違法滞在 & 違法就労容疑でよく捕まっています。

身元を証明できない場合、逃亡を避けるため現場で身柄を拘束されて(手錠をかけられます)、留置所入り。

その後、強制退去されています。

「それは中国やベトナム人でしょ?」

と思ったアナタ!

韓国で違法就労をしていた日本人が強制送還されました!

 

若者は

「ただのアルバイトでしょ。」

と違法就労を犯罪と考えていないようです。

外国はそんなに甘くないのでご注意ください。

ちなみにドイツから強制送還になると、その費用は5000ユーロ!

そこまでひどくなくても、脱税で捕まると前科者になります。

すると違法就労をした記録が、内務省のコンピューターに残されてしまいます。

すると滞在ビザの更新や、労働許可証の申請、さらには今後のドイツ入国の際に大きな障害になります。

ワーキングホリデービザで働く 注意事項

ワーキングホリデービザで働く女性

次はワーキングホリデービザ で働く場合の注意事項を見ていきます。

ちゃんとワーホリビザを取っていれば

ミニジョブの範囲でアルバイトする場合は、法律面では何も問題がありません。

 

問題があるのは、

ワーキングホリデービザで、フルタイムの就労をする場合です。

 

この場合ドイツでアルバイトではなく、ドイツでの就職になります。

ドイツで就職 – 専門技能者移住法でドイツに移住!

ドイツの社会保障費は高いっ!

冒頭で述べましたが、ドイツで働くと(それがアルバイトでも)社会保障費の支払い義務が発生します。

質問
社会保障費? 何ですかそれは?

 

代表的なものは、

  1. 失業保険
  2. 健康保険
  3. 所得税
  4. 国民年金

です。

これが滅茶苦茶高いっ!

2000ユーロ程度の低所得でも社会保障費を払うと、手元には1300ユーロほどしか残りません。

その中でもとりわけ高いのが、ドイツの健康保険費用です。

お給料のざっと16%が健康保険料として引かれます。

 

2000ユーロほどのお給料でも、320ユーロも保険料として引かれます。

問題は就職先がちゃんと、

「日本人を〇月から雇います。」

と申告せずに、企業側が支払う社会保障費を節約するケースです。

違法就労が発覚すると、節約していた費用の請求が舞い込みます。

半年働いていれば、

320 ユーロ x 6ヶ月 = 1920ユーロ納めなけれななりません。

保険料だけで。

これに加えて所得税、国民年金の掛け金、失業保険料などが一気に請求されて、

質問
払わなきゃ駄目ですか?

 

と、何度かお問い合わせいただきました。

ドイツの支払い義務は、日本では執行できないので

「もう二度と、EUには行かない。」

というなら日本に逃亡することはできます。

それ以外では、逃げる道はなし。

そんな目に遭わないように、ワーキングホリデービザでフルタイムの就労するなら、会社側とちゃんと調整しておきましょう。

法律を守らないブラック企業

疲労して考え込む女性

次の注意点は、法律を守らないブラック企業の存在です。

質問
何ソレ?

 

安い給料で自衛隊並みの肉体労働を課す会社です。

とりわけ日本人の若者は

「ドイツで働いてみたい!」

と夢見ているので

「鴨葱」

です。

人を雇ってもすぐに逃げ出すので、いつもアルバイトを募集しているのもブラック企業の特徴です。

 

そんな会社を見つけたら、

「あ、まだ募集しているラッキー!」

ではなく、

「この会社は年中、アルバイトを募集している。何かあるのでは?」

と考えましょう

最低賃金や健康保険について尋ね

「よく知らない。」

というのは100%嘘。

勿論、知っています。

ドイツの雇用者で法律を知らない人は居ません。

あなたを騙すために、返事を誤魔化しているのです。

そんな雇用先は、アルバイトをする前から避けたほうが賢明です。

ドイツでアルバイト – ワーホリビザの新規制

ワーホリビザが導入された当時、ドイツでアルバイトできる時間は限られていました。

ところがドイツのワーホリはフランスなどと比べて人気がなく、毎年、参加者が減少しました。

「これはいかん!」

と就労時間の制限を取り払いました。

欧州各国がワーキングホリデービザを提供していますが、就労時間の制限がないのはドイツくらいです。

お陰でビザの申請者は増えたのですが、一部の日本人がフルタイムでとして働いていることが問題になりました。

「これはいかん!」

という事で、ワーホリビザの新規則が導入され、

雇用契約を結んでいる場合は、ワーホリビザではなく労働許可証を申請すべし!

 

となりました。

ドイツでアルバイト に応募する

やってみたい仕事が見つかると、次は応募です。

でも、ドイツでの仕事の応募方法は日本と異なります。

そこで以下のページにて、ドイツでアルバイトの際の応募方法や面接での作法を詳しく解説しておきました。

【日本と違う!】ドイツ式 就職面接の作法と心構え

* 注釈

1        ドイツには住民税はありません。収入から払う税金は所得税のみ。

3        学生のアルバイトを”Studentenjob”と呼ぶこともありますが、これは学生が行う仕事を総称する口語であり、正式な法律用語ではありません。

4      にもかかわらず、「見つからなきゃいい。」と働いてる日本人の多い事。こうした日本人を見て、「でも働いていますよ!」とお尋ねいただきますが、あれは違就労です。

5     コロナ禍でホームオフィス中、ベットから起きて居間に行く際、「すべって転んだ。」事故が発生。最高裁は就業中の事故と判断しました。

 

6       日本で働く東南アジアからの技能労働者が、時給数百円でコキ使われており社会問題になっています。

7      罰金により店舗の継続ができなくなり、廃業に追い込まれた店舗もあります。

8      ドイツは18歳から大人なので、大人として処罰されます。