トリアー大学サマーコース【宿泊施設付き】

トリアー大学はアーヘン大学に次いでドイツの最西にある大学です。

当然、日本での知名度は極めて低く、

「日本人が少ない大学に留学したい。」

という方にお勧めする大学のひとつです。

そのトリアー大学は毎年8月に、宿泊施設付きのサマーコースを行ってます。

その価格はフライブルク大学より3割以上も安いです！

以下に詳しく解説いたします。

トリアー大学の紹介

大学の正式名称はそのまんま

“Universität Trier”（トリアー大学）

です。

ルパートだのカールだの余計な名前を冠していないので、わかりやすくていいですね。

在籍してる学生は1万3000人ほど。

日本だったら中規模の大きな大学ですが、マンモス大学が多いドイツでは小規模の大学です。

それほど人口の多くない地域なので、そもそも街に大学があるこそさえ珍しい。

そこでトリアー大学は

「名前が弱い弱点」

を補強するために、海外の大学とパートナー協定を数多く結んでいます。

日本の大学では上智大学、早稲田大学、東京大学などの

「有名どころ」

が提携先です。

こうしたパートナーシップを利用する事で学生が

「井の中の蛙大海を知らず」

を避けて、広い視野を持たせる努力が行われています。

参照 : Universität Trier

大学創設

トリアー大学の創設は

「ひょんな」

機会がきっかけです。

15世紀に町を支配していた選帝侯兼大司教のJakob I. von Sierck が、ローマにお参りに行きます。

現地で遭ったの同郷人の枢機卿に、

「トリアーに大学を創設しよう。」

と説得されて、実際に大学創設を教皇に申請しちゃいます。

すると数年後、ローマ教皇の許可が下ります。

ところが肝心の大学を創設するお金がないっ！

結局、この計画は頓挫。

すると今度は1472年、トリアーの街が大司教に大金を払い

「市立大学」

創設の許可を取り付けます。

こうして1473年、めでたく大学創設。

大学を創設したものの、大学は慢性的な資金難に悩まされます。

18世紀にファルツ選帝侯が教師のお給料を負担すると約束して、やっと大学は資金難から解放されます。

大学閉鎖の憂き目に

ところが1789年、フランス革命がおきます。

フランス革命軍は、

「民主主義の輸出」

を武力で開始。

トリアーはフランス軍に占領されて、大学は閉鎖されてしまいます。

幸い、フランス占領は長くは続かなかったのですが、ナポレオンの次にトリアーを支配したのはドイツ第二帝国の覇者プロイセン。

そのプロイセンはプロテスタントの国。

その一方で、トリアーはカトリック色の強い街。

プロイセンは国費を使ってカトリックの地に、大学を設立するのに消極的。

又、街にもお金がなかったので大学再建ならず。

トリアー大学再建

トリアー大学再建は、第二次大戦後の

「高度成長期」

を迎えて経済に余裕が出るまで先延ばしされました。

1969年、ラインランドーファルツ州政府は、州内にマインツ大学に次いで、第二の大学創設を州議会で決議します。

もっとも当時は、

「トリアーカイザースラオター大学」

という名前で、二つの街に分散する形の大学でした。

今の形になったのは、90年代になってから。

その結果、大学の建物の建築は90年代の後半まで建築が続き、とてもモダンな建造物になっています。

又、学部が市内に散在しているので、どのキャンバスに行くのか前もってしっかり調べておきましょう。

街の紹介 – ドイツ最古の町

街の紹介 - ドイツ最古の町

紀元前18年頃、モーゼル河畔に入植してきたローマ人によって植民地が築かれたのが、トリアーの起源です。

もっとも建設当時の名前は、

“Augusta Treverorum”。

4世紀から

“Treveris”

となり、ゲルマン化で名前がトリアーとなりました。

そのトリアーの住人の誇りは、

「ドイツ最古の街」

です。

ドイツには、ローマ帝国の植民地として始まった街は多いです。

でもゲルマン民族の襲来で植民地が放棄されてゴーストタウンになり、中世になってから

「また人が住み始めた」

というケースが大半です。

しかしトリアーは世界遺産都市のレーゲンスブルク同様に、

レーゲンスブルクドナウ河畔で最も美しい中世の街

植民地時代から、切れ目なく人が住んでいた街。

2000年の歴史を誇る、押しも押されぬドイツ最古の街です。

観光資源

長い歴史を持つトリアー、現在では11万人の人口ながらも

「ドイツの有名な観光名所」

になっています。

街中にロ－マ時代の遺跡がごろごろ転がっています。

工事をする度に地中から遺跡が出てくるので、工事がなかなか進まないのが玉に瑕。

ロ－マ人の好きだった浴場の遺跡もあれば、円形劇場もあります。

フランクフルトでもロ－マの遺跡は見つかっていますが、これほど保存の良い状態で残っているのは、ここだけ。

数多い遺跡の中でも一番の見所といえば、黒い門（ポルタニグラ）。

最初は

「車の排気ガスで汚くなったの？」

と思ってしまうこの黒い遺跡。

実は黒い岩を使って建てられたんです。

これがそのまま門の名前になっています。

参照 : ポルタニグラ

トリアー名物モーゼルワイン

トリアー名物と言えばモーゼルワイン。

ローマ兵がこの地で栽培を始めたのが、ワイン栽培の始まりです。

この地で栽培されているのは、リースリングとミュラートゥルガオという、他の地域でも栽培されているワイン種。

なのに土壌のせいか、他の土地で栽培されたワインと味が異なります。

素人にもわかるほど、はっきりと。

通に言わせると、

「リースリングは渋みがあり旨い！」

といいます。

でもモーゼルワインはこの渋みがなく、とってもまろやか。

甘くて日本人の口に合います。

ドイツでは18歳から成人扱いになるので、堂々とモーゼルワインを店頭で購入することができます。

購入の際に身分証明書（早い話がパスポート）の提示を求められることもあるので、ワインを買いに行く場合はお忘れなく。

参照 : モーゼルワイン

アクセスデータ

トリアーの最寄空港は、ルクセンブルク空港です。

参照 : ルクセンブルク空港

トリアーまではバスの302番で行けます。

料金はたったの5ユーロ。

2時間もかかるのに！

ただし！

バスの本数が極端に少なく、おフランス語で書かれているので意味不明。

ルクセンブルクはドイツ語圏じゃ、なかったん？

あまり冒険好きでない方は、フランクフルト空港をご利用ください。

フランクフルト空港からトリアーまで、電車で3時間少々の移動になります。

市内交通

トリアーの人口は11万人なので、お金のかかる路面電車はなし。

市民の足は路線バスです。

参照 : 路線バス