今回紹介する アウグスブルク大学 はミュンヘン大学のような有名大学じゃない。
だから入学希望者も多くはない。
もっとも
「じゃ、有名大学に入学できるの?」
となれば別の話。
東京大学だって、誰でも入れるわけではないですよね?
仮に入学できたとしても、ミュンヘンでの生活費を工面するのは大変です。
そこでお勧めするのがアウグスブルク大学です。
目次
アウグスブルク大学 どんな大学?
アウグスブルク大学の正式名称はそのまま、
”Universität Augsburg”
です。
市内南部の広大な敷地に広がっており、キャンパス内に路面電車の駅もあります。
8つの学部を持ち、在籍している学生の数は2万人。
早稲田大学、明治大学、名城大学など日本の大学とパートナー制度を結んでおり、日本人の学生も在籍しています。
もっともアウグスブルク大学に通う友人に聞くと、
「中国人と日本人の区別ができないから、日本人がいるのかわからない。」
と言ってました。
とりわけ評判がいいのは法学部、経済学部、それにメデイア & 広報学部です。
卒業生にはアウグスブルク市内の企業は言う間でもなく、ミュンヘンからもお声がかかるほど、その名前が知られています。
神学大学から発展した総合大学
ちょっとだけアウグスブルク大学の歴史について紹介。
16世紀初め、アウグスブルクはフッガー家のお陰で絶盛期。
皆まで言えば市民はルターの改革に大賛成でプロテスタント派に改修。
そこで大司教様は50Km離れたデイリンゲンに自己逃避。
ここでほそぼそと
「カトリックの教え」
を伝える後継者の育成のために神学校を開いたんです。
第二次大戦後、この神学校はミュンヘン大学の神学部になります。
その後、学生で
「パンパン」
になったミュンヘン大学の負担を軽減する為、70年代にアウグスブルク大学の設立が決定されます。
その際にミュンヘン大学の神学部を組織上、アウグスブルク大学に取り込みました。
こうして
- 神学部
- 教育学部
- 法学部
の3つの学部を持つアウグスブルク大学が設置されました。
今では理系の学部も増設されて、立派な総合大学になっています。
アウグスブルク大学 – 学部 & 学位
アウグスブルク大学には
- 経済学部
- 神学部
- 法学部
- 歴史文献学部
- 哲学社会学部
- 数学自然技術学部
- 医学部情報学部
があります。
その他に市内にある教育専門大学の音楽教師用の教育も、アウグスブルク大学のキャンパス内で講義が行われています。
取得できる学位は、
- バチラー /”Bachelor”
- マスター /”Master”
- 国家試験 /”Staasexamen”
- 博士 /”Doktor”
です。
バチラーの学位を取るには、中間試験などをすべてクリアしても、6ゼミ必要です。すなわち3年です。
無事、バチラーを取得した人には、マスターに挑戦することができます。
マスターの学位を取得するのはさらに(最低)4ゼミ必要になります。
講義が行われる言語
アウグスブルク大学では講義が行われる言語は、大部分ドイツ語です。
マスター課程の一部の学部に限定はされますが、英語で学習できる専攻も提供しています。
英語圏、あるいはインターナショナルスクールでドイツの大学入学資格を取得された方は、こうした専攻を取れば、そのまま英語で学業を始めることができます。
アウグスブルク大学 専攻
では次はアウグスブルク大学で提供されている専攻をみてみましょう。
どんな専攻があるのか、詳細は大学のホームページにてご確認ください。
ご覧の通り左に専攻、それから学位、入学条件(制限)、入学時期、それに入学に必要なドイツ語のレベルまで、明記されています。
専攻をクリックするとさらに詳しく、
- 講義の内容
- 講義が行われる言語
- 必要なドイツ語能力
- 学位取得に必要なゼミの数
- 将来の就職先
まで、とてもわかりやすく記載されています。
ドイツ文献学 / Germanistik
アウグスブルク大学ではドイツ文献学 / Germanistik を例に、出願要綱を見ていくことにします。
ドイツ文献学をクリックすると、上述の画面が表示されます。
すると一番上に
“Mehrfach-Baechelorstudiengang ( B.A)”
と書かれています。
どうい意味なんでしょう。
では、もっと内部を詳しくみていきましょう。
大事なことは右側に書かれています。
ドイツ語のレベルは C1 終了レベル、全部で6ゼミ、夏、冬ゼミ、どちらでも出願可、という内容です。
この画面の何処に副専攻について書かれているのでしょう。
副専攻は何を選べばいいの?
実はこの画面の右下に、
“Kombinationsmöglichkeiten”(組み合わせできる専攻)
という項目があります。
これをクリックするとPDFが表示され、ドイツ文献学と組み合わが可能な専攻、神学、英文献学、教育、地質学、法学、歴史、芸術など、さまざまな専攻が表記されています。
こ中から副専攻を選んでください。
あるいは!
「副専攻のほうが興味がある。」
という場合は副専攻を主専攻にして、ドイツ文献学を副専攻に選ぶもアリ。
アウグスブルク大学 – 出願条件
専攻により若干の違いがありますが、アウグスブルク大学の出願条件は他の大学とほぼ同じです。
とりわけ外国人向けの出願条件は。
以下に主要な出願条件を記載しておきましたので、出願準備にご利用ください。
他の大学同様に大学出願条件は、ドイツの大学入学資格、アビトウーア /”Abitur”に匹敵する資格が必要です。
日本の高校卒業では、この資格を満たしません。
日本の大学を卒業されている方は、ほとんどのケースで入学条件を満たします。
こちらで詳しく解説しているので、是非、ご覧ください。
出願書類
詳しい出願書類に関しては、大学出願サポートにお申込みいただいた方に、ご案内しております。
ドイツ語の資格
アウグスブルクの大学入学資格を満たすドイツ語の資格には、以下の検定試験があります。
- ドイツ語の検定試験 TesDaf にて、TDN 4 あるいは TDN 5 に合格する。
- ドイツ語の検定試験 Telc にて、C1 あるいは C2 で合格する。
- ドイツ語の検定試験 DSH にて、DSH-2 あるいは、DSH-3 試験に合格する。
- ゲーテ・インスティテュートの検定試験 C-1 あるいは C-2 試験に合格する。
学業開始時期
出願時期
冬ゼミの出願期限は、7月15日です。
この日までに大学に願書が届いている必要があります。
アウグスブルク大学 出願手順
専攻も決まったら、いよいよ出願です。
アウグスブルク大学出願手順は以下の通りです。
- オンラインで入学申請
- 作成された書類を印刷
- “VPD”と一緒に印刷した書類を大学に郵送。
出願手順はこの通りですが、出願の準備は末尾の”VPD”から始めます。
VPD とは?
”VPD”
とは
“Vorprüfungsdokumentation”(事前の書類チェック)
の略称です。
そこでこの審査をウニ アシスト / Uni-Assist という機関に任せています。
ドイツの大学入学資格 Abitur を取得していない人は、ウニ アシスト / Uni-Assist に書類を送り本当にアウグスブルク大学の入学基準を満たしているか審査を受ける必要があります。
審査にかかる時間
ウニ アシストはこの審査に6週間も必要です。
その後、審査結果がメールで届きます(郵便でも郵送されるそうですが、日本まで届くかどうかは運次第)。
審査結果が届いたら、これを出願書類と一緒にアウグスブルク大学まで郵送します。
有効期限
VPD の有効期限は発行日より1年間有効です。
アウグスブルク大学への出願を考えている人は、早めに VPD を申請して、回答をもらっておきましょう。
DSH 準備コース
アウグスブルク大学は、DSH 準備コースを提供していません。
大学進学を目指す方は、市内の語学学校でドイツ語を習ってから、出願してください。
尚、普通の初級者がドイツ語の学習を始めて、大学入学レベルに達するまで、たっぷり1年必要です。
街の紹介
アウグスブルクはロマンチック街道の創立メンバーです。
残念ながら戦争末期に、中世から残っていた綺麗な街並みが破壊されてしまいました。
それでも市内のあちこちに
「史跡」
が存在しています。
多くは戦後に再建されたものですが、ケルンやデユッセルドルフのような工業都市と比べたら、断然に綺麗です。
人口は(ほぼ)30万人で、日本食を除けば大抵のものは市内で調達できます。
市内の北にはIKEAもあり、私も安い家具を求めて何度も足を運びました。
詳しい街の案内はこちらをご覧ください。
最寄り空港
アウグスブルクの最寄り空港は言わずと知れたミュンヘン空港です。
問題はここから。
ミュンヘン空港には、各駅停車の超鈍行電車(S-Bahn)しか走っていません。
正確には隣町にあるミュンヘン空港から電車で、ミュンヘン中央駅に出るのに50分もかかります。
ここで特急料金の要らない”Regionalzug”(鈍行)に乗り換えると、アウグスブルクの中央駅までなんと1時間半。
電車の待ち時間も考慮すると、3時間近くかかります。
空港自体はアウグスブルクから110Kmくらいしか離れていないのに、、。
あ~しんどい。
市内交通
アウグスブルクは人口が30万人(近く)あるので、幸い、路面電車が走ってます。
人口の少ない場所は、路面バスが走っています。
週末は便数ががっくり減るので、ご注意あれ!
ほとんどの主要道路では自転車用のレーンが設けられているので、実に走り易い。
長期滞在される方は自転車を購入しましょう。
とっても便利です。
冬は半端なく寒いですけどね!
大学出願サポート
大学への出願、学業に関して不明な点は、大学に直接問い合わせる必要があります。
しかしながら英語で問い合わせをしても、返事が全く来ないか、
「ホームページを読んでくれ。」
とだけ書かれています。
そこで当社では出願案内 & 出願代行サポートを提供しております。
こちらは有償のサポートになりますが、出願に関して不明な点などは、経験豊富な当社までお問い合わせいただければ、当社にて回答させていただきます。
これまで2001年以来、何度もお客様の出願をしてきましたので、大学が出願者に何を要求しているか、熟知しております。
出願サポートの詳細はこちらをご欄ください。
アウグスブルク大学 出願 質問集
皆さん、初めてアウグスブルク大学へ出願されるので、同じ疑問を抱えておられます。
一方、当社に寄せられる質問は、毎回同じ内容です。
そこでわざわざ問い合わせなくても済むように、大学出願関連の質問集を作成しました。
お問い合わせいただく前にご覧いただければ、ほとんどの疑問は解決すると思います。